少女革命計画(心世紀 × 罪十罰)、分岐点となる初公演は大成功!運命すらも改変しながら新章へ突き進む

ライブレポート | 2025.07.25 18:00

KAMITSUBAKI WARS 2025 神椿川崎戦線 少女革命計画 1st LIVE/第一幕『改変』
2025年7月11日(金) 川崎・CLUB CITTA'

御莉姫・佳鏡院・硝子宮によるバーチャルとリアルを越境するXtuberユニット「心世紀」と、氷夏至・美古途・夕凪機によるバーチャルシンガーユニット「罪十罰」が中心となって展開する、KAMITSUBAKI STUDIOの音楽×物語プロジェクト「少女革命計画」。彼女たちの初の単独公演「KAMITSUBAKI WARS 2025 神椿川崎戦線 少女革命計画 1st LIVE/第一幕『改変』」が川崎CLUB CITTA’で開催された。“少女たちの分岐点”と銘打った同公演はチケットもソールドアウトし、それを見届けるべく会場には多くの観客が集まった。

オープニングムービーでこの日の物語のプロローグを飾ると、心世紀の3名が登場。景気づけにデビュー曲の「フェイクナイト・シンデレラ」をダンス&ボーカルパフォーマンスで披露する。逆光ゆえに3人の姿はシルエットのみ確認できるかたちだが、それでも衣装や髪型などはキービジュアルと同様であることがうかがえる。現実と仮想が交差する刺激的な景色、ハイトーンやロングトーン、ハーモニーやユニゾンなどでカラフルに魅せる3人のボーカル、エモーショナルなダンスに、フロアからも大きな歓声が沸いた。

心世紀

メンバーが「一緒に楽しんでいきましょう!」と観客に呼びかけると、「パーフェクション」ではエレクトロサウンドに乗せてキュートな振り付けを披露する。優雅かつ華やかな一挙手一投足も彼女たちの強みだ。「Ephemeral」ではキャッチーなリズムに乗せて、可憐かつパワフルに駆け抜ける。ひとつのカラーに収まらない多彩な表現は、様々な感情が渦巻く心の中をそのまま映し出すようだった。

続いては罪十罰がステージに現れる。ラップや決め台詞を含むミドルテンポのダンスチューン「Synapse」で、心世紀とはまた違う角度からフロアを興奮させた。美古途が「今日この場所で、みんなと革命を起こしに来ました」と告げると、続いての「SHOCK」ではフロアからも曲に合わせてコールが起きる。緩急を取り入れたアレンジも、3人のボーカルの奥行きをより際立たせていた。

ここであらためて、異なる特性や音楽性を持つ心世紀と罪十罰の共通項が“凛々しさ”であると痛感する。どんな感情や状況を歌にしても、彼女たちは常に前を一心に見つめている。“革命”という言葉を掲げているユニットだからこそ生まれる美学や、それを目指す意志が、彼女たちを完成度の高いステージの実現へと突き動かしているように見えた。

罪十罰

命懸けの恋を綴ったデビュー曲「弔花」で罪十罰の3人が執着にも近い深く強い思いをパフォーマンスとボーカルで表現すると、佳鏡院のポエトリーを挟んでソロ曲メドレーのセクションへ。心世紀と罪十罰のメンバーが交互に自身の個性を活かしたステージを展開した。

硝子宮は「well」をウィスパーボイスと繊細なモーションでもって丁寧に紡ぎ、ソフトな空気で会場を包み込む。氷夏至はクールな声と佇まいで「ジャンク」を披露し、終盤に向かうにつれてパフォーマンスが熱を増していく様子には目を見張った。両手を振りながらスキップでステージに飛び出してきた佳鏡院はセンチメンタルなポップナンバー「宇宙逃避行」を軽やかに届ける。「セルフィッシュ」を歌唱した美古途は、水槽の中を模した映像演出を味方にして、情感豊かな振り付けと歌声で神秘的な空間を作り出した。御莉姫は会場を翻弄するかのように挑発的なエレクトロスウィングテイストの「シンユウ」を時に艶やかに、時に激しく歌い上げる。ソロセクションのラストを飾った夕凪機は「アバウト」を安定感のあるボーカルで魅せ、少女特有の強さと弱さを巧みに表現した。

硝子宮

氷夏至

佳鏡院

美古途

御莉姫

夕凪機

再び各ユニットのステージへと戻り、さらに物語の深くへと観客をいざなう。まず登場した心世紀はメルヘンなサウンドデザインが胸をくすぐる「ココロト」を妖精のようにきらびやかなボーカルで彩り、アップテンポのディスコサウンドに孤独な心の叫びが乗った「うそ鳴き」では低音から高音までフルに使って内なる感情をあらわにした。ポエトリーリーディングで幕を開ける「ミリオン・コンプレクシティ」は躍動感のあるダンスとエモーショナルなボーカルで会場を煽る。観客もクラップなどで積極的に参加するなど、同曲がライブのキラーチューンとしてさらに育っていくことを予感させた。

心世紀

氷夏至のポエトリーに続き、罪十罰がステージに現れる。アッパーな「blindness」では観客による盛大なコールでさらに3人の歌声が熱量高く響き、ラップで始まる「DIGGER」ではその温度を保ちつつも泰然としたムードで観客を心地よく揺らした。ドラマチックで鮮烈な展開を見せる「SURVIVAL」は、その目まぐるしいサウンドデザインをダイナミックに乗りこなすような、タイトルどおりの生命力に満ちたパフォーマンスを繰り広げる。恐れを押し殺してでも前に進んでいくような気概溢れるステージは、今後さらに個々の力も団結力も上げていくという決意の表れと言ってもいいだろう。

罪十罰

ライブはとうとうクライマックスへ。美古途のポエトリーのあとは、心世紀と罪十罰のコラボレーションステージとして少女革命計画の全員歌唱曲を披露した。両ユニットは交互に1列に並び「鈍色幻灯」を歌唱する。ここまでユニットとしての魅力、個人の強みを堂々と観客に見せた彼女たちが、6人で力を合わせてスケールの大きなステージを作る様子は胸に迫るものがある。本編ラストは初の全員歌唱曲であり少女革命計画のアンセムである「現世回帰」。それぞれが持つ力をすべてステージに捧げるような、迫真のパフォーマンスだった。

アンコールでは、全員歌唱曲の新曲「主人行路」をサプライズで初披露する。6人の歌声が乱反射するようなアグレッシブな楽曲で、芯の強さやたくましさがよどみなく発揮されていた。さらに、たなかが作詞、たなか、 Kazuto Okawa:LLLLが作曲を手掛けたライブタイトルを冠する新曲「改変」でライブを締めくくる。エンディングによく合う壮大なバラードで、6人の優しさや純粋な気持ちがぬくもりとともに伝わってきた。

エンドロールの後はこの日披露した新曲2曲のリリースが発表され、「主人行路」は学園RPGゲーム『ヴァレット/VARLET』の新規書き下ろしイメージソングであることも明らかになった。また、10月には1stアルバム『改変』をリリースするという。心世紀の歌唱曲を収録した『改変 -心-』、罪十罰の歌唱曲を収録した『改変 -罪-』、前述2枚を封入した『改変』の全3種で、それぞれのユニットの既存曲6曲に、新たに書き下ろし4曲、「改変」ユニットバージョンを加えた全11曲で構成される。少女革命計画の物語はここからさらに広がりと深みを増すことだろう。逃れられない運命すらも改変しながら、彼女たちは凛と突き進む。新章の幕開けへの期待が膨らむ、掛け替えのない1日となった。

SET LIST

01. フェイクナイト・シンデレラ
02. パーフェクション
03. Ephemeral
04. Synapse
05. SHOCK
06. 弔花
07. well
08. ジャンク
09. 宇宙逃避行
10. セルフィッシュ
11. シンユウ
12. アバウト
13. ココロト
14. うそ鳴き
15. ミリオン・コンプレクシティ
16. blindness
17. DIGGER
18. SURVIVAL
19. 鈍色幻灯
20. 現世回帰
21. 主人行路
22. 改変

SHARE

関連リンク

最新記事

もっと見る

RECOMMEND編集部オススメなう!