前編ではシンガーソングライター冨岡愛がブレイクする契機となった「グッバイバイ」に至る道のりを。後編ではSNSで話題を集めた「グッバイバイ」、続く「愛need your love」、「恋する惑星「アナタ」」、新曲「ジェラシー」の楽曲について深掘り!韓国・東京で開催が決まっているライブに向けて語ってもらった。
SNSで話題を集めた「グッバイバイ」ができるまで
──「グッドバイバイ」これはラブソングですよね。
それまでは綺麗な恋愛の曲を歌っていることが多かったんですけど、「グッバイバイ」ではリアルな恋愛を描きたいなと思って。綺麗事ではない、曖昧な関係の片思いをテーマに、そこでの葛藤を歌っていますね。<グッバイ>とは言っているけど、実際に本人が<グッバイ>できたのかどうかは、リスナーの一人ひとりの子が決めていくことだと思っていて。そこはそれぞれの捉え方に任せたいなと思っています。
──続く「愛need your love」はどんな思いを込めましたか?
音楽への思いを歌った曲になっていますね。特に後半の歌詞は<音楽に片思いしている>っていう表現が正しいかわからないんですけど、もしも音楽の神様がいるんだったら振り向いてほしいっていう思いを1曲にした歌詞になっていますね。後半の<この曲がいつか 有名になって/あなたの耳にも届くようになって>とか、<本音を吐き出すには/これしか見つからないから>とか。<どうでもいい素振りで/立ち上がってゆく背中>なんて部分は路上ライブでの情景とか入れていますし。恋愛にも絡めつつ、私の音楽への思いを歌っていますね。
──そして、今年2月にリリースした「恋する惑星「アナタ」」がじわじわとヒットしてきています。
19歳のときに書いた曲なんですよ。ウォン・カーウァイの映画「恋する惑星」の広告のポスターをきっかけに描いた曲なんです。
──映画を見る前に?
ポスターだけを見て書いた曲ですね。惑星を好きな人に例えたいなって思って。恋した時って、どうしても2人が全く同じぐらいの好きでいることはなかなか難しいじゃないですか。これは、<あるある>だと思うんですけど、女の子は付き合ったときにそこまで好きじゃなくても、付き合っていくうちにめっちゃ好きになってしまうというか。その感覚が違う惑星というか、地球じゃないどっかに連れて行かれる感覚と似ているなと思って。付き合っているときの葛藤を惑星に例えた曲になっていますね。一番比喩表現が多いかもしれないです。
──女の子の<あるある>なの?
気がついたら私の方が好きだったっていうのは、<あるある>だと思います。相手のペースに巻き込まれていて、振り回されている子が多いイメージ。実はこれ、私のお母さんの過去の恋愛の曲でもあるんですよ。冒頭に出てくる指輪は、お母さんの昔の結婚指輪をモチーフに描いたりしているんで、そういう曲にはなっています。
── 一番では2人ですけど、2番は一人になってますよね。
元々はもっと暗い曲だったんですけど、リリースに向けてちょっと明るくしたんですね。気づいたら私の方が好きになっていて、向こうがそっけなくなっていた。そして泣くときってきっと一人だと思うんで、「一人だけ意味わかんない惑星に置いてかれているわ」っていう感覚で書いている曲ですね。それが別れているかどうかは聞いているリスナーさんそれぞれの解釈だと思うんですけど、「すごい孤独になっちゃった」っていう後半の歌詞にはなっていますね。
──釣った魚に餌やらないのが、男の子の<あるある>かもしれない。
そういう感じですよね。そういう人たちに向けて、「聞けよっ!」 って言いたいですね(笑)。
──(笑)5月には「アイワナ」がリリースされました。
去年の夏に「グッバイバイ」と同時に作った曲ですね。曖昧な片思いとか、ちょっと危険な恋じゃないですけど。
──「グッバイバイ」と同じく、本命じゃない、2番目の人ですよね。
2番目の人のブームに入っちゃったので(笑)、その延長線で書きました。「グッバイバイ」の第2弾じゃないんですけど、本当に曖昧な片思いに振り回されてしまっているっていう。誰かを好きになったら、本当にそれしか見えていない人って、いると思うんですけど。それって、罠にかかってしまったというか、囚われてしまった感覚に似ているなって思って。