──なるほど。今回の“SPECIAL Edition Vol.1”はどんなインベントになりそうですか?
seekいまのバンドさんは昔の僕らのやり方とは違って、SNSを上手く使って新しいお客さんが注目してくれる術を探していたりしてはると思うんですが。ただ、僕自身はライブハウスで育って来た人間やから、ライブハウスを使ったみんなが集まるカッコいいイベントは常にあって欲しくて。ないならないで自分らで作っていきたいなと思って、今回“SPECIAL Edition Vol.1”をやらせて頂くことにしたんです。今回は平日にも関わらず、こんなにたくさんのバンドさんが集まって下さったんで、各バンド、できるだけ持ち時間を長くしたいなと考えてます。今回はまだ第1回目ですから、俺は、1バンドずつ時間内でバチバチに演って欲しいなと思ってます。みなさんの映像を観させてもらいましたけど、確実にカラーが違うバンドが揃ってるので。そのカラーをどこまでその時間内で魅せていけるのか。そういうイベントにしたいなと思ってますね。
──みなさんは今回のイベント、どんな気持ちで挑みたいと考えていますか?
楓ウチはサポート体制で成り立っているところから、他のバンドとは違う。だから、当日のメンバーによってライブは変わるんですよ。それが強みであり弱みであると思ってます。俺自身はいまだに昔の世代だから、こういうイベントでは、ステージに立ったら「殺す!」としか思ってないんで(一同笑)。
seekでも、それすげー大事です。俺もいまだにそう思ってます。
楓KiD自体、曲はキャッチーなんですけど、俺の社会に対しての不平不満を歌ってるバンドなんで、その感じと、俺のステージの上での「殺す」っていうのを出せたらいいかなと思ってます。がんばりますっ!!
seek手法がR指定のときとはまったく違うから、そこにチャレンジしたのはすごいなと思いながら曲を聴かせてもらったんですよね。
楓ありがとうございます。どう考えても茨の道を選んでるんですよ。
seek既存のファンが求めているものと、ご本人が新しくこういうので演ってこうというのとは、必ずしも一緒ではないですからね。
楓バンド編成にしても、僕はギターですけど、もう1人ギターを入れてるんですよ。それは、俺が理想としているのが5人バンドで。2ギターにすることは自分の修行だと思ってるんです。自分の知らない感性が欲しいから、お金払ってでももう1人ギターを入れる。そこは最初からこだわってやってます。
──では、るいまるさん。ビバラッシュはどんなライブで挑もうと考えていますか?
るいまる僕らは対バン相手を「殺す」という気持ちはすいません、一切ないです(笑)。風のように過ぎ去っていって、お客さんからしたら「いまのなんだったの?」。そんな後味を大事にしてるんですよね。
seek持ち時間は短い方が得意ってことかな。
るいまるはい。でも、この間イベントで持ち時間が各々25分のときがあって。みんなのセットリストのぞいたら5~6曲入れてて。
seekみんな詰め込んで。
るいまるはい。ウチは考えに考えて3曲だったんですけど。時間が足りなくて2曲目の途中で終わってしまったんですよ。
seekそれで、ライブが終わった後に客席がザワザワしだす。
るいまるそうなんです!「いまのなんだったんだろう」って。風のようにバーンと過ぎ去っていくライブをする。それが自分たちのこだわりです。だから「あれ、なんか楽しかったね」の“あれ”になれたらいいので、今回もガバッとみんなを笑わせて、一瞬で去っていこうと思ってます。
seekでも、この髪型を含めて、強烈なアイコンがすでにできあがってるから“あれ”以上のインパクトは残していくんでしょうね。
るいまる:ありがとうございます。
るいまる:ありがとうございます。
──Ashmaze.はどう挑みましょうか。
詩結ビバラッシュ、グラビティはいままでツーマンをやったことがあって、アンフィルとも数回一緒になって。KiDはS1TKがサポートでメンバーのように出てるから、みんな元々関係値はあるんですけど。ライブ自体は誰が出るから俺らはこうしようというよりか、周りには流されず、自分たちはこうだぞというのを自信を持って出して。それをちゃんと受け取ってくれた人に感謝する感じです。
seekアーティスト写真を拝見したときは、往年の王道のヴィジュアル系やなと思ったんですけど。
詩結メンバーみんな10代のときに憧れてきたヴィジュアル系があって。いまの時代だから、取り巻く環境も求められるものも違うけど、そのなかでみんなカッコ悪いことはしたくないって気持ちは強いんじゃないかなとは思ってます。10代のときの自分が見て、これってカッコ悪いけどいまはしょうがない、とはいいたくないメンバーたちですね。
──では、グラビティは?
六グラビティはライブを観てもらうとイメージが変わると思います。ビバラッシュと似てるとよくいわれるんですけど。
るいまるめっちゃ間違えられるんですよ。
seek片仮名のバンド名で、なんとなくライブのテンション感が似てるとかで?
六明るい雰囲気だと似ちゃうんですよ。見え方的に。だけど、種類は違くて。
るいまる全然違うよね?
六だから面白いと思う。
るいまるライブ観ると全然違うんだけど、SNSとか雑誌とかで見ると、お客さんはこんがらがるんです(一同笑)。
六僕らがビバラッシュと違うのは、楽しいだけじゃないものを残したいなというところです。僕はヴィジュアル系にハマって、そこからヴィジュアル系バンドに憧れてやり始めたタイプなんで、学生の頃にいろんなヴィジュアル系バンドのライブを観てるんですよ。その頃に、楽しいだけのライブは忘れてっちゃって自分のなかに残っていかなくて。胸が熱くなるライブをしてくれるバンドが残っていったから、そういうものを残したいなと思いながらライブをやってますね。
seekあるインタビューを読んだから、なんでバンドやってるんですかという質問に「売れたかったからです」と答えてたのがすごい面白かったんですよ。そのときに、この人はバットを長めに持つタイプの人なんやなと思いました。クソ三振するするかもしれないけど、ホームランを打つかもしれないタイプかなと。だから、なにすんやろうという楽しさはグラビティに対してはあるかな。
六ありがとうございます(笑顔)。
──楓さん、ホームラン打ってしまう前に叩いておかなくていいんですか?
楓俺は初めて会ったときはナメてたんですよ。偏見の塊だから「はあ?キラキラ系なんて」って(一同笑)。でも、圧倒されたっス。こんなにちゃんとしてるんだっていうのがライブを観るとめっちゃ伝わってきて。「こんな風にやっとけばいいんでしょ?」っていうイメージなんです。僕のなかのキラキラ系の人たちって。だけど、グラビティは会ってみると「すいません、俺が悪かったです」っていうのを感じた。それぐらい凄くて。そりゃ人気出るわと思ったんです。
六そのお話、随分前にしてもらったのを憶えてます。
楓したね。あと、ビバラッシュも騒ぐ系だけど、自分たちが行く方向を定めた上で振り切ってるんですよ、彼らは。俺はそこまでできてない人しか見てきてなかったんで、偏見があったんですけど。でも、どんなジャンルだろうが本気で向き合ってる人たちは格好いいんだなって思わされました。
るいまるいやー、嬉しいです(笑顔)。
楓だから、俺は「負けられねぇぞ」って思ってます。むしろ焦ってます。コロナ禍のりきって、こうやってバンドに本気で向き合ってる人たちはどんどん売れて欲しいと思う。コロナ禍を超えて残ってるバンドはマジで強いと思うから、売れてシーンを盛り上げて欲しい。俺ができることがあればなんでもやるから、みんなで売れようぜって思ってる。
──それでは最後になりましたが、アンフィルはどんなステージで挑みたいと考えてますか?
翔梧アンフィルはひと言で言うと映画みたいなライブをしたいんですよ。例えば、その日5曲演奏するとしたら、1曲×5だけだと家でCD聴くのと一緒じゃないですか。同じ順番でも、その曲間がどうなってるのか、どんなテンションで演奏するのか。そういうところに重きを置いたものをやるので、毎回違うライブになるんですよ。ちゃんとストーリー、起承転結があって。気づいたらそのストーリーが、ある映画のような世界に引き込まれてる。そんなライブを目指してるんで、当日もそんなライブをやるつもりです。そうして、お客さんの感情をわっさわさ揺すれたらいいなと思ってます。僕ら、“いい子ちゃん”に思われてた時期が長かったんですよ。
seekバンドのパブリックイメージはそうかも。しっかりとした歌ものをやられているイメージが強くありますもんね。
翔梧だけど、ライブは熱量がすごくあるんで。さっき六君もいってましたけど、ライブを観てもらったらまた印象が変わると思ってるんで、そこも楽しみにしててもらたいなと思います。
──ありがとうございました。今日はイベントに向けて、ワクワク感が高まる座談会となりましたね。
seekそうですね。座談会でも盛り上がってくれたので、イベントでも、ますますみなさんのライブが楽しみになりました。
──お客さんたちにはどんなところを楽しんでもらいたいなと思ってますか?
seekお客さんも、今回は各バンドの色をはっきりと観てもらえると思うんですよ。振り付けがあるバンドがいたかと思えば、光り物をつけるバンドもいたり、次のバンドは光り物が禁止だったり。お客さんのルールがどんどん変わっていくのもイベントの面白いところだと思います。そこも含めて、やっぱりイベントは勝負やと思うんで。みなさんがどんな風に自分たちのカラーを出したライブをやるのか。そこを楽しんでもらいたいと思います。僕も楽しみです。