seekをオーガナイザーに、littleHEARTS.主催の人気V系イベント「polka dot circus」がSPECIAL Edition Vol.1を開催!出演バンド代表者による座談会が実現

インタビュー | 2024.04.05 18:00

ヴィジュアル系専門CDショップ・littleHEARTS.主催の人気イベント「polka dot circus」シリーズが「polka dot circus SPECIAL Edition Vol.1」となって、4月19日(金)、東京・新宿BLAZEで開催される。今回も、オーガナイザーはPsycho le Cémuのseekが担当。現在新世代台頭で、新たなフェーズに突入しているヴィジュアルシーンのことをもっと知りたいということで、今回はseekの元にイベント出演バンドが集結。Ashmaze.の詩結(Gt)、アンフィルの翔梧(Vo)、KiDの楓(Gt)、グラビティの六(Vo)、ビバラッシュのるいまる(Vo)を迎え、現在のヴィジュアルシーンで話題を集める彼らの魅力、今回のイベントにかける抱負、見どころについてseekとともに話を聞いた。次世代のヴィジュアルシーンを牽引する彼らをマークするにはぴったりのイベントなので、これを読んで、ぜひ当日は会場に駆けつけて欲しい。
──まずは自己&バンド紹介をお願いします。seekさん、みなさんのお手本となる回答をお願いします!
seekハードル高いわ(笑)。Psycho le CémuとMIMIZUQというバンドでベースをやっていまして。polka dot circusというイベントのオーガナイザーをやらせて頂いているseekと申します。今日はよろしくお願いします。
なんか、合コンみたいな感じでやっていくんですね(笑)。
──ええ、そうですよ。では楓さん。
KiDのギターの楓です。KiDは僕のソロプロジェクトで、サポート形式で他の楽器やボーカルの方をお願いしてます。僕は下手ギターと楽曲制作をやってるだけ。
seek初期は歌ってましたよね?
映像だけ。ライブは固定でお願いしているボーカルがいて、その人が歌ってますね。
──KiDはiだけ小文字。そこにはどんなこだわりが?
R指定をやってるときからKDって呼ばれてたんで、そこに自分、iを入れてKiDで。
全員おぉ~!!
それと、少年の初期衝動を大事にしたいという意味もあります。
──続いて、るいまるさん。
るいまるビバラッシュのボーカル、るいまるです。ビバラッシュは“アゲみ集団”エンターテインメントグループと名乗っておりまして。
seekそれ、いま考えた訳じゃなくてそう名乗ってるの?
るいまるそうです。みなさんの“楽しい”という感情を引っ張り出して爆発させる。そんなことをコンセプトに活動していまして。ライブは笑えることを重視して、1ステージ1サプライズをみなさんに届けられるものを心がけてやっています。
──では詩結さん、お願いします。
詩結Ashmaze.のギターの詩結です。バンド名は灰色の迷宮という意味で、答えのない悩み、苦悩、葛藤を表していて。その救いになるようなメッセージを届けようというバンドです。楽曲はいろんなものがあるので、楽しい曲で救われるのか、怒りを表現した曲に共感して救われるのか。いろんな形で救いになるメッセージを届けていけたらと思ってます。
──続いて六さん。
グラビティのボーカルの六です。僕らはヴィジュアル系のなかでも“キラキラ系”といわれるジャンルに憧れて始めたバンドなんですが、いまはそういう人たちがほぼいないので、僕らはいまの時代のキラキラ系の王道になりたいと思ってます。
──そうして、最後に翔梧さん。
翔梧アンフィルのボーカルの翔梧です。バンド名はフランス語からきていて、ロマンチックにいうと、運命の赤い糸という意味があるんですよ。
seekだけど、バンド名の綴りは造語なんですよね?
翔梧そうです。バンド名にはもう1つの意味があって。and feel、喜怒哀楽いろんな感情がつきまとうライブをしたいというところから、それを縮めてアンフィルにしたんです。感情がつきまとう僕らのライブで、誰か運命の人とつながる。そんな場所になったらいいよねという夢物語を追っているロマンチストなバンドです。
──ありがとうございました。そもそもseekさんがこのイベントのオーガナイザーをつとめるようになった経緯は?
seekきっかけは、主催者であるlittleHEARTS.さんとお話する機会があったからですね。僕自身、気がつけば今年で25年バンドをやってきたことになるんですけど。だんだん年齢を重ねていくうちに、若いバンドさんと接するチャンスが如実に減ってきて。僕はヴィジュアル系が単純に好きなので、いろんな若いバンドさんのライブを観たいんです。最近はSNSだけで勝手にライブを観た気になってしまうんですが、実際ライブハウスで生のライブを観ると、印象が変わるんですよ。だから、そういうライブハウスでバンドを観たいという気持ちも、このイベントをやることで叶えることができるなというのがあって、イベントをオーガナイズすることにしたんですね。それで、2023年7月からシリーズでlittleHEARTS.STUDIO(Space emo池袋 内)でイベントをやらせて頂きまして。そのときは、各バンドさん宛てに直接“seekと申します。イベントをやるので出ていただけませんか?”というメールを送らせて頂いて。
──いきなりですか?
seekええ。だから半分ぐらいは怪しまれて返事が返ってこなかったですけどね(一同笑)。
──オーガナイザーとしてバンドの声かけ、ブッキングまでやられてたんですね。
seekそうです。それの“SPECAL Edition Vol.1”を、今回は新宿BLAZEでやらせて頂くことになりまして。このイベントにみなさんにお集まり頂いたという流れでございます。
──なるほど。「polka dot circus」をシリーズでやってみてseekさんが感じたことは?
seek正直、文化の違いは感じましたね。いまのバンドさんのバンドの動かし方。例えば、数年前までだと各バンドさんお立ち台を1つ持ってくるという時代から、いまはほとんどお立ち台を持ってくるバンドがいなくて。どちらかというと、特典会用のMyパーテーションをみなさん持ってらしゃるとか。
──えーっ!!
seekそうなんですよ。技術的なことでいうと、みなさんイヤモニでやられるんですよね。
──ライブハウスの規模で?
seekはい。だから、俺らとはリハのやり方も違うから新鮮な発見がたくさんありましたね。演奏も、みなさん上手いんですよ。しかも、持ってる楽器も「ええ楽器持ってるなぁー」っていう印象を受けましたね。
俺、完全にseekさんと同じ意見です! 俺はKiDとしては一番下っ端になるですけど、バンドマンとしてはそれなりのキャリアがあるので、それこそいまのイヤモニの話とか「カウントないほうが曲がカッコいいじゃないですか」といわれると、俺は「ドラムのカウントこそライブ、そんな奴はホールでやれ」って思っちゃう昔ながらの人なんで、seekさんの話を聞いて共感しかなかったです。
──実際にみなさんはイヤモニを使ってらっしゃるんですか?
ウチは全員イヤモニです。大きい会場になって、その日からイヤモニでって無理だから。そのためにいまから慣れておきたいというのと、あとは演出的なところ。曲間の流れを僕らは大事にしたいんで、クリックがあったほうがやりやすいんですよね。テンポチェンジがすごくあってリズムが複雑な曲は、クリックがあった方がしっかり演奏が合うんですよ。それから、イヤモニだとどの会場でも同じ環境で演奏できるというのも大きいです。
seek歌はイヤモニのほうが安定するんですか?
僕はそうです。会場の熱量を感じたいときは片方だけ外してやるときもありますけど。
翔梧俺もそうです。俺は、外すためにつけてますから(笑)。お客さんの声を聴きたくなって「これじゃ聴こえねぇんだよ」ってパッと外す瞬間がカッコいいかなと思って。
seekああ~。ここで1つタガを外すぞっていう意味を込めてのパフォーマンスね。
るいまる俺は使いたくなかったんですけど、コロナ禍で配信ライブが増えてしまって。配信ライブをやる会場のシステム上、イヤモニを使うようになりまして。その流れで、ライブハウスでも使うようになった感じです。でも、イヤモニをしてない時期のほうが圧倒的に長いんで、違和感はまだありますね。
詩結僕はバンド感、生楽器の感じが好きなんで、つけたくない派ですね。演出上、メンバーがいきなり曲を始めたいってところに対応するためにイヤモニを使い始めたって感じです。
なんか、イヤモニ談義になってますけど。
seekまさか、こんなにみんなが盛り上がってくれるとは思わへんかったから、そろそろ軌道修正しましょう(笑)。みなさんそれぞれ対バンやイベントで一緒に演ったことは?
全員ありますね。
seekバンド歴は?
僕はグラビティが初めてのバンドで、いま7年目。
翔梧アンフィルは来年10周年です。
るいまる僕らは6月で8周年を迎えます。
詩結Ashmaze.は5年目。まあまあやってきたなと思ってたんですが、まだまだペーペーだったんだなといま思いました(苦笑)。
KiDは今年で4年目なので、ここでは一番フレッシュな存在ですね(一同笑)。サポートメンバーはみなさんと同世代なので、そこから僕もフレッシュさや、いまどきの若者の感性を仕入れてる感じです。サポートメンバーのなかには、Ashmaze.のS1TK(Dr)、グラビティのリクト。(Ba)もいて。
seekイベント当日も?
この日は違いますね。
──みなさん若手世代といっても、そこそこキャリアがある方々なんですね。
seek長く続けてりゃいいって訳ではないけど、コロナ禍があったからね。経験としては僕らが若い頃とはまったく違う時代をこの3年間食らってるはずだから、バンドとしては強いんやろうなって感じを、いま話を聞いてて感じましたね。
──みなさん、コロナ禍を乗り越えたバンド。
あれを乗り越えたから、もう怖いものはないなって思えます。
──seekさんがここまでバンドを続けてこられた理由は?
seekやりたいから。それだけですよ。僕らは誰かにやれっていわれてやる職業じゃないからね。
最近ね、俺めっちゃいわれるんですよ。「もうバンドなんて無理だよ」って。でも、無理とかじゃなくて“好き”だからやってるんです。それで稼ぐとか売れるのも大事ですけど、根本に好きっていうのがあるから頑張れる。俺がR指定が終わって、コロナ禍でもわざわざ1人でKiD始めたのは、好きだからでしかないんで。
seekそれ自体、相当ヤバい決断やもんね。だから、いまはそういうヤバい人しか残ってないんですよ(一同爆笑)。まともな人ほど早く辞めちゃう世界やと思うんで。
まともな人はバンドマンでは生き残れないと思います。お客さんだって普通の人、一般人のステージを観たい訳ではないんで。
seekそうですね。
なにかしらの狂気性。それが陰だろうが陽だろうが、普通じゃない。
seek異空間。
そこにわざわざお金を払って観に来てくれて。こっちも「これ、面白いでしょ?」と提示できるのが俺らだと思うんで。普通じゃないから、みんなお金を払ってでも観たいと思ってくれるんだと思います。

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