昨年2月、結成15周年を記念し、30曲を超えるリクエストによる濃厚なセットリストで日本武道館公演『15th Anniversary Live at BUDOKAN』を行った、Nothing’s Carved In Stone。ひとつの集大成を見せたのちも、その歩みを止めないバンドの姿をEP『BRIGHTNESS』へと鮮やかに織り上げ、また初のフィーチャリング曲「All We Have feat. Masato(coldrain)」をリリースしと、進化/深化を続けている4人が、2023年以来となるツーマン・ツアー『Hand In Hand Tour 2025』を5月よりスタートする。初の顔合わせを含め全国全14公演・10バンドのライブ猛者を揃えたツアー、このラインナップにも今のバンドの前のめりな姿勢が見てとれる。インタビュー前編・後編で、ツアーや出演バンドについての話を、村松 拓(Vo/Gt)、生形 真一(Gt)のふたりに聞いた。
──昨年2024年は2月24日の『15th Anniversary Live at BUDOKAN』と題した日本武道館公演にはじまり、EP『BRIGHTNESS』のリリースとそのツアー、また夏には通算5度目となった日比谷野音でのライブ『Live at 野音 2024』や、10月は新たなコンセプト・ライブ『Perfect Sounds〜For Rare Tracks Lovers〜」がスタートしてと、一年を通して充実度の高いライブを行った年になりましたね。
村松 拓(Vo/Gt)たしかに。今、いつどんなライブをやったかわからなくなるくらいライブをやってましたね(笑)。
生形 真一(Gt)やっぱり武道館をやって、その後野音ができたのがすごく印象に残ってるかな。野音はとくに、この後長く改修工事に入ってしまうのがわかっていたので。昨年、あのタイミングでできたのはよかったですね。あの日はほんとに、SEが鳴った途端に、雨が降りはじめたんですよ。
──野音でのライブを行なった8月31日は、台風の影響がありました。
生形YouTubeにもライブ映像が上がっているんですけど、それもまたいい感じだったんです。雨の中でのライブは初めてでしたけど、あれはあれできれいだったよね。
ツアー初日のゲストであり、初のフィーチャリング・ゲスト、coldrainのMasato
──野音は天候面も含めて最高の舞台装置になりますね。そうしたライブやツアーを経た11月には、Nothing’s Carved In Stone初のフィーチャリング・ゲスト、coldrainのMasatoさんを迎えた新曲「All We Have feat. Masato(coldrain)」がリリースとなりました。5月からスタートするツーマン・ツアー『Hand In Hand Tour 2025』の初日、川崎CLUB CITTA’でのツーマンの相手がcoldrainでもあり、彼らとは長い付き合いもある間柄ですが、この初のフィーチャリング曲はどういう経緯で生まれた曲ですか。
村松この曲は元々ひなっち(日向秀和/Ba)がデモを書いてきてくれてたんだけど、そのときからイメージにあったんじゃないかな。
生形元々前回の、EP『BRIGHTNESS』の制作で作っていたなかでの1曲だったんです。『BRIGHTNESS』は当初、“アルバム”の予定でたくさん曲を作っていたんですけど、制作していく段階で、曲を絞ってよりアレンジを煮詰めていこうとなって、結果EPというサイズになったので。そのときにこの曲は別で、後でリリースをしようととっておいた曲だったんです。で、改めてアレンジをしていくうちに、これはシャウトを入れたいとなって。
──「All We Have feat. Masato(coldrain)」は硬質なリフによるヘヴィな曲ですが、Nothing’s Carved In Stoneでは結構珍しいタイプの曲ですし、シャウトを入れるという発想がありになるというのも意外というか。
生形たまーに作るんですけどね。こういう曲を1曲で配信リリースするのは珍しいかもしれないですね。シャウトを入れることについても、誰かにシャウトをお願いしようかっていう話はアルバム毎に出たりもしていたんです。結局、それを実現せずにきていたんですけど。今回はやってみようと。
──coldrainとは『Hand In Hand』ももちろん、お互いのツアーに参加したりと付き合いもありますが、シャウトということで浮かんだのがMasatoさんだったと。
村松そうですね、coldrainは、2023年の『15th Anniversary Tour 〜Hand In Hand〜』でも、岡山公演で出てもらっているんですけど、それ以前にも結構一緒にやっていて。今回Masatoにフィーチャリングの声をかけたときも、タイミングもよかったみたいで。Masato的にはオファーが来たら断らずにやろうみたいな時期だったようで、すぐにいい返事をもらえて。
──実際のレコーディングはどうでしたか。
生形かっこよかった、すごいなと思った。シャウトしてるところは普段ライブでは見ているけど、レコーディングで見るのは初めてで。ほんと、全身を使うんだよね。
村松ブワーっと筋肉というか背中が盛り上がって、全身で叫ぶみたいな。
生形でも喉は全然潰れないから。やっぱりあれは特殊な歌い方なんだなと思って。
村松ほんとすごいなって思って「どうやって出せるようになったの?」って聞いたら、もう歌うしかないって言ってた。
生形時間かけてやらないと無理だよね(笑)。多分最初は喉潰れちゃうから。
村松今はもう無理(笑)。相当、積み上げてきたものなんだなって改めて感じましたね。こういうタイミングでMasatoみたいな魅力あるボーカリストにやってもらうことで、またNothing’s Carved In Stoneの楽曲の魅力を引き出してもらいました。
──今回の『Hand In Hand Tour 2025』初日でも、どういうタイミングでこのフィーチャリング曲が聴けるのかは楽しみですね。
生形リリース直後のライブで一回披露してるんですけど、今回は……まだわかんないですけどね、そこは(笑)。
村松あえて、やらないとか(笑)。
──(笑)。「All We Have feat. Masato(coldrain)」リリース後というのは、バンドの活動的にはどういう流れだったんですか。
生形リリース後、昨年末は曲作りをしてましたね。何曲かレコーディングしていて。そういう制作がありつつ、『Hand In Hand』に誰に出てもらおうかというのを決めていった感じでした。