奥田民生デビュー30周年の両国国技館2デイズを観れたことと、そのオフィシャルのライブレポを書けたことが、個人的にとてもうれしかった出来事でした、この10月後半は。
これまでもいろんなところで書いたけど(こことか ≫ 兵庫慎司の『思い出話を始めたらおしまい』第四話:1985年1月、広島。16歳の時、19歳の奥田民生を観た (前編) )、私、初めてステージの上の奥田民生を観てから、今現在で40年なので。正確には39年10ヵ月前か。1985年の1月でした。日にちは忘れましたが、17日とか19日とか、そのあたりだった気がします。
10月18日(金)19:00 the telephones、Wienners @ Spotify O-nest
新作『Disco Punk Night!!! E.P.』を、この2日前にリリースしたthe telephonesが、渋谷のO-nestで行う3ヵ月連続対バンライブ・シリーズの1本目で、今回はWiennersと共演。
このふたつを一緒に観たの、初めてだったんだけど、そうか、こんなに音楽的な共通項が多い同士なのか、ほんとに「Disco」で、ほんとに「Punk」な2組なんだな、ということがよくわかって、おもしろかった。大変に今さらですが。
いかに「Disco」であり、いかに「Punk」であるかのアプローチは、それぞれ異なっているが、それでも共通するのは、両者とも、ステージの下も上も熱狂の洪水みたいな状態にするのを目指していることと、それを実現していること。異様な興奮と歓喜。
古代中国関係の本を読むと、怒りすぎて死ぬ、という意味の「憤死」という言葉が、よく出てくる。どういうこと?といつも思っていたけど、この状態もあれと一緒なのかも、「憤死」じゃなくて「熱狂死」だけど。などと思った。死なれると困りますが。
Wiennersは中盤で、「ジュリアナディスコゾンビーズ」に、the telephonesの「Monkey Discooooooo」をマッシュアップ、さらにオーディエンスに火をつける。
the telephonesは、今の3人体制になって、ベースがいないのを補うことも含めて、ライブの時、バック・トラックが担う役割が増えた。で、それに伴って、石毛輝が歌いながらギターを弾く割合が減って、ボーカルだけになったり、時には歌も歌わずに踊り狂っているだけになったりする、そういう傾向にある。
the telephonesには、パートは一応シンセだが、楽器を弾いている時間よりもただ暴れ回っている時間の方がはるかに長いのでおなじみの、ノブこと岡本伸明というメンバーがいる。そうだ。石毛がノブ化しているのだ、徐々に。
もっと極めてほしい、その方向を。メンバー3人しかいないのに、ずっと演奏しているのはドラムの松本誠治だけで、あとのふたりはほぼ暴れているだけのバンド。どうでしょう。最高でしょう。と思う方です、僕は。もともと、電気グルーヴのピエール瀧と、HAPPY MONDAYSのベズが大好きなので。
Wiennersに呼ばれて石毛がジュリアナモンキーディスコゾンビーズに🐒🔥🪩 pic.twitter.com/Q6yOxWJCIO
— the telephones (@telephones2005) October 18, 2024
10月20日(日)17:00 TESTSET @ Zepp Shinjuku(TOKYO)
『EP2 TSTST』のリリース・ライブ。本編15曲でアンコール2曲の全17曲。『EP2 TSTST』収録の4曲すべて、ファースト・アルバム『1STST』から8曲、『EP1 TSTST』から2曲、METAFIVE時代の曲を2曲、あとカバーを1曲(以前からライブでやっている高橋幸宏の「Glass」)、という内訳だった。
で。ここ最近、TESTSETのライブを観るたびに、「これ、今まででいちばんいいんじゃないか?」と思うことが多かったが、この日はその極みというか、「はい、これでもう完璧に仕上がりました!」みたいなステージだった。
選曲、曲順、曲と曲のつながり方等の全体の構成、映像、照明、衣装などなど、もうどこをとっても濃密で、気が抜ける瞬間やダレる時間が、まったくない。どの曲も始まるといちいち「おおっ!」となる。LEO今井と永井聖一の「けっこうツインボーカル」な体制も、すっかりなじんだ。ほんとに言うことなしのライブだった。
なので、あとはこれがもっと世の中に広まっていってほしいし、広まっていくべきだ、と思う。それぞれのメンバーのファンと、METAFIVEからの流れで追っているファン(どっちも自分のことですが)だけのものにしておくのは、もったいない。METAFIVEとか知りません、LEO今井って誰?まりんって何?みたいな人にも、余裕で届く、聴き手を選ばないポテンシャルを持っていると思う。今のこのバンドの楽曲も、ライブも。
翌週と翌々週に中国でライブがある、年内での国内でのライブは今日が最後、と、MCでLEO今井は言っていた。それぞれキャリア長いし、他での活動もある人たちなので、普通のバンドみたいに、いっぱいスケジュールを入れるのは難しいんだろうが、2025年は、なんとか、ちょっとでも、もっとアクションを増やしてほしい。と、切に望みます。
"TESTSET LIVE 2024" at Zepp Shinjuku
2024.10.20Photos by @shotby_dm https://t.co/nKIIUC5UF6 pic.twitter.com/pq44hBCLIM
— TESTSET(砂原良徳 × LEO今井 × 白根賢一 × 永井聖一) (@TESTSET_2022) October 20, 2024
10月22日(火)19:00 FYURA @ 代官山UNIT
10代半ばから20歳ちょっとくらいまでの、女性6人のボーカル・グループの初ワンマンライブ。一般のお客さんも入れていたが、音楽業界の人たちが、いっぱい招かれていた。というか、自分もそれで観に行った。最近ご無沙汰だったけど、古い付き合いではある、彼女たちの事務所の社長に誘われて。
誘われた時、このグループの存在を知らなかったので、ちょっと調べた。で、社長に、正直に、「これ、俺に見せても意味なくないですか?」と言った。若くても40代、主に50代と60代の、おっさんバンド専門ライターみたいな俺に見せて、もし俺がいいと思ったとしても、協力のしようがなくない? こういう音楽のファンになりそうな人、俺の文章とか、まず読んでないですよ? このあたりのジャンルにおける俺の推薦って、人様にとって、なんの価値もないと思いますよ? と伝えたが、それでも観てくれ、とおっしゃるので、足を運んだ。
で。よかった。かつ、めちゃめちゃおもしろかった。そして、「なるほど! そういうことか!」と、とても腑に落ちた。
女性の、ダンス・ボーカル・グループではなく、ボーカル・グループで、ブレイクしているのは誰でしょう。Little Glee Monsterですね。他には思いつきません、私。ただ、彼女たちは、その「女性ボーカル・グループ」のやりかたのひとつであって、このFYURA、(あたりまえだけど)全然違うのだ、リトグリとは。いちいち新しい。だから、いちいちおもしろいし、刺激的。
たとえば、ロック・バンドでも、ヒップホップ・グループでも、あらゆる「やりかた」が、すでに出尽くしていて、そのどれともかぶらない、新しいことをやろうと思うと、大変ですよね。ダンス・ボーカル・グループも、もうけっこう、それに近い状態まで来ていると思う。
でも、ボーカル・グループは、まだそうなっていない。やれることがたくさんあるし、やりかたもたくさんあるから、やりたいことができる、という。なるほどなあ。
6人それぞれ、歌もラップも、衣装も表情も、佇まいとかも含めて、6人のうちのひとりがなぜこの人なのか、どうしてこの人が必要なのかが、説明とかされなくても、ライブを観ればわかるし。おもしろいわあ。
でも、ここで俺がこんなことを書いたところで、このグループのファンになってくれそうな人たちや、このグループをサポートしてくれそうな人たちには、やはり、届かないと思うのですが、いかがでしょう、社長。
【FYURA 1st LIVE~The Way~】
お越しくださった皆様、本当に本当にありがとうございました!!
6人で初めてのワンマンライブのステージから見た皆さんの笑顔をずっと忘れません。このLIVEに携わって頂いた全ての方に感謝します🙏🏽❤️
ONE TEAM.
ONE FAMILY.#エフユラロス #theway感想 #FYURA pic.twitter.com/gmtRIf8E3j
— FYURA | エフユラ (@fyura_official) October 24, 2024
10月25日(金)18:30 サンボマスター @ 日本武道館
「サンボマスター ワンマンツアー2024『ラブ&ピース!マスターピース!』」のファイナル。SPICEにレポを書きました。興奮のあまり、自分でもちょっとどうかと思うくらい、長くなってしまいましたが、ぜひ。
≫ サンボマスターが今のバンドであること、今の音楽であることを実感させてくれた『ラブ&ピース! マスターピース!』武道館公演を振り返る
#サンボマスター 2024ツアーファイナルシリーズ日本武道館公演ありがとうございました‼️
まさに伝え説くに相応しい全員が優勝だった一夜でした‼️
みなさまに感謝🙏#全員優勝
Photo by @hamanokazushi pic.twitter.com/tU3vWrdhXA— サンボマスター (@sambomaster_txt) October 26, 2024
10月26日(土)17:00 奥田民生 @ 両国国技館
両国国技館2デイズ。この1日目は弾き語りで「ひとり股旅」、2日目は本格ソロデビューから10年間活動を共にしたGOZと共に、5人編成でのライブ。
2日とも、奥田民生のレーベル、RCMRが、各ウェブメディアに配信するオフィシャルのライブレポを書きました。このDI:GA ONLINEもアップしてくださったので、ぜひ。
≫ 奥田民生、ソロ30周年記念ライブ『59-60』で両国国技館2DAYSをレポート
昨日の集合写真公開📸✨ https://t.co/hQ9tA59wVm pic.twitter.com/rb73Ohngtg
— 奥田民生 Official (@OT_staff) October 27, 2024
10月27日(日)17:00 奥田民生 @ 両国国技館
その2日目、バンド編成、一緒に音を出すのは20年ぶりだというGOZの5人でライブ。オフィシャルのライブレポ、前日のところに貼ったリンクから飛べますので、ぜひ。
30周年スタートとなる記念公演「59-60」ありがとうございました‼️ pic.twitter.com/j37ZrLaWiv
— 奥田民生 Official (@OT_staff) October 27, 2024
10月31日(木)19:00 ビッケブランカ @ TOKYO DOME CITY HALL
ニューアルバム『Knightclub』を携えて回る、6本のホール・ツアーの4本目。レーベルが各ウェブメディアに配信する、オフィシャルのレポを書きました。アップが11月6日で、その時点ではまだ全然ツアーの途中だったので、極力ネタバレなしで、短めに書いています。こちらです。≫ 【ビッケブランカ】『Knightclub』リリースツアー東京公演はハロウィン当日。オーディエンスもメンバーもスタッフも、そして本人も仮装でこの善き日を堪能!
で、それとは別に、DI:GA ONLINEに、ネタバレありの、長めのレポを納品してあるんですが、これを書いている時点で、ファイナルの12/8福岡がまだ終わっていないので、止めてある状態です。福岡が終わってアップされ次第、リンクを貼ります。
⚡〜・〜・〜・〜・#VKBlanka
Hall Tour 2024 - Knightclub -
〜・〜・〜・〜・〜⚡📍10/31(木) TOKYO DOME CITY HALL
東京公演ありがとうございました🎃🎃
ツアーも残すところあと2本😭次回は
11/23(土) 宮城公演にてお会いしましょう🫶#VKHALLTOUR2024 pic.twitter.com/vTDRSGNupi— ビッケブランカ|スタッフ (公式) - VK Blanka Staff (@VickeStaff) October 31, 2024