“なんでもできる”ってことが武器
──では、そんな1年のなかでみなさんが導き出したЯeaLの武器とは？
Fumiha
なんでもやるのがЯeaLやと思います。（Ryokoを見て）なんでも曲書くし、私らも対応できない曲はないので。いままでなんでもできることに悩んでたんですけど、それでいいんやって。1つだけ突出せんでもいいんやって思えました。悩むことではなかったなという結論に至りましたね。
Aika
お客さんを楽しませるのはもちろんなんですけど、一時期そういうのを減らそうとしたことがあって。
Ryoko
アーティストとしてカッコつけて。
Aika
とにかく曲を聴かせたいと。ЯeaLって全曲いい曲なんですね。だけど、なんだかんだで年末にやったワンマンツアーでは、聴かせるところは聴かせて楽しませるところは楽しませることができて。聴かせるところ、楽しませるところ、どっちも突出してる。そこは武器やなと思います。
Fumiha
なんでもできるってことや。
Aika
そうやな（微笑）。
Ryoko
なんでもできるのが武器やなというのが改めて分かった上でなんですけど。私はずっとリーダーとして声を上げてやってきてて。たぶん疲れてたところもあったんだと思うんです。ああ、いまこういうこといっても予算がこうだからダメだよなって、だんだんといろんなことが分かってきてたから、声を上げる前に諦めてた部分があったんです。要は、省エネで頑張ってたんです。
──そのほうが無駄な体力、知力を使わなくてすみますからね。
Ryoko
ええ。それを今年やめました。休んだときに思ったんです。やっぱりあたしは当たって砕けろ精神で、横から行ったら近いところもぶつかっていくところが自分のいいところでもあり悪いところでもあり。メンバーも巻き込んでしまうから悪いなと思ってやめてたところもあったんですけど、ぶつかっていってたほうがバンドとしていきいきしてたんですね。
ЯeaLのRyokoを作ってたんですけど、もう私でいいじゃないか、と。それがЯeaLらしさ（Ryoko）
──そうしてたほうがバンドがエモかった。
Ryoko
というのにも気づいて。私はもうメンバーになにをいわれようが事務所になにをいわれようが、上げてけ声を、と思いましたね。どうせこれいってもメンバーにいわれるからやめよ、じゃなくて。書きたいことは書けばいいし、やりたいことはやればいいし、いいたいならいえばいいしって全部変えてったんですよ。楽曲も含めて。結局いままではЯeaLのRyokoを作ってたんですけど、もう私でいいじゃないか、と。それがЯeaLらしさだというところにたどり着きました。
──なるほど。メンバーから見てもRyokoさんは変わりました？
Fumiha
他人の意見を吸収するようになった上で、もっとグイグイ突き進むようになって。だから、一番いい感じやと思います。いまが。いままでは突き進んでるだけで2人は除外やったんですけど、いまはそこに隙間があるから一緒に突き進んでる感があります。
──隙間に入って（微笑）。
Ryoko
ЯeaLは自分ひとりでなんとかしないとって全部の責任を自ら背負い込んでたんですけど。いまはいろんな枷が外れてちょっとだけ余裕がでてきて。人間としてだいぶ成長したと思います。
──丸くなった？
Ryoko
（即効で）ぜんっぜん丸くはなってないですけど、人のことを抱えられるだけの余裕はできましたね。プラス、ぐいぐいやることやるし言うことは言うしで。すごい（微笑）。すべては4月の休みがあったからこそなんで、「病気ありがとう」ですね。
──転んでもただでは起きないタイプですね。
Ryoko
休みなんて1日も入れたくないタイプですから。休みのほうが病むんです。だから、遊ぶ約束しても直前に断っちゃうんです。仕事してないと不安になるから。
──ボーっとするとかできないタイプですよね？Ryokoさんは。
Ryoko
できないです。けど、そういう時間も大事なんやなと思いました。
──2人はなんでこんなせかせか強引にリーダーシップをとっていくRyokoさんにいままでついていけてたんですか？
Fumiha
ぼーっとしてるからこそだと思います。
Aika
なんも考えてないからついていけてた。
Fumiha
知能持ってたらたぶん途中で辞めたくなってたはずなんですけど、ぼーっとしてたが故にここまでこれたのかもしれない。
Aika
そうやと思う。本当に（Ryokoは）バキバキのフロントマンなんです。ヴォーカルって感じで。自分はドラムやなって感じで（笑）。ちゃんと振り分けられてるんですよ。役割が。
Ryoko
2人とも我が強くなくてよかったなって思います。私についてこられる人って、ほんまにいないと思うんですよ。
──ええ。でしょうね（笑）。
Ryoko
喧嘩になるか「はあ？」ってなるか放棄するかなんで。本当に2人でよかったと。
──2人にもっと感謝してください。
Ryoko
そうなんですよ。こんな私に7年もついてきてくれてすごいですよ。嬉しい（笑顔）。
Aika
私からしたらなんも考えてないから逆に感謝ですけどね。考えてくれてありがとうって。昔は｢はあ？｣ってなって、その反骨精神でやってきてたんですよ。「絶対バンド辞めたらんで！」って。
──ぶはは（笑）。メンバーに対しての反骨精神もあった訳だ。変なバンド（微笑）。
Ryoko
高校の頃は私だけ孤立してたんですよ。曲を持ってっても全員からフル無視されて。「こっちは曲書いて行ってんのに、スタジオで誰もしゃべらへんとかなに！」って。バッチバチやったんです。なあ？
Aika
昔は話し合いとかまったくしなかったから「なんでやねん？」ってお互い思ってて。
Fumiha
ほんまに仲良くなかったな？
Ryoko
ほんっまに仲良くなかった（笑）。メンバーが「は？お前なんやねん！」って。みんなが私に対して。むちゃくちゃなこというから。でも私からしたら、なんでやれへんの？なんで分からへんの？お金が発生してる時点で仕事なんやからちゃんとしろよ。みたいな感じやったんですけど。私はそれが普通やったんですけど、そんなこと15～16歳の子がいわれても分からないじゃないですか？なんで、そこで永遠に喧嘩。というか、喧嘩にもならなかった。無視。お互い。
Fumiha
そう。関わらない。
──それが、あのなんともいえないバンドのヒリヒリした緊張感、ロックなエモ感の正体だったんですね。
Ryoko
はい。それが、メンバーが脱退するタイミングで、初めて私がどれだけのものを抱えててそういうことを言ってきてたのかをちょっとずつ話しだしたんですよ。初めて弱い自分を見せたんです。だってメンバーが脱退するときだから、当時は全員ボロボロなんですよ。そこで初めて各々がこういう風にバンドのことを思っててというのが見えだして。そこからちょっとずつわだかまりが解けてきて。そのあと東京に出てきて、お酒を飲みながら本音で話せるようになってからもう2年ぐらい経つから。そこでメンバーの絆はいっきに深まりました。
Fumiha
仲良くなりましたね（笑顔）。普通に。そんじょそこらの人よりも仲いいかも。
Ryoko
めちゃめちゃ仲悪かったが故に。
Aika
そうね。
“新生ЯeaL”を見せられるお披露目。見てもらえれば好きにさせる自信はある（Ryoko）
──そんな風にしてЯeaLが本当のバンドになったといえるこのタイミングで、クアトロワンマン開催が決定しました。ここでは、どんなライブを見せてもらえるんでしょうか。
Ryoko
2019年に培ってきたものすべて出す。だから新しさは感じるんじゃないかな。“新生ЯeaL”を見せられるお披露目の場所なので、それをたくさんの人に来てもらうための施策は考えてます。クアトロに向けてSNSを動かしてみたり、動画サイトに投稿してみたり、路上でフライヤーを配ってみたり。ハッシュタグを作ってЯeaLを布教していくなど、クアトロをたくさんの人に見てもらうためにいま自分たちができることをやってみようと思って。自分たちのことは自分たちでやろうと思ってます。クアトロさえ見てもらえれば好きにさせる自信はあるから。
──初めてライブを見る人にはどんな風にライブを楽しんでもらいたいですか？
Ryoko
好きに楽しんで欲しいです。暴れてもらってもいいし後ろで聴いてもらってもいいし。１から100まで全部見せるんで。ポケモンで好きになった親子連れも、バンドが好きでそういうライブにたくさん行ってる人も、アイドル、ボカロ、どういうジャンルが好きな人でも楽しめるライブになるんじゃないかなと思うので、なにも心配せずに安心してライブハウスに来てもらって。好きなように楽しんでもらいたいですね。
Aika
ЯeaLは客層もバラバラで、ちっちゃい子や女の子もいるので、なにしてもいいけどマナーは考えてライブに臨んで欲しいです。
Fumiha
初めて来る人の中には、ポケモンから入ってきた人、銀魂から入ってきた人、ボルトとか、そういう人たちもいると思うんです。ライブハウスに来ること自体初めてで不安や思うんですが、なにも心配しないで来てもらって大丈夫。なにも考えずに来てもらったほうが楽しいと思う。
Ryoko
初めてだろうが女の子一人で来ようが絶対に楽しませてあげるので「ЯeaL居るし」と思って安心して来て下さい。私たちは誰も置いてかないので大丈夫！
ЯeaLワンマンツアー2019 -Unchain My Heart Tour-
11/24(日)＠下北沢SHELTER
Photo by：ゆうばひかり(@Monster_EP_)
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