皆さん、ふたたび、VANIRUのギタリスト YUTOです。
奇数日更新の『33の質問』に続く新企画がスタートしました。
題して、、、「VANIRUの一夜」!!
ここでは、VANIRUに関わるスペシャルな方々をお招きして、
LEOさんとゲストとのアツイ対談の模様を“3回”にわたってお送りします。
(今回もインタビュアーは僕です…)
これまで一度も話したことのない、とってもディープなお話をお届けしたいと思ってます!
ちなみに、今回は、偶数日更新です!(5月2日、5月10日、5月16日)
それでは、スタート! お楽しみください!!
VANIRUの一夜 VOL.02 〜映像〜 ゲスト:映像作家 武藤眞志
某日雨の夜、都内某所赤い個室でこの対談は行われた。VANIRUの新曲「ISOLΛTION」のミュージックビデオ監督として、またフォトグラファーとして、今回が初顔合わせとは思えないほど息の合った奇跡のショット連続で、新たなVANIRU像を引き出した映像界の巨匠武藤監督とのクリエイティブな対談は、ワンマンショウの映像制作へとイメージは膨らみ…
YUTO “VANIRUの一夜”第二回目の今夜は、ゲストに武藤監督をお招きしております。武藤監督、お久しぶりです!「ISOLΛTION」のMV撮影では、僕がなかなかビシッと決められず….
MUTO 周りが、ああしてこうして言っちゃうと、プレッシャー感じて逆に萎縮してしまうから、YUTO君のリラックスできる方向に持って行って、なるべくあまり無理なことを言わないように、自然に動けるようにはしていたつもりなんだけどね。
LEONEIL でもそれだけ、挑戦的な曲というかMVであって。
M 動きが自然に決められるようになっていくのは、経験値を重ねることでしかないだろうね。モデルだってそうじゃない?ウォーキングの練習を重ねるうちに自分の見せ方を知っていくように、自分がこうなりたいっていう理想の人になりきるくらいのことって必要なんじゃないかな。
Y ….気を取り直して。「ISOLΛTION」を最初に聴いて、何か絵的にひらめいたものってありますか?
M もともとは、海外ロケ案で話が進んでいたから、現地の古いお城のイメージにしっくりはまっていて、ロケーションとして霧がかったところがあったじゃない?それが曲のイメージと合って、ビジュアル的にしっくりきてたんだよね。
Y VANIRUの映像を見た最初の印象を知りたいです!
M それ聞く?(笑)最初YouTubeで見て、構成がボーカルとギターだけというのがこれまで経験値としてなかったから、正直不安ではあったよね。曲は懐かしい感じがして入り易くてよかったけど、ルックスが美形でメイクもしていたから、もしかしたらビジュアル系かと思ったんだよね。でも、音がすごく刺さるんですよ、曲がね。二人ともまだ若いじゃない。若いのになんでこの音なの?って思ったんだよね。それはなんでなの?訊きたかったんだよね。
L なんでなの?
M インスピレーションってまったくゼロからって生まれないじゃない。いろんな音楽を聴いて音って作るでしょう?80年代の曲も聴いてたのかな?
L この曲好きだなというのはあっても、そこに夢中になってしまうということはないかな。むしろ音楽は全然聴かないかもしれない。自然の音を聞いてる方が気持ちいい。これに影響されたとか特定するものが、あるわけではなく、こうして触れあってる時点でもはや何かが生まれ始めるから。音楽だけに影響されているわけではないかな。こうやって懐かしいと思われるのはなぜか、逆に疑問が生まれる。
M メロディーライン、構成が懐かしいと思うんだよね。要は、下手な打ち込みじゃなくて、メロディーとしてしっかりできてるから、80年代のグラマラスでドラマティックなムードを感じる。音も深みがあるし、懐かしいという言葉は適切ではないかもしれないけど。
L それが気持ちいいならいいけど。懐かしいといった感覚はないから。
M そりゃそうだね。でも、とてもいいことだと思うんだよね。LEO君にとって新しいわけだし、若い人にとっても新しい音だから。
Y 「ISOLΛTION」を聴いて、海外ロケ案がなくなってからは、どのようにイメージを膨らませていったんですか?
M 分裂する内面の表に出るものと隠れたものとを、ビジュアルのインパクトで見せたいと思ったんだよね。ストーリー性あるドラマ仕立てにするのではなく、ビジュアルのインパクトをメインにした方がいいなとはすぐに思ったよね。背景のない世界で撮影するわけだから、どこにフォーカスするかというと、LEO君の内面が出てくるようなカット。ということは、どうしても寄りのカットがメインになってくるんだよね。
L 武藤さんとの距離感が、結構近かった。今思うと。遠くても近かったから。
M 撮影は、縦の移動しかしてないんだよね。
Y 画面からLEOさんが、3Dのように出てくるかのようでした。カメラの動きとLEOさんの手の動きが、ぴったり合っていたのはモニターで見ててビックリしました!
L 武藤さんが離れて行ったの、あのとき。離れて行くんだから、近くにいきたいっていう欲求があの瞬間生まれたから。
M LEO君が手を広げたときに、画面サイズにぴったりはまったんだよね。ある意味偶然というか、あれはすごいよね。決められたものを撮るんじゃなくて、その場その場のセッションというか、その場の空気感で生まれるものというのが、一番いいと思うんだよね。
Y お二人だけの世界でしたね。僕は…
L 申し訳ないけど、周りがもし何か言ってたとしても、全部忘れた。ただ、あの空間をみんなが楽しんでやれたというのはある。しっかり巻込める曲に仕上がったと感じた。あの撮ってる時点でね。
Y あの段階で、編集はもう見えてたりするんですか?
M もちろん!絵コンテは作ってないけど、このカットはこういう感じで撮って、ここはこうしたいというのはある。今回背景をあえて無にしたでしょ?素材として撮って、料理するみたいな感覚なんだよね。普通にドラマのようにコンテがあって、決められたストーリーに沿って撮ると、ああいうカタチにはならない。そうじゃなくて、瞬間瞬間を撮っていったのがよかったんだよね。
L 打ち合わせしてないことが、自然にできたというのは、素晴らしいなと今聞いてて思った。
Y ぶっちゃけ、やりやすかったですか?
M 全然やりやすかったよ!マジで。やりにくいっていう時も、あるからね。撮ってて、全然しっくりこない時もあるよ。
Y 編集そのものも結構時間かかってますよね?
M かなり時間かかってる。細かいもの、だって。編集というのは、エディターのセンスがないといけないんだよね。今回は、昔の回転式アニメーションのソートロープを見立てて撮影しているから、まずはそれを分析してもらうことから始めて、撮影した映像をどう編集していくかがポイントだったんだよね。回転が速くなると回転しているものって、絵が止まって見えるでしょ?逆転して見えたり、、、。それを微妙に出すのって大変なわけ。だから、だれでもいいというわけじゃなく、エディターのセンスと相性が大事なんだよね。
Y ムービーもスチールも同時にやっていただき、結構大変じゃありませんでしたか?
M あのやり方は、ムービーを撮って、同じテンションで続けて撮影できたから、とてもよかった。
L なんかファンタジーだった、あの瞬間ずっと。ムービー撮って、スチール撮って、モニターでチェックしたときの完成度が、世界観が。
Y すごかった!あっという間でしたね。実際は、長時間でしたけど。
M うん、確かにあっという間だった。撮影は、いろんな人が関わっているから、ある意味コラボレーションというか、みんなを信頼していかないと、一方的にこう動いてこうしてというオペレーションになっちゃうと、多分新しいものにはならないよね。
L 時への挑戦と言って掲げたことが、一緒に挑戦できて、それができた。あれだけ時間かけたのに、全然早く終わったというのは、完全に、できたの。素晴らしいなと思う。
M みんな終わっても帰らなかったもんね。(笑)楽しかったよね。
Y 今後、僕たちと取り組んでみたいこと。ミュージックビデオ以外でも、その枠だけではなく、コラボレーションしてみたいことってありませんか?
M ショウの映像をコラボレーションしたいなというのはあるね。ライブの方が、ダイレクトな反応が見れるだろうし。映像を通して、ライブでメッセージを伝えるということをしてみたい。
L この瞬間だけではなく、長く見つめていきたいというか、お互いに。この先に向けて。だからこうやって、この瞬間に話ができているのは、意味がある。この出会いは、新たな始まり。戦いは終わらない。
Y ミュージックビデオから始まった武藤監督とのご縁ですが、その枠だけに限らず、いろいろクリエイティブなことをコラボレーションしていけたらと思います。僕は、もっと自然に動けるように、経験値を重ねます!今日は、ありがとうございました!
[次回アップ:2016年5月16日]