ClariS SPRING TOUR 2024~Tinctura~
2024年6月2日(日) TOKYO DOME CITY HALL
18:00 開演
開演すると照明は青くなり、神秘的なインストが流れると客席からクラップが起きる。途中からバンドの演奏が加わる。そしてクリック音と共に会場が明転し、二段あるステージの上段にクララとカレンの姿と歌声が。客席もクララのイメージカラーのピンクとカレンのイメージカラーのグリーンの2色のペンライトで彩られる。1曲目の「reunion」からスピード感とダイナミックなダンスで躍動するクララとカレン。「蕾(つぼみ)のまま」では向い合って、手を合わせる様子はまさに「蕾」、腕を上に挙げてクロスさせる振りは花を咲かせたよう。
2曲目の「ヒトリゴト」は片想いの歌で、好きな人への想いが募って胸の鼓動の高鳴りがどんどん速くなっていくのと同様にBPMも加速する。サビメロの歌詞で「君」というワードが出るたびに客席を指差す二人。大サビ前にバンド紹介。ドラムは村田一弘、キーボードは中尾昌史、そしてバンドマスターはベースを担当する黒須克彦、ギターの山本陽介も楽曲制作だけでなく、多くのアーティストのサポートで活躍している。そんな一流のアーティストがそろったのがClariSバンドだ。
打って変わってアイリッシュな空気感漂う最新シングル「アンダンテ」では、4人の女性ダンサーが登場。MVでも見せたフォークダンスを、クララとカレン、ダンサー4人で踊る。間奏前に6人で円を描き、手を合わせてから上に挙げて開き、Dメロの「心にかざした望遠鏡に」で、手で筒を作ってのぞき込む様子もかわいらしい。ちなみにダンサー4人が加わったのは東京公演のみとのこと。異国を訪れた気分になった。
ここでドラムビートと共にクララ「ペンライトを濃いピンクにしてください」、カレン「一緒にシュビドゥビして~!」と呼びかけ、1、2、3、4とカウントダウンすると、アルバム「Iris」のリード曲「Love is Mystery」へ。「シュビドゥビ・バッ・バッ・ドゥドゥービー・ドゥーワー」の歌い出しやブラスが入った楽曲に合わせ楽しくゴージャスな歌い方からいたずらっぽい表情が見えたりと、ソロパートの歌声もしっかり聴ける曲だ。マイクスタンドで歌い、スタンドに腕をかける振りや、シンデレラをイメージさせる、「12時までの魔法なんて」の歌詞では時計の針がてっぺんの12時まで刻む振りも新鮮だった。
ここで1回目のMCコーナー。クララは「もう最高だね」、カレンも「熱いね」。そして「今日は最高の色をみんなと作りたいと思います。準備はいいですか? たくさん声を出して、笑顔で楽しんでいってください」。
次の曲「擬態」は、カレンいわく「ツアーが近いこともあって、皆さんと楽しめる曲をシングル(「アンダンテ」)に入れたいね」という想いで収録した曲。照明が赤く染まり、抜き足差し足忍び足する振りなど怪盗のような振りがたくさん。「獲物に合わせてメタモルフォーゼ」や「姿は変幻自在」の歌詞もまさにClariS! 曲の終盤で、BPMが加速し、そのスピードに合わせて、二人の振り付けもどんどん速くなる。
次の「Freaky Candy」はジャズっぽいオケに合わせて歌い踊る、特に「ねぇ」の言い方や手を口元にそえる素振りにドキッとさせられる。しかし「Juicy cozy crispy creamy chewy」と歌う声はかわいく、その対比がすばらしい。
前曲が終わると、響き渡るアコーディオンの音色に合わせ赤い照明に。「Masquerade」では、タンゴのようなリズムに合わせてのダンスや時折見せる人形のようなぎこちない動きや表情は、密かに行われる舞踏会みたいだ。妖しさや怖さに加えて、せつなさも感じさせる。