[右:LEONEIL、左:YOW-ROW]
都内某所。この対談は、LEONEILの誕生日に行われた。「ISOLΛTION」のリアレンジで初コラボレーションを果たしてから、ちょうど1年半。新しい年の幕開けと同時に行われた二人の対談は、これからのVANIRUが進む道を示すものとなった。
二人の始まりは?
YOW-ROW 前作「ISOLΛTION」のリミックスを手がけたのが1年半前だよね。それから、プライベートでも時々会ってたりはしたけど、一年半経って新しいことを自分たちでも何か一緒にやってみたいなと自然に話すようになって。
LEONEIL 今まで感じたことのない、いい意味で違和感のあるサウンドをプレゼントしてもらったという感覚だったから、あの時は。
YOW-ROW 僕もね、あのリミックスって、VANIRUというアーティスト自体の、よくも悪くもはっきり見ていないからこそできたサウンドだった。先入観がないからこそ、勝手に自分の世界に引きずり込めたというのが、今聞き直してみると、これはVANIRUのことをよく知らなかったからこそできたなと思うよ。いい意味での違和感とは、おそらくそういうところにピンときたんじゃないかな。
LEONEIL 「ISOLΛTION」を作って、曲に対してあるイメージがあったんだけど、YOW-ROW君のアレンジを聴いた時に、その瞬間は、いいねという感じではなかった、最初は。なんだこれは?いい意味で、サプライズだったんだなと思って。その音というか、そのストーリーというか。
YOW-ROW 僕も、リミックスって、原曲があるから、それをいかに裏切られるかが勝負だと思っているわけ。だから、その違和感というのは、実はすごく演出していますよ。原曲をたくさん聴いたから、お客さんというか、もちろんVANIRUのメンバーに対してもそうなんだけど、まずね、そこを驚かせたいというのがあって。
はじめましての挨拶のときに、自分とはなんぞやを説明したいわけ。一曲3分の中でどう説明するかを考える。自分の持っているものを全部出して、YOW-ROWとはなんぞやを出したかったというのはすごくある。だから、すごくてんこもりになったんだと思う。
LEONEIL どうしてもノーボーダーでやりたいと言っていたものの、ある種勝手に壁を置いてしまっていたというところがあって。“YOW-ROWアレンジ”の音を聴いて、その壁が壊れた、という感覚がその瞬間にあって。
YOW-ROW 先入観みたいなことをどうはずしていくか。原曲を聞けば、このアーティストは何をしたいかはよくわかるんだけど、あのときはメロディーラインだけが「ISOLΛTION」で、あのパターンが出る以外にも実はすごくロックなものだったり、すごくノイジーなものがあったんだよね。聴いている人も作った人も想像できないだろうなというものがいくつもあった。YOW-ROWとは何ですか、ということを表すには一番いいなと思って、あのカタチになったんだよね。
12/29《COSMIC ROMANCY》への流れ
LEONEIL なんていうか、いろんな意味で追い込まれたところにいて、という話をYOW-ROW君としていて、と思ったら、YOW-ROW君自身も何かフラストレーションになるのかな、が重なっていて。追い込まれるからこそ訪れるロマンスというか、そこを作っていきたいなというか。
YOW-ROW プライベートで会った時に、特別何かを言い合うわけでも現状報告するわけでもなく、なんとなく時間が流れる中で、今一緒にやってみるのもいいのかな、という感じ。久しぶりに会ったときに、今のLEO君がしたいことと、僕が思うLEONEILってこうなったらかっこいいんだよね、というイメージが合致してきた。だったら何かやってみようよ、と。レコーディングすることもひとつの選択肢なんだけど、イベントで一緒にプレイするとか、一緒にステージに立ってみること。一緒に曲を作るよりは、一緒にイベントを開催してみようってことになったんだよね。
LEONEIL パッションを感じられたら、もしかしたら想定外の新しいもの、っていうのが生まれるかもしれないから。
YOW-ROW 僕たちにとって表現する現場というのは大事なんだよね。レコーディングで何か積み上げていっても、人前でプレイした時にそれがカタチになるかどうかが、実は経験上大事であって、二人でステージに立ったら、通じるのか、もしかしたら、通じないのか。それを確認するにはライブが一番早いのかな、と。
それで、イベントを一緒にやろう、というところが多分きっかけなんだと思う。
12/29はどんなショウになるのでしょうか?
LEONEIL これはね、わからない。正直わからない。
YOW-ROW なんとなく見えてはいるけど、ノープラン。 当日実験している様を見にきてほしいというのはすごくあって、うまくいく瞬間なのか、うまくいかない瞬間なのかを見てほしいなというのが、実はイベントの核になる。
出来上がったものを見たりする場面はあるけど、作っている最中というのは見せることはあまりない。
ライブ、これぞまさに生で、そこで起きている戸惑いかもしれないし、息が合わないかもしれないけど、今起きていることを見にきてほしい。
LEONEIL それはそれぞれの勝負というか。多分危険だと思うけど、その危険さをも感じたい時が訪れたから。ある意味、ああやりたいこうやりたいなしの、戦いじゃないけど。
12/29に期待してほしいこと。
YOW-ROW 本当にこの先があるのかないのかもわからない。今の段階では、12/29にたった1日起きることでしかない。だからすごく貴重だと思うんだよね。
VANIRU、LEONEILの活動はこの先も続いていくんだけど、今回二人が何かをするっていうのは、間違いなく一発勝負、一夜限りのことなんだよね。
是非是非その瞬間を見てもらいたいなと思いますね。
LEONEIL 一夜限りのロマンスということで。
ファンの方へメッセージを
YOW-ROW このたびは12/29にLEO君といっしょにイベントをやります。僕自身まだ現状では全然どうなるかわからないんですけど、不思議な空間を是非見にきてください!
LEONEIL 何もわからずに、その瞬間を掴みにきてください。以上。
Youtubeに、自ら主宰するVANIRUの動画を配信したことがきっかけで、海外の音楽ファン、アニメファンから注目される。ドイツを拠点とし、オランダ・イギリス・マレーシアなど世界各国のフェスへ出演。刺激的なライブと端麗な容姿で崇拝者を急激に増やし、Facebook では80,000超えの「いいね!」がついている。 2016年秋〜Vo.LEONEILのソロプロジェクトになり、幕張メッセで行われた『VJS2016』フェスに出演、希少な存在感が話題となる。最近ではメジャー女性誌にて連載インタビューが掲載、今を生きることを詩的に語り、悩める若者たちへ救いのメッセージを発信するなどLEOVA名義での活動も行う。ダンスロックシーンに現れた新風として、感度の高いファッショニスタやクリエイターから、今最も注目を集めるアイコンとなっている。
VANIRU オフィシャルサイト:http://www.vaniru.com
世界水準のエレクトロッキン・バンド“GARI”のVocal/Programing。2005年ビクターエンタテインメントよりアルバム「e・go・is・tick」にてメジャーデビュー。2007年以降、活動拠点を海外へ移し、パリでのイベント「JAPAN EXPO」出演時、日本人アーティストとしては異例の入場規制がかかるほどの人気を博し、一躍GARI旋風がヨーロッパ全土へと拡がる。2010年、台湾最大の野外フェス「Formoz Festival」にも出演しアジアでも脚光を浴びる。2014年にはUKロックの重鎮ポール・ウェラーの息子ナット・ウェラーをサウンドプロデュース。2015年4月コカ・コーラシステム「シュウェップス シトラス」のCM曲として話題となった「Coming Up」タイアップなど、ロックからダンスミュージックまで幅広い音楽性で、多面的に活動中。
GARI オフィシャルサイト:http://gari.net