2023年12月に新体制で始動することを発表したsajou no hana。sanaのソロプロジェクトになるものの、元メンバーである渡辺 翔とキタニタツヤは楽曲制作面で今後もバックアップを続けていくという。新体制初楽曲となる「修羅に堕として」はTVアニメ『異修羅』の書き下ろしOPテーマソングで、作詞作曲編曲をキタニが手掛けたエモーショナルでスタイリッシュなロックナンバー。タイアップ作品の世界観を存分に織り込むと同時に、新生・sajou no hanaの中心人物であるsanaの覚悟や凛々しさも感じられる楽曲に仕上がった。今回のインタビューではsanaに、新体制の背景や「修羅に堕として」、さらに3月17日にSpotify O-Crestで開催される新体制初ワンマン「Red」に対する思いを語ってもらった。
──sajou no hanaは2023年12月からsanaさんのソロプロジェクトになりましたが、前メンバーの渡辺 翔さんとキタニタツヤさんも、制作面では引き続き携わっていくようですね。
sanaそうなんです。バンドではなくなるので「脱退」という言葉を使っているんですけど、劇的に大きな変化があるかというとそういうわけではなくて。もっと柔軟に活動するための選択ですね。最近はライブ活動が難しくなってきていたので。
──そうですね。ここ2、3年はイベントもsanaさんがソロで出演されることも多かったですし。
sanaわたしはやっぱりsajou no hanaでもっとたくさんライブをやりたかったんです。(渡辺)翔さんはたくさんsajou no hanaの楽曲をリリースしたいと言ってくれて、そういう3人の希望がいちばん実現できる方法が、この新体制なんです。だからこちら側からするとポジティブな改革というか、環境はあんまり変わらないんですよね。でもsanaのソロプロジェクトにはなるので、もっとしっかりわたしがsajou no hanaを引っ張っていけるよう頑張っていかないとなと。あとキタニさんと翔さんとも「もっと新しい才能を取り込めたら面白いよね」と話をしているので、sajou no hanaの曲を作りたいというクリエイターさんといい出会いがあったらなと思っています。
──身軽になったぶん、仲間が増えていくイメージでしょうか。
sanaそうですね。今までバンドとして積み重ねてきたバンドサウンドを維持しつつ、新しい刺激が入ったらいいのかなと思っています。いろんな意味で柔軟に活動していきたいですね。
──その新体制第1弾としてリリースされるのが「修羅に堕として」。TVアニメ『異修羅』の書き下ろしOPテーマで、キタニさんが作詞作曲編曲を手掛けています。
sana『異修羅』が「全員が最強」というテーマのアニメなので、声優さんも全員が最強ですし、映像も映画みたいに迫力があって、すごく力が入っていることが伝わってきて。こういうバトル系のアニメは、主人公が弱いところからどんどん強くなっていくことが多いと思うんですけど、『異修羅』はまさかの強い者だけが集まって戦うという……。小っちゃい頃に想像した「ライオンとチーター、どっちが強い?」を実現させてくれるところに、厨二心が刺激されますね。それくらいスケールが大きいし、キャラクターも一人ひとりが濃いので、放送が楽しみなんです。
──「修羅に堕として」も、そんなアニメのOPテーマに相応しい最強っぷりですね。
sana曲でも歌唱面でも、ちゃんとアニメの製作サイドに思いに応えたいという気持ちは大きかったですね。バトルアニメには縁のある歌手人生なので強さでぶつかっていきたかったですし、曲名からして『異修羅』の世界観を汲んでいるので、キタニさんも勝負に出たと思います。あと最初聴いたタイミングから「今後のsajou no hanaの代表曲になりそうだな」とビビっと来たんですよね。
──エネルギッシュな部分とスタイリッシュな部分が同居しているのは、sajou no hanaらしさのひとつだろうなと思いました。
sanasajou no hanaがずっと人間の弱さにフォーカスした曲が多いというのもあるんですけど、『異修羅』の登場人物も最強すぎるからこその悩みがあったり、強すぎるあまり一方的に恨まれたり、孤独を感じてると思うんです。だから『異修羅』要素もsajou no hana要素もすごくいいバランスで入った曲になりましたね。
──そうですね。sanaさんの凛々しいボーカルが、その世界観をしっかりと表現していて。
sanaありがとうございます。でもそれはやっぱり、音がとにかくかっこいいのがいちばん大きいんじゃないかな。イントロのキーボードからめちゃめちゃテンション上がりましたし、実際歌っても高揚感がすごかったんです。でもレコーディングが春ぐらいだったので、今聴き返すと「ここはもっとこう歌ったほうがよかった」「今のわたしならこう歌うのに」とかいろんな思いが湧き出てきます。この曲に限らず、どの音源でもそうなんですけど。
──アーティストあるあるですよね。その「もっとこうしたい」がより良い作品につながっていくとはいえ。
sana完璧主義すぎちゃうんですよね。1ヶ月経っちゃうと「今のわたしならもっとできるのに」って毎回思っちゃうんです(苦笑)。だからライブやイベントでは、それを取り戻すような気持ちで歌っているところもあります。
──となるとぜひライブを観ていただきたいですね。
sana「修羅に堕として」は制作段階から「早く聴いてほしい!」と待ちきれなくて、12月9日に開催された「京 Premium Live 2023」で歌っちゃいました(笑)。お客さんもめちゃめちゃ盛り上がってくれて、あの感触からするとsajou no hana史上、最も盛り上がる曲になりそうな予感がしています。みんなの熱気もすごく伝わってきたし、フェスでも自信をもって歌える曲だなと感じました。
──ライブで披露してみて初めてわかる「修羅に堕として」の魅力もありましたか?
sana歌う感覚はレコーディングと全然違いましたね。sajou no hanaは色で言うと青や緑のイメージが多かったけど、「修羅に堕として」のイメージカラーは歌詞のとおり「赤」なんですよね。「京 Premium Live 2023」で披露した時に、みんなにペンライトを赤くしてもらったんですよ。赤く染まった空間で、赤いスポットライトを浴びて「ここが修羅か……!」と(笑)。
──(笑)。確かにお客さんをぐいぐい引き込んでいける曲だろうなと。
sana実際にお客さんの前で歌って、めちゃめちゃ楽しかったです。「修羅に堕として」の音源を今聴くと「もっとリミッター外しても良かったな」と思うので、今後のライブに期待していただきたいですね。あと赤は、ほとんどの色に負けない強さがあると思うんです。3月17日のワンマンライブのタイトルを「Red」にしたのも「修羅に堕として」の歌詞から選びました。赤は生きている証、生命力、情熱、祝福のシンボルカラーですし、sajou no hana念願のワンマンライブなので、本当にぴったりのタイトルになりました。