V.W.P、“INTERVAL”期間前の最後のワンマンライブ!花譜、理芽、春猿火、ヰ世界情緒、幸祜5人の強い結束が感じられる充実のステージ【神椿横浜決戦 DAY 1】をレポート

ライブレポート | 2026.03.13 17:00

KAMITSUBAKI WARS 2026
神椿横浜決戦 IN ぴあアリーナMM
DAY-1 V.W.P 4th ONE-MAN LIVE 「現象Ⅳ-反転運命-」
2026年2月28日(土)ぴあアリーナMM

KAMITSUBAKI STUDIOに所属する花譜、理芽、春猿火、ヰ世界情緒、幸祜の5人で構成されたバーチャルアーティストグループ・V.W.P。2026年3月にグループ結成5周年を迎える彼女たちが、2026年2月28日に横浜・ぴあアリーナMMにて「V.W.P 4th ONE-MAN LIVE 「現象Ⅳ -反転運命-」」を開催した。

V.W.Pの現地ワンマンは2024年11月に幕張メッセで開催された「現象Ⅱ -魔女拡成-(再)」以来となる。この期間で5人は個々のアーティスト活動に精を出してきただけでなく、バーチャル舞台劇『御伽噺』やTVアニメ『神椿市建設中。』での主演を通して得た新たな表現力を蓄えてきた。さらにこの日は、結成5周年を間近に控えていることに加え、グループが表現をアップデートするための“INTERVAL”期間に入る前の最後のライブである。その節目を刮目すべく会場には多くの観客が足を運び、5人もその期待に応えるように5年間の充実とその先に思い描く健やかな新章を歌でもって届けた。

オープニング映像の後にメンバーによるスポークンワードが入り、「今こそ現象を始めよう!」というユニゾンを合図にバックバンドの演奏が始まる。するとステージの中央に5人が現れ、「魔女(真)」で口火を切った。続いての「飛翔」も同様に、5人の歌唱はこれまでと比較すると柔らかかつしなやかで、楽曲に新たな趣をもたらそうとしていることがうかがえる。フロアから巻き起こる熱いコールにメンバーもクラップで伴走した「定命」、肩を組む理芽と幸祜、向き合って歌唱する花譜と春猿火の姿なども目を引いた「切札」、現地ライブ初披露の「未遂」と、冒頭5曲にメンバーそれぞれがセンターを務める楽曲を並べ、V.W.Pが異なるアイデンティティを持った5人の集合体であることをあらためて印象づけた。

MCで和気あいあいとした空気のなか観客とコミュニケーションを取った後は、エモーション漲(みなぎ)る「愛詩」からアッパーかつ遊び心の効いた「玩具」へと颯爽とつなぎ、『神椿市建設中。』の第9話エンディングテーマに使用された「欲望」、感傷的なボーカルとハーモニーが胸に迫るロックバラード「再会」と、様々な物語を交錯させる。ここから彼女たちを取り巻く仮想世界と現実世界、創作とリアルはさらに複雑に絡み合っていった。

『御伽噺』の楽曲をクラブミックスでつないだ“V.W.P DISCOTHEQUE”とスポークンワードを挟み、メタリックな衣装・八咫烏(改)を纏ったV.W.Pの5人に加え、彼女たちの音楽的同位体であるV.I.Pがステージに現れる。総勢10人で最初に届けた「電脳」は電子音のみのアレンジが施され、歌詞は英語、中国語、韓国語に翻訳した多言語バージョンだった。そこにデジタルを前面に出した映像演出が加わることで、彼女たちの音楽が瞬時かつダイナミックに国境を越え、世界をつなぐイメージを与える。メンバーも「これを機にたくさんの国の人にV.W.Pを聴いてほしい」と呼び掛け、続いての「言霊」も3か国語で披露した。近未来的かつ幻想的なサウンドで会場を包み、「機械の声」は10人の声にフォーカスしたミニマルなアレンジやアグレッシブなブレイクビーツで音の奥深くへと引き込む。V.W.Pは時代やテクノロジーの最前線が交わる場で自身の表現を追求するグループであることを象徴するセクションだった。

スポークンワードを挟み、物語は『神椿市建設中。』の世界へ。まずは各メンバーが担当したエンディングテーマをノンストップでつなぎ、ソロステージにて披露する。一番手の春猿火が登場した瞬間に、彼女の背面には巨大モニターの映像が流れた。これまでのV.W.Pの現地ライブにおいて、彼女たちの姿が映像演出と重なることはなく、しっかりとセパレートされていた。だが今回、3階スタンド席からは彼女が巨大モニターやライトをバックにして、実際にステージに立っているようにしか見えないほどに、見事なコンポジットが成立していたのだ。どのような構造なのか見定めようとしてみたものの肉眼での視認は難しく、何よりそんな行為はナンセンスだと気づいた。奥行きのあるステージで、メンバーが生き生きとパフォーマンスをしている。その光景は紛れもない現実なのだ。

春猿火はブラックミュージックのテイストを含んだ「距離。」を艶やかに歌い上げ、理芽は切なさと清涼感を纏ったボーカルで「閃光だった」を青々と彩る。バレエを模した優雅なダンスを披露したヰ世界情緒は強い気持ちを声に込めて「BREATHE」を届け、幸祜はドラマチックな展開の「シャングリラ」を情感豊かな歌声で巧みにドライブした。花譜はウィスパーボイスで高揚感を解き放つように「ひとえに壊れて」を歌唱し、会場をロマンチシズムで潤わせる。5人それぞれがひとつの物語を描く様子は、折り重なる花びらのように可憐だった。

春猿火

理芽

ヰ世界情緒

幸祜

花譜

その後も「点灯」「追憶」と『神椿市建設中。』の世界と心情を音楽で立ちのぼらせて観客一人ひとりを包み込み、「歌姫」から新たな世界へ踏み出していくような爽快感を作り出すと、バンドメンバー紹介ののちに幸祜が「このぴあアリーナにみんなの声をもっと響かせてください!」と呼び掛け、「同盟」で本編を締めくくる。全力でコールやシンガロングを飛ばす観客と、観客から受け取ったエネルギーを歌に乗せてポジティブに邁進する5人の姿は、曲名どおりの強い結束を感じさせた。

アンコールではまず、新衣装の姫連雀を初披露する。黄色の差し色や、ニューヘアスタイルなど“可能性の拡張”のメタファーとも言えるビジュアルに、観客もどよめきに近い歓声を上げた。ともなれば本編は集大成、アンコールは未来に通ずるプロローグと位置付けていいだろう。キネティックライトによりさらに華やかになったステージにて、「幻界」「終点」とライブ初披露の最新アルバム『反転』収録曲を立て続けに歌唱する。その後も「言葉」「命海」と凛々しく頼もしいパフォーマンスを見せて、最新型のV.W.Pの姿を提示したところで、極めつけとも言わんばかりに新曲をサプライズ披露した。それも「現象」という、彼女たちがワンマンライブのタイトルに掲げ続けてきた言葉を曲名に冠しているのだから、観客の昂(たかぶ)りも止まらない。様々な現象を体現してきた彼女たちが新たな一歩を踏み出すことを宣言する楽曲に、会場も色めきだった。

初の試みとして客席をバックにしての記念撮影を実施し、5人は観客にメッセージを投げかけた。理芽は「これまでの全部を出し切るつもりで、たくさんたくさん準備をしてきました。わたしたちがここに立てているのは、紛れもなく応援してくださるあなたたち一人ひとりのおかげです。こんなに大きなステージにこの5人で立たせてくれて、本当にありがとうございます」と感謝を告げる。「今年の3月末をもって、グループとして“INTERVAL”という充電期間に入らせていただきます」と幸祜があらためて報告すると、花譜も「パワーアップした5人で、必ず“魔女再誕”を果たします」と続き、ヰ世界情緒も「今日のこの光景を胸に、5人それぞれもっと頑張っていきますし、その先でまた皆さんに会えたらいいなと思っています」と朗らかに呼び掛けた。

春猿火の「わたしたちが過ごした時間は消えないし、これからも皆さんと宝物のような時間を作っていけることを願っています」という言葉の後、花譜が「このライブが終わった後も、まだまだわたしたちの、あなたの物語も続いていきます。これからもみんなと一緒に歩いていきたいです」と告げ、5人は「共鳴」を歌唱する。さらなる“最強”を求める進化への決意表明のようなパワフルかつ晴れやかな景色が広がり、笑顔で5年間の集大成の幕を下ろした。

彼女たちがステージから去った後、最後のスポークンワードは「次の物語で必ず会おう。アップデートの向こう側で、現象を再び。ねえ、愛してるよ」という5人のユニゾンで締めくくられ、エンドロールの後には「STAND BY. THE WITCHES SHALL BE REBORN.」の文字が躍った。今後V.W.Pはグループとしての楽曲とMVリリース、ライブ、イベント、番組出演等の活動を一定の期間休み、各メンバーが個々の活動に専念することを通してアーティストとしての成長を目指す。それぞれの道が再び交差したとき、新たな輝きが生まれることだろう。5人にしか作れない、5人だからこそ作れる世界、紡げる物語に思いを馳せたくなる、未来への布石となる一夜だった。

SET LIST

01. 魔女(真)
02. 飛翔
03. 定命
04. 切札
05. 未遂
06. 愛詩
07. 玩具
08. 欲望
09. 再会
10. V.W.P DISCOTHEQUE(御伽噺楽曲)
11. 電脳 multilingual ver.(with ⾳楽的同位体 V.I.P)
12. 言霊 multilingual ver.(with ⾳楽的同位体 V.I.P)
13. 機械の声(with ⾳楽的同位体 V.I.P)
14. 距離。(春猿火)
15. 閃光だった(理芽)
16. BREATHE(ヰ世界情緒)
17. シャングリラ(幸祜)
18. ひとえに壊れて(花譜)
19. 点灯
20. 追憶
21. 歌姫
22. 同盟
23. 幻界
24. 終点
25. ⾔葉
26. 命海
27. 現象
28. 共鳴

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