ビバラッシュ、新曲「エンペラータイム」を携えて全国ツアー中!メンバー全員に現在の心境、初のホールワンマンへ向けての思いを聞いた

インタビュー | 2024.09.10 18:00

──DI:GA ONLINEで行ってきた連載中、るいまるさんが見事なインタビュアーぶりを発揮していましたね。

るいまる

3回に渡ってメンバーにインタビューしたんですけど、インタビューした内容を書き起こすって、マジむずいですね!?
──しかし質問の内容といい文章のテンション感といい、お見事でしたよ!

るいまる(Vo)

ありがとうございます! ウチのメンバーは結構ハキハキと簡潔に喋ってくれるんで文字に起こしやすかったんですけど、自分が喋ってる部分が長くて!(笑)

幸村(Gt)

やっと気づいたかぁ!(笑)

冬也(Ba)

だから、きっと今日はいい感じで喋ってくれるはずです(笑)
──期待しましょう。ということで、今回は改めてメジャー2ndシングル『エンペラータイム』について伺っていこうというインタビューです。
一同よっ!!!!!!!!!!
──「エンペラータイム」は、ライブでもだいぶ早い段階から披露していましたよね?

るいまる

最初に披露したのが、6月に大阪でやった8周年のライブでした。リリース前からこんなにライブでやりまくる曲は珍しいです。

パーミー(Dr)

周年のライブで突然やったんですよ。タイトルコールもなく、前の曲が終わっていきなり。
──フロアも「おや!?」ってなっていたのでは?

るいまる

「おやおや!?」って感じだったんですけど、次の新曲がアニメ「多数欠」のオープニングテーマになることはすでに発表していたので、「たぶんこの曲がそうなんだろうな」って気づいてくれたと思うんですよ。中には、泣いてる人もいましたね。「エンペラータイム」自体は泣けるような曲調ではないんですけど、きっと周年とかタイアップとかっていうのが重なって。

冬也

ずっと追いかけてくれているお客さんからすると、周年っていうタイミングとか僕らがやってきたことが形になって世の中に大きく打ち出せることが重なったのを感じて泣いてくれたのかな、と思いましたけどね。

ビバラッシュ 『エンペラータイム』 MUSIC VIDEO

──昨年末のメジャーデビューに引き続きアニメタイアップも実現して、言わばバンドマンドリームを次々と叶えている姿を見るのは感慨深いものがあったんだろうと思います。現在「エンペラータイム」はアニメ「多数欠」のオープニングテーマとしてオンエアー中ですけれど、今回はどういった形で制作されたんでしょうか?

るいまる

まず、アニメの制作チームと打ち合わせをして、そこで出た曲への要望をパーミーが形にしていった感じですね。その打ち合わせでいくつかキーワードも挙がったので、それを歌詞の参考にもしました。
──そのキーワードというのは?

るいまる

アニメの中でも重要になってくる“数・数字”と“信じる”というのは、監督さんから出たワードでした。あともう1つは“空”なんですけど、アニメの制作チームが結構テンションが高い仲良しチームみたいな感じだったので、“空”に関してはちょっとノリな感じもあったけど(笑)。キーワードとしては、その3つでしたね。

パーミー

曲に関しては、「多数欠」の作中にパソコンのモニターを通じて“多数欠”を採る場面があるので、「電子音やデジタルサウンドは意識してほしい」っていうリクエストがありました。
──すると、ビバラッシュの音楽性からも外れることなく。

パーミー

そうなんです。制作チームの方からも、「もちろんアニメありきだけど、あくまでもビバラッシュとしてアプローチしてほしい」って言ってもらえたんですよ。その他にも「歌始まりにしてほしい」とか、「多数欠」の原作を描かれていた時代背景的にも令和というよりも平成っぽい、少し前の王道なアニソン感の方がいいんじゃないかっていうのがありました。それに、“デスゲーム”っていうのがメインテーマとしてある作品でもあるので、若干暗めというかスリリングな雰囲気を纏っている、かっこいい曲が合うんじゃないかっていうのもあって、僕としてはすぐにヴィジョンは見えましたね。
──まさしくリクエストを網羅しつつ、ビバラッシュらしさもしっかり兼ね揃えた曲になりましたよね。制作中やレコーディング環境に、今までとは違う変化もあったんでしょうか?

幸村

一番変わったのは、レコーディングの現場ですね。今って、宅録で結構しっかりレコーディングができちゃう環境があって、今までのビバラッシュはそうだったんですけど、今回は全パートをスタジオでレコーディングしたんです。
──「エンペラータイム」は、ビバラッシュの楽曲の中でも比較的バンドサウンドに重きを置いたタイプの曲だと思うので、スタジオレコーディングはいい効果をもたらしているかもしれません。

幸村

やっぱり、スタジオで音を出すっていうのは単純にテンションが上がりますね。今までは大体1人で根詰めてレコーディングすることが多かったんですけど、現場にみんながいると「もっとこうした方がいいんじゃないか」っていうやりとりもその場でできるし、今回冬也が今まで使ったことのないベースを使ってレコーディングしたっていうのもあって、竿隊で一緒に音作りをしながら音楽と向き合えたのは、すごくよかった。まあ、人がたくさんいて、しかも時間的な制限もあるから、いっぱい緊張もしましたけどね(笑)。
──ベースは、新しいものを使用したんですか?

冬也

僕が普段使っているのは四弦ベースなんですけど、「エンペラータイム」は普段よりもチューニングが低い、ドロップAチューニングなんです。「これは五弦ベースじゃないとしんどいぞ!?」っていうので五弦ベースを2本用意して、それこそ幸村とどっちの音がいいか相談しながらレコーディングしました。今までとは違うレコーディング環境だったので楽しさもありましたし、なによりもレコスタで録った方が音がいいなと思いましたね。
──るいまるさんは、先ほど伺ったキーワードをどのような発想で歌詞に落とし込んで行ったんでしょう?

るいまる

今回すごく大事にしたのは、「多数欠」は考察することが多いアニメだっていうことなんです。アニメ全体の解像度を歌詞で高めていくっていう方向性を決めて、作品の中に出てくるキーワードとかキーヴィジュアルとなるような場面を比喩表現したワードで隠そうと思ったんですよ。
──オープニングテーマにも、謎解き要素が隠されていたとは!

るいまる

きっと、アニメファンの方も考察するのが好きだと思うので、歌詞を見て何を指しているのか紐解いてほしいですね。僕の表現の中には独特な視点のものがあるので、もしかしたらピンと来ないところもあるかもしれないんですけど、そこは自分の個性だと思って。しかも、監督さんが「エンペラータイム」を聴いてオープニングのアニメーションの絵コンテがすぐに浮かんだって言ってくださったんです! それに、「この歌詞はここのことでしょ?」ってちゃんと考察してくださって、自分の意図した通りにビバラッシュの曲に寄り添ってくれたのはすごく嬉しかったですね。ちなみに、“空”というワードを頭に入れて改めて原作を読み返していたら、結構重要だったことに気づいたんです!
──ノリで出たワードではなかった、と。

るいまる

そうなんです。原作にも空の描写がたくさん出てくるんですけど、デスゲームを繰り広げるキャラクターたちの心模様は表情からも読み取れるけど、空模様もその雰囲気を表す大切な要素だったんだなって、改めて気づいたんです。
──そういうところに気づくあたりが、いわゆる“るいまる節”に繋がっているんでしょうね。そんな「エンペラータイム」が初めてオンエアーされたときは、皆さん、喜びもひとしおだったのでは!?
一同はーい……。
──……あれ?

るいまる

いや、リアルにはじめは今みたいな反応だったんですよ。「感動」っていうよりも、感動を通り越してむしろ「ポカーン」だったんです(笑)

冬也

そう、現実味がなくて!

るいまる

実感がなさすぎたというか、「え、これ本当にビバラッシュ!?」みたいな。なんだか、人様のものを見ている気持ちだったというか。

パーミー

そうそう。今までに経験したことがないような感情で、すごく変な感じだった(笑)。サビの部分でクレジットが出るんですけど「え~?(疑)」みたいな感じで、3回目くらいで実感し始めたかな。

るいまる

そうだね、3回目くらいでやっとグッと来始めた感じでした。

冬也

俺はサブスクの動画配信で観たときに、いつも自分が触れているサブスクコンテンツの中に「多数欠」があって、そこで自分たちの曲が流れているのを観たときに、「これは夢じゃないんだな」って実感しました。
──今の時代、携帯端末で観ることが主流になっているからこそ、その感覚も納得です。

冬也

もしかすると、僕ら自身よりもファンのみんなとか周りの人の方が「わー!」っていう気持ちになっていたかもしれないですね。もちろん自分たちのことではあるんだけど、もうすでに自分の想像の域を超えて若干の乖離感があるから、実感が湧くのに時間がかかるんだと思うんです。

幸村

乖離っていえば、オンエアーされてエゴサをしたわけですよ。普通、ヴィジュアル系バンドがアニメのオープニングだったりすると「すごい!」とか「ビックリした!」っていう反応になると思うんですけど、僕が見た限り8割は、「ビバラッシュ『多数欠』のオープニングなんだ、“ウケる”」だったんです。
一同(爆笑)

るいまる

僕のところにも、DMでオープニングのクレジット部分の写真と一緒に「ウケる」ってきた!

幸村

いや~、僕らの感情と乖離してるな~と思って(笑)。

『多数欠』ノンクレジットOP/ビバラッシュ「エンペラータイム」

──そのノリや反応すらも「ビバラッシュらしいな」と思ってしまいますね。さて、今回は欠盤、通常盤A / Bにそれぞれ1曲ずつカップリングが収録されますが、こちらの3曲もバラエティーに富んでいますよね。

冬也

カップリング曲は、うたもの、おもしろい曲、ビバラッシュ100%の曲っていう方向性の3曲で行こうって、最初に決めたんですよ。

るいまる

それに、“信じる”っていうのがシングル全体のテーマとしてあったんです。ビバラッシュには希望とか元気を届けるっていうコンセプトがあるので、自分を信じる、他人を信じるっていうことを希望の光に向かって進んで行くっていうイメージで歌詞を書きましたね。
──楽器隊の皆さんが作った曲がカップリングに勢ぞろいしているのもいいですよね。冬也さんは、「キミが好きだ」というストレートな“うたもの”担当です。

冬也

得意分野ですからね! 極端な言い方をすると、「メジャーってなんだろう?」っていうことを考えたときに、たくさんの人が聴いてくれる曲っていうのが僕の中にテーマとしてあったんです。僕自身もうたものが好きだし、「自分だったらこんな歌が聴きたい」とか「こんな曲いいよね」って思うものを形にしました。
──「シェキラBANG-BANG!!」を作曲したのは幸村さんですけれど、通常“幸村曲”と言うと比較的ファニーな曲が多いのですが、これが……。

幸村

“ビバラッシュ100%”の曲ですね。あとは単純に、僕が今すごくラップにハマってるので、ラップを入れようと思ったのがきっかけでできた曲です。ビバラッシュって「ギャングマーチ」とか「喰ワズ嫌イ。」みたいに、定期的に噛みつく系の曲があったんですけど最近はなかったなと思って。メジャーデビューをして8割はハートフルでいいと思うんですけど、2割くらいは攻撃的な部分というか「牙を持ってるんだぞ」っていうのもアピールしておきたいと思ったので、それを担える曲ですね。今まで作ってきた自分の曲の中では、一番時間をかけた曲になりました。
──確かにファンキーな要素もありますけれど、メロディアスな部分もしっかりとあって音楽的な部分も楽しめる、不思議なバランスの曲でもある印象です。

パーミー

サビなんかは特に、ノスタルジックな感じもありますね。

幸村

今回、冬也とパーミーが作った曲は各々違う作曲家さんが制作をお手伝いしてくれるんですけど、「シェキラBANG-BANG!!」に関しては完全にビバラッシュだけで完結する曲になっているので、それを踏まえても“今のビバラッシュ”っていう感じですね。僕も作曲家の方と一緒に制作してみたかったっていうのもあるんですけど、改めて思ったのが、やっぱり自分の曲を一番理解してくれてるのはパーミーだなっていうこと。パーミーは、僕の意図を120%活かしてくれる。

るいまる

「シェキラBANG-BANG!!」のイントロにはいっぱいファニーが住んでいて、圧倒的に幸村ちゃんの曲の要素が詰まってると思うんですよ。幸村ちゃんの突出した個性的な部分って、音楽的な観点からすると矯正したくなっちゃうところもあると思うんですけど、パーミーは絶対にそこをなくさないんですよね。

パーミー

だって、今回もイントロは幸村のデモのままだからね。いつも理性はもちろん保ちつつ(笑)、いい塩梅でアレンジをするんですけど、今回も結果的にいい感じになったと思います。
──すると、“おもしろい曲”というのがパーミーさん作曲の「メン類が大好き」。

パーミー

今まで、結構な割合で“ビバラッシュらしさ”を考えながら曲を作ってきたっていうのもあるので、僕が曲を作るうえで根本的にはそれがあるんですよ。
──基本的に、表題曲はパーミーさんの曲がメインですからね。

パーミー

はい。その“ビバラッシュらしさ”の中でギミックとして歌詞のおもしろみを出したのが「メン類が大好き」なのかなと思いますね。ライブでも楽しめて、かわいらしさもある感じになるんじゃないかな?っていうのをイメージしながら作りました。
──現在はワンマンツアー『EMPEROR×JUDGMENT』の真っ只中ですけれど、今回は企画を織り交ぜたライブ構成もあって、とてもいい具合に各地を回れている様子ですね。

るいまる

アニメ「多数欠」を基に考えた企画を取り入れていることもあって、通常の自分たちだけで考えるライブではなくて、その日ごとにお客さんのアイディアも入ってくるライブなので本当に新感覚なんですよ。
──例えば“選曲権”では曲を選んでもらうとか、振付を決めてもらう“振付権”もあって、初日はエアギターという斬新な振付の提案がありましたね。

るいまる

8月3日の岐阜でのライブは“パーミーの日”っていうので、エアドラムなんていうのもありました。みんな、結構いいアイディアを出してくれるんですよ! ライブ中も、一瞬「これ、本当にライブ!?」って迷うときがあるくらい、企画を通して遊んでるみたいな感覚が強くて、普段のライブとはまた違う感覚を味わえてます。
──そこは、さすが“エンターテイメントグループ”といったところです! そしてツアーファイナルは9月29日のTOKYO FMホール、ビバラッシュにとっては初のホールワンマンになりますね。

パーミー

そうなんです。ツアーで行っている企画もそうだし、自分たちの見せ方とかライブの在り方を考えながらツアーファイナルに向けて進化をしていって、最終的にどういう形になるのかっていうワクワクが爆発してるので、今はどんどん次のことに挑戦したいっていう気持ちでいますね。でも、いつも気づいたら「もうツアーファイナルかいっ!」ってなるんで、ちゃんと 1本1本噛み締めてライブをしようと思っています。

冬也

前回のツアーのときには寸劇を取り入れて、今回は「多数欠」にちなんだ企画を織り交ぜながら各地を回っているように、ビバラッシュはツアーごとにしっかりとコンセプトを掲げていて、普通に曲を披露するだけのライブとはちょっと違うところがビバラッシュの強みでもあると思うんですよ。それに、今回みたいな大規模なツアーは久しぶりだし、まだまだ曲やライブが育っていくと思うんで、ツアーファイナルでは今僕たちが取り組んでいることがどういう形で完結するのか、ワクワクしています。

幸村

最近あまり行けていなかった地方とか初めて行く場所も多かったので、ツアーが始まる前は不安もあったんです。でも、不安に反して結構人が集まってくれて、ライブ中もフロアからすごく反応が返ってきたり、ライブ後にSNSでもビバラッシュの名前をよく見かけるくらい盛り上がってくれているところだったりが、このツアーがはじまって一番いいなと思ってるところなんですよね。
──SNS連動企画も盛り上がっていますからね。

幸村

ツアーの盛り上がりでいうと、近年の中で一番だと思います。いいスタートダッシュをきれたので、これからどんどん盛り上げていってツアーファイナルにもこの勢いで臨みたいですね! ちなみに、僕も他のメンバーも楽器を一新したり機材を見直したりしてるので、音の部分もどんどん良くなってるんですよ。ツアーファイナルは、ハンパねぇビバラッシュが観られると思いますよ!

るいまる

入場時に配布される“特権利封筒”は、僕たちが「こうあってほしい」っていうライブに対する願いも込められているんです。ずっと応援してくれている人も初めて来た人も、みんながフラットな状況で楽しめる空間づくりが実現しているのもそうだし、それによって温かい空間づくりができているんですよね。封筒のおかげで自分たちでもライブがどう転ぶかわからないから、なんだか自分も一緒に転がってる感覚なんですよ(笑)。バンドの対応力が試されているのもあるし、密かにチームワークも鍛えられていると思うので、ツアーファイナルはきっとものすごいものになると自分も楽しみにしてます。是非、ビバラッシュを楽しんでほしいですね!

PRESENT

サイン入りCD『エンペラータイム』通常盤A・通常盤Bを各1名様に

※転載禁止

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