MONKEY MAJIK 25th Anniversary
2025年4月5日(土)Kanadevia Hall(TOKYO DOME CITY HALL)
東京の桜が満開を迎えた4月5日、MONKEY MAJIKの結成25周年を祝う記念ライブがKanadevia Hall(旧・TOKYO DOME CITY HALL)で開催された。満員のファンによる祝福の声と、豪華ゲストのパフォーマンスで沸きに沸いた、3時間近くに及んだスペシャルなライブを振り返ろう。
この日のために作られた、メンバー紹介とカウントダウンのナレーションを含むドラマチックなSEと照明。さぁ開演だ、と思った瞬間、ジャラランと鳴り響く三味線と紗幕に映し出されるシルエット。大歓声の中で幕が落とされ、MONKEY MAJIK+吉田兄弟の「Change」でライブが始まる、意表を突くオープニングにみんな大喜び。力強い三味線の響きに共鳴して、サポートのミスター(Key)を加えたバンドの演奏も気合十分。楽しい夜になりそうだ。
「25周年、本当におめでとうございます!」(Maynard)
Maynardのセリフは、自分たちに言ったのかファンのために言ったのか、たぶん両方だろう。あたたかい祝福ムードの中、「Tokyo lights」「A.I. am Human」「Around The World」と、序盤はアップテンポ連発でぐいぐい飛ばす。2006年のドラマ『西遊記』主題歌の大ヒット「Around The World」を早くも4曲目にやったのは、今日はバンドのヒストリーを全部見せるぞという意気込みだろう。望むところだ。
「MONKEY MAJIK 25周年へようこそ!すごく楽しみにしてました」(Blaise)
ここから5曲は、バンド初期の「turn」「5.30」「tired」、メジャーデビュー曲「fly」と、当時からのファンは感慨深く、近年のリスナーは逆に新鮮なMONKEY MAJIKクラシックスがずらりと並んだ。MaynardとBlaiseのハーモニーが美しい「turn」、若々しいUSインディーロックのスタイルで聴かせる「tired」、そして観客全員の心を合わせる大合唱が聴けた「fly」。続けて歌った、アカペラコーラスが美しい「Amazing」は2020年の楽曲だが、過去曲と並んで違和感はない。いい曲は時を超える。すべての曲がMONKEY MAJIKのヒストリーの中で自然に寄り添い合っている。
「25年、いっぱい曲を作ってきました。みんながよく知ってる曲をやるので、歌ってください」(Blaise)
この日のために、MaynardとBlaiseの姉がカナダから来日して、昨日はBlaiseと一緒に相撲部屋体験をしたらしい。なごやかなMCのあとは、2007年にCMソングでヒットした「空はまるで」を筆頭に、代表曲とシングル曲の連発でしっかり聴かせ、歌わせる。「Headlight」はいくつものペンライトが振られ、「ただ、ありがとう」は満場一致の大合唱。リズミックな「Running In The Dark」や「Borderline」は、DICKとTAXのリズム隊が生き生きしてる。MONKEY MAJIKの25年、それは国も言葉も音楽ジャンルも、様々なBorderlineを乗り越えて力強く歩み続けた25年。
「25年前、俺は参加してないけど。いるつもりでいたけど(笑)」(DICK)
「俺もちょっと後からだけど。25年やってるつもりで、みなさんへの感謝の気持ちをドラムに乗せてます」(TAX)
「Chat GPTで調べたら、メジャーデビューしたバンドが25年続くのは1%らしいですよ。奇跡です」(Maynard)
奇跡のバンド、MONKEY MAJIKを祝福しに来たのは観客だけじゃない。「Bitten By You」を披露し後Maynardが、「レディース・アンド・ジェントルメン、Def Tech!」と叫んだ瞬間、ステージに駆け込んできたShenとMicroを、今日イチの大歓声と拍手がお出迎え。曲はもちろん「O.G. Summer」だ。Microが「飛べ!飛べ!」と煽り、Shenがクールなラップで盛り上げる。まるでジャンピング・エクササイズ、1曲で完全燃焼の濃密な時間だ。二人を送り出したあと、さらにスピードを上げて「HYLMN」「XYZ」へ。それはMONKEY MAJIKのアグレッシブな側面を見せつける、ハード&ヘヴィなロックンロールタイム。
「カナダから日本に来て、仙台に住んで、みなさんがずっと応援してくれて。信じられない夢ですよ。Thank you guys,We love you!」(Blaise)
ここから3曲のスロー/ミドルバラードは、25年間を支えたファンに捧げる贈り物。ステージ後方のミラーボールが突然輝き出す、素晴らしい演出に息を呑む「アイシテル」、Maynardのエモーショナルな歌が光る「Golden Road」、Blaiseのハートフルな歌声が胸に沁みる「Together」。「I love you!」の掛け声に、「I love you,too!」と返すMaynard。じっくり聴かせるセクションから一転して、ハードなロックテイストの「虹色の魚」「Fall Back」、そして骨太なミドルチューン「rise」へ。MONKYEY MAJIKの音楽が持つ多様性をすべて見せながら、ライブはいよいよクライマックスへーー。
「みなさんありがとうございます。また25年後によろしくお願いします(笑)」(Blaise)
「言ったね(笑)。今までの25年、ありがとうございました。これからの25年もよろしくお願いします!」(Maynard)
本編ラストを飾ったのは、2013年リリースの「Save the last dance」だった。ダンサブルなリズムに哀愁のメロディ、盛大な手拍子にTAXの気迫のドラム、そしてミラーボールが作り出す壮麗な光景。♪ラララ、の大合唱でみんなの心が一つになる。それは25年の時がはぐくんだ、音で結ばれた強い絆。
開演から2時間をとうに過ぎたが、楽しい時間は終わらない。桜の季節に合わせたアンコール1曲目「SAKURA」を歌うMaynardがふと歌に詰まったのは、ただのミステイクか、それとも感情のたかぶりか。そして明るくファンキーな「Delicious」で大騒ぎしたあと、予告もなしに突然ステージに現れたド派手なピンクスーツの二人組。あれは誰だ?サンドウィッチマンだ。
「25周年おめでとうございます!」
大喜びの観客を前にショートコント「CD屋さん」を披露する伊達と富澤、そのネタをもらって完コピするMaynardとTAX。さらにメンバー全員が金ピカ衣装に着替え、MaynardとBlaiseが長髪カツラをかぶると、やるのはもちろんあの曲しかない。2018年のMステ出演以来だという「ウマーベラス」の生演奏と生ダンス、おまけに曲中でもう一つショートコントの大サービス。エンタメ度満点のパフォーマンス、この日この場でこの盛り上がりを体感できた人は本当にラッキーだ。
「25年間、一番大事なのはみなさんのサポートです。いつも応援してもらってありがとう」(Maynard)
「本当に愛してます!これからも、and forever、よろしくお願いします」(Blaise)
25年間の歴史を詰め込んだセットリストの最後に歌われたのは「FOREVER」。終わりのない旅 まだまだ続く、という歌詞が今のMONKEY MAJIKによく似合う。「あと25年やるよ(笑)」(Maynard)というのは、きっとただのジョークじゃない。3時間近く演奏し続けたあとも、バンドはまだまだ元気いっぱいだ。
今年はこのあと、全国を回るツアーも決まっている。中国でのフェス出演もあるらしい。リリースもまだあるかもしれない。J-POPの心を持った洋楽バンド、あるいは洋楽のセンスを持ったJ-POPバンド、どっちにしても唯一無二のバンド。2025年の今、MONKEY MAJIKがここにいてくれることを喜ぼう。
SET LIST
01. Change (with 吉田兄弟)
02. Tokyo lights
03. A.I. am Human
04. Around The World
05. turn
06. 5.30
07. tired
08. fly
09. Amazing
10. 空はまるで
11. Headlight
12. ただ、ありがとう
13. Running In The Dark
14. Borderline
15. Bitten By You
16. O.G. Summer (with Def Tech)
17. HYLMN
18. XYZ
19. アイシテル
20. Golden Road
21. Together
22. 虹色の魚
23. Fall Back
24. rise
25. Save the last dance
ENCORE
26. SAKURA
27. Delicious
28. ウマーベラス (with サンドウィッチマン)
29. FOREVER
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