Nothing’s Carved In Stone、東京ツアーファイナル! UNISON SQUARE GARDENと約11年ぶりの競演を果たす

ライブレポート | 2025.07.31 18:00

Nothing‘s Carved In Stone "Hand In Hand Tour 2025"
2025年7月19日(土) Zepp Haneda(TOKYO)
Guest:UNISON SQUARE GARDEN

5月末からスタートしたNothing’s Carved In Stoneによるツーマン・ライブツアー「Hand In Hand Tour 2025」が7月19日(土)、東京・Zepp Haneda公演でファイナルを迎えた。彼らと共にこの最終日のステージを飾るのは、UNISON SQUARE GARDEN。今回の「Hand In Hand Tour」では各地ゆかりの深いバンドから初のツーマンとなるバンドまでが揃ったが、UNISON SQUARE GARDENとは11年ぶりの共演になるという。ソールドアウトとなり2階席の立見が追加販売された満員のZepp Hanedaは、早い時間より観客による熱気と期待感とで温度が上がっている状態となった。

UNISON SQUARE GARDEN

UNISON SQUARE GARDEN

まず登場したのはUNISON SQUARE GARDEN。そのステージはまさに怒涛の一言で、イントロダクションとなるセッションから斎藤宏介(Vo/Gt)の「UNISON SQUARE GARDENです」という挨拶を皮切りに「fake town baby」からアンサンブルのボリュームもスピードも上げて、「カオスが極まる」までの6曲を連投していく。一息で駆け抜けるというのが言い過ぎでないくらいの体感で、それでいて1曲、1曲がプログレッシヴでカロリー過多なくらいのフレーズが詰まっている。斎藤宏介、田淵智也(Ba/Cho)、鈴木貴雄(Dr/Cho)という3人の音でありながら、それ以上の気迫を感じるエクストリームなサウンド/アンサンブルが、観客を思うままに揺さぶっていく。各自見せ場がふんだんで、斎藤と田淵が向かい合ってフレーズの応酬を繰り広げる「Invisible Sensation」、また「フィクションフリークライシス」から「カオスが極まる」へという流れでは会場にシンガロングを巻き起こしていくと同時に、会場内の興奮の濃度をこれでもかと上昇し続ける。痺れるような爆音だが、それすらも心地いいのは曲が持つキャッチーさとキレのいい、ドライブ感があるアンサンブルゆえだろう。

斎藤宏介

田淵智也

鈴木貴雄

暗転からの後半は、ロックンロールなリフが抜群な「crazy birthday」でスタートし会場に“ノーモア happy birthday? No more happy birthday”のシンガロングを響かせ、鈴木のワン、ツー、スリー、フォー!の叫びから「傍若のカリスマ」へと続いていった。前半がフルスロットルだったが、後半もまたエネルギッシュな曲が並ぶ。イントロのギターリフに大きな歓声が上がった「シュガーソングとビターステップ」では、田淵はステージ中を跳ね回るようにしてプレイし、鈴木は立ち上がってダイナミックにドラミングする。笑顔でジャンプする観客のパワーも加わって、会場内が多幸感で満ちていくのが感じられるステージだ。「Nothing’s Carved In Stone、今日は呼んでくれてありがとうございました。ラスト!」(斎藤)。MCらしいMCといえば、最後の最後にこの一言のみ。「春が来てぼくら」のメロウな歌心で満員のフロアを抱きしめると、続くNothing‘s Carved In Stoneへとバトンをつないでいった。ひさびさのツーマンで感慨にふけることなく、今のUNISON SQUARE GARDENの全身全霊のライブを全うするステージとなった。

UNISON SQUARE GARDEN

Nothing’s Carved In Stone

全10バンドとしのぎを削ってきた「Hand In Hand Tour 2025」の締めくくりとなるNothing‘s Carved In Stoneのステージは、鋭く硬質な大喜多崇規(Dr)のよるビートとエフェクティヴな日向秀和(Ba)のベースとが会場を縦横無尽に暴れ回っていく「Freedom」でスタートし、「You’re in Motion」「Spirit Inspiration」へとなだれこんでいく。パワフルに会場を突き抜けていくようなビートや生形真一(Gt)のギターリフ、また大きなコールで応え続ける観客の熱気と明滅するライティングも相待ってなのか、アンサンブルのノリや速度が上がっているような体感もある。UNISON SQUARE GARDENの爆発的な熱量を受け継いでのステージという、ツーマンならではの独特の空気感がもたらすものもあるだろう。「”Hand In Hand Tour 2025“ファイナル、お越しいただきありがとうございます」と挨拶をした村松拓(Vo/Gt)は、「やっぱユニゾン、超かっこいいよね」と3ピースバンドとして完成された良さを改めて語りながら、「4人もかっこいいので」といって、「行こうか、羽田!」と「Isolation」で観客のコールを大きくしていく。各フレーズがモザイク的に緻密に絡んでいくアンサンブルで聴かせるこの曲から、おおらかな歌を会場に響かせながら一方で細やかなタッチのギターフレーズと変則的なビートとでポリリズムを生み出していく「(as if it's) A Warning」へと続く、この色鮮やかで多面的なサウンドはNothing’s Carved In Stoneならではのものだ。その真骨頂は「Milestone」だろう。いいツアーを重ねてきた勢いものっているのか、バンドのグルーヴは濃密で、うねりを帯びたサウンドが観客の体をガッチリと捕らえて揺さぶる。もはや麻痺しているところもあるが、彼らのステージもまた音量がデカ目。そこにバンドの気迫もプラスされている。

村松拓

生形真一

日向秀和

大喜多崇規

「最高に楽しい、ありがとう」という村松の言葉で後半戦へ、改めて今回の「Hand In Hand Tour」がいいツアーとなったこと、今日もUNISON SQUARE GARDENの力も借りて、初のZepp Hanedaでのライブを行っていることをMCし、「行けるところまで行こうか」と、昨年リリースしたEP『BRIGHTNESS』から「Challengers」へと突入。シンガロングを巻き起こして、続く「Out of Control」で、「騒げ!」と観客を飛び跳ねさせていく。強靭なビートと、ステージの左右へと広がって両端からハイボルテージなフレーズを見舞う生形と日向。ステージ上もフロアも、まさに“Out of Control”な状態で高揚感がぐんぐんと上がっていった。その熱々な会場に響くアンセム「November 15th」は格別だ。そしてラストに演奏したのは、本ツアー直前にリリースとなった新曲「May」。Nothing’s Carved In Stoneの曲としては、歌心をまっすぐに引き立てるシンプルな曲だが、改めてこうしてライブで演奏される「May」は、シンプルさの中にも力強さや重厚感があって、歌やそこにある言葉を抒情的に、また情緒的にも聴かせる曲になっている。歌終わりによる余韻も含めて、今日という日を美しく刻みつけるような「May」に、観客は拍手喝采を送った。

Nothing's Carved In Stone「May」Official Music Video

歓声に応えてアンコールに登場して、「きらめきの花」「Dear Future」を披露したNothing‘s Carved In Stone。このアンコールでは、「東京最高だ! ユニゾン最高だ!」と大喜多が声をあげ、いいステージだった喜びに溢れているのか、メンバー同士ステージで楽しげにハグをしあう姿が印象的だった。それぞれキャリアを重ねたメンバーが揃ったバンドだが、Nothing’s Carved In Stoneは“バンドをやる”というピュアな喜びがはじまりから褪せることなく続いている。むしろ、その純度は年々上がっているようにも見える。「Hand In Hand Tour」は、対バンのいいエネルギーを浴びながら、そうしたバンドの(無邪気なくらいの)姿を見せてくれるツアーとなった。

Nothing’s Carved In Stone

終演後には、恒例となったワンマン「Live on November 15th 2025“〜Lead Tracks〜」が11月15日(土)豊洲PITで開催されることが発表となった。タイトルにもあるように今回は、シングルとアルバムのリードトラックのみで構成されるということで、こちらも楽しみにしたい。

SET LIST

UNISON SQUARE GARDEN
01. fake town baby
02. ガリレオのショーケース
03. Invisible Sensation
04. 世界はファンシー
05. フィクションフリーククライシス
06. カオスが極まる
07. crazy birthday
08. 傍若のカリスマ
09. シュガーソングとビターステップ
10. 春が来てぼくら

Nothing‘s Carved In Stone
01. Freedom
02. You're in Motion
03. Spirit Inspiration
04. Isolation
05. (as if it's) A Warning
06. Pride
07. Milestone
08. Challengers
09. Out of Control
10. November 15th
11. May

ENCORE
01. きらめきの花
02. Dear Future

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