シンガーソングライター・夜々の1st Album『0:00』が完成!記念すべき初ワンマンライブに臨む彼女に話を訊いた

インタビュー | 2026.03.13 18:00

2025年1月に、川谷絵音がアレンジャーを務めた「Lonely Night」でメジャーデビューを果たしたシンガーソングライターの夜々(yoyo)が、1st Album『0:00』を完成させた。同作は「時計の針が0時をさすと魔法の世界に入り込む」というコンセプトのもとに制作され、自身で作詞作曲した曲はもちろん、いしわたり淳治やNight Tempoなど名うての音楽作家陣とのコライト曲も収録されている。さらにはandropやNaoki Itai、トオミヨウ、キツネリなど多彩なアレンジャーが参加し、シティポップやR&B、ファンク、J-POP、バンドサウンドなど各楽曲で異なるジャンルを実現させ、彼女のアーティストとしての可能性を大きく広げる作品となった。
2026年4月4日(=夜々の日)には同作で描いた“0時の魔法”を体感できる初のワンマンライブ「夜々 1st ONE-MAN LIVE “Time For Unlimited”」を渋谷WWWにて開催する。コンスタントなリリースとライブ活動を続けてきた彼女は、いまアーティストとしてどんなスタンスで音楽を発信したいと考えているのだろうか。
──2025年はメジャーデビュー、初ライブ、コンスタントなデジタルシングルリリースと、動きの多い1年になったのではないでしょうか。
一言で表すなら変化の1年でした。デビューシングルの「Lonely Night」は初めてちゃんと自分で作詞作曲をした曲で、川谷絵音さんの編曲のおかげで、そのときに思い描いていた通りのサウンドに仕上がったので、そういう恵まれた環境をいただけることへの幸福感や高揚感、未来への期待といったキラキラした気持ちもたくさんあり、とても自信がついた反面、デビューに対する不安に押しつぶされそうにもなって。

夜々 'Lonely Night' Official Music Video

──試練も多かった?
そうですね。2025年6月にリリースした3rdデジタルシングルの「I Hope」は、いしわたり淳治さんに歌詞のプロデュースをしていただいて。デビューしたてで曲作りもまだあまり慣れていなかったわたしにとって、いしわたりさんとの歌詞の制作は学ぶことが多かったと同時に、自分の未熟さを痛感した時間でもありました。だから2025年の上半期は、絵音さんがアレンジをしてくださるのも、いしわたりさんが作詞を一緒にしてくださるのも、この恵まれた環境に対してありがたい気持ち以上に「力が追いつけていなくて申し訳ない」という気持ちが勝っちゃったんです。

夜々 'I Hope' Official Music Video

──初めてのことばかりで戸惑いと不安と葛藤が入り混じって、自信喪失に陥ってしまったと。
はい。それに加え、シティポップ調の「Lonely Night」、アップテンポで爽快感のある「センセーショナル少女」、バラードの「I Hope」と、リリースする曲ごとに全然ジャンルが違ったので、「夜々の音楽って何なんだろう、どうなっていくんだろう……」と混乱してきちゃって。それでも自分を失っちゃだめだなと思っていたときに、「Let go」という曲を制作しました。この曲は「偽りの自分を手放して愛していきたい」という気持ちを込めていて、当時自分がすごく書きたかったテーマを掲げて作ったんです。そんな曲を歌っている自分がありのままを愛していなくてどうする!と思ったんですよね。

夜々 'Let go' Official Music Video

──自分の書いた曲に励まされた。なんていい話なんでしょう。
リリースした4曲はジャンルがバラバラだけど、わたしは全部大好きで。だから「Let go」のリリースあたりで、自分の音楽にちゃんと自信を持って生きていこう!ありのままでいいんだ! とモードが切り替わって、素直に音楽が楽しめるようになったんですよね。そんなときに作ったのが「Coffee」で。
──「Coffee」はKaz Kuwamuraさんとp.e.t.さんが作曲に参加しています。
おふたりと一緒にスタジオに入って、わたしが持ってきたサビのメロディとやりたいイメージをお伝えしたら、p.e.t.さんがその場でパッと音をつけてくださったんです。それがすごく楽しかったんですよ。「Lonely Night」や「Let go」みたいにひとりでスタジオにこもってアコースティックギターで作るからこそ生まれる楽曲もあるけれど、こんなふうに誰かと一緒に作るのも楽しいな!と思いましたし、全部ひとりでやらなきゃと根詰めなくてもいいんだと気持ちがすごく軽くなったんですよね。

Coffee

──1st Album『0:00』は、いろんな制作パターンがあるのが面白いですよね。ご自身で作詞作曲しているものもあれば作家さんが入っているものもあって、ご自身が作詞のみまたは作曲のみ参加している曲もあって。
わたしもすごく良かったなと思っています。ひとりで〆切と戦っていると孤独なので、誰かと一緒に何かを成し遂げることに幸せを感じます。ちょうど音楽が楽しいと思えるようになった去年の夏あたりに、チーム内で「アルバム作るならどういう感じにしたい?」という話になって。そのときに“時計の針”と“魔法の世界”、“12曲”というイメージがふわっと湧いたんです。
──その結果、「時計の針が0時をさすと魔法の世界に入り込む」というコンセプトが生まれたと。0時というとシンデレラの影響もあって魔法が解ける時間のイメージがありますが、夜々さんはその逆を提示しているのも興味深いです。
真夜中だからこそ自分と向き合える時間だと思っているんです。日中はいろんな人と接したり、いろんな物事が起こったり、外からたくさんの情報を受け取ることが多いので、自分の本当の気持ちになかなか向き合えないと思っていて。でも夜は家で自分だけの時間を過ごせるのでゆっくりと自分と向き合えるし、ありのままでいられる。だから0時になると気持ちもリセットされる感覚があるし、また次の日も頑張れるんですよね。

──夜々さんにとって“夜”や“魔法”は非現実感の象徴というよりは、様々な縛りから解放される自由の象徴なのかもしれませんね。先ほど話してくださった「偽りを手放す」「ありのままでいいんだ」という気づきとも通ずるなと感じます。
わたしにとって音楽は、悲しいときに聴くと抱きしめてもらえる感覚があったり、楽しいときに聴くともっとハッピーになれたり、いろんな世界に連れていってくれるものです。だからこそ「みんながわたしの音楽を聴いている時間は幸せな世界に連れていきたいな。みんなが自分を愛せる時間になればいいな」と思った瞬間に、整った感覚がありました。アルバム制作中はタスクも多かったですが、それでも音楽を楽しめていたのは自分との向き合い方を見つけられたからだなと思っています。
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