DATE:2018年7月15日(日)13:45〜 STAGE:ROSE STAGE
2018年7月14日~15日に北海道・岩見沢で開催された野外ロック・フェスティバル<JOIN ALIVE>。北海道の夏フェスの風物詩でもあるこのフェスに、KICK THE CAN CREWが初登場。横殴りの豪雨を止めた奇跡のステージの模様をお伝えしたい。
JOIN ALIVE2日目の15日は、朝からあいにくの雨模様。午後から雨は止む予報だったが、回復の兆しはまったく見えないほど、雨は横殴りに激しく降り続いていた。“これはもう今日1日雨だ”と諦めかけていたが、彼らがステージに上がるほんの10分前くらいに、奇跡的に雨は上がった。5つあるJOIN ALIVEのステージのなかで、最も大きなROSE STAGEに登場した彼ら。再始動後、初となる最新アルバム『KICK!』から「千%」をまず披露。ドシっとしたビートが印象的な煌びやかなトラックに合わせて、MCU、LITTLE、KREVAと三者三様のラップを聞かせる。続いて「地球ブルース~337~」で、彼ららしい変幻自在なフロウを表現すると、オーディエンスもハンズアップで応える。
「TORIIIIIICO!」「マルシェ」といった代表曲で円状に広がるオーディエンスの心をガッチリと掴む。小気味良いスクラッチ、ワンヴァースごとの3人の絡み合いなど、オールドスクールヒップホップの楽しさが溢れるステージングに加えて、雨が上がったフィールドは大盛上がりとなった。
「俺たちがここに着いたら(雨が)止んだ。みんな、めちゃくちゃいい顔してるよ」とKREVAがオーディエンスに語りかけると、彼らはJOIN ALIVE初参戦ということもあり、全員のメンバー紹介を続ける。MCUの自己紹介中には、KREVAがお決まりのように茶々を入れ、笑いを誘った。
「これから新しいアルバムのなかで一番難しい曲をやるよ。だから、みんなの正確な手拍子が必要だ」とKREVAが語ると「SummerSpot」をスピン。オーディエンスの拍手に合わせて、ほぼビートレスなトラックの上で3人が単語単位で細かく掛け合うという、テクニカルなラップを淡々と披露。ミスなくイントロのヴァースが終わり、フックのパートに移ると、会場から一層大きな拍手が湧き起こった。
曲が終わるとKREVAが「できた!」と叫び、「ってか、これができたらもうよくない?」とステージを去ろうとするところをLITTLEが止め、“まだ何も終わっちゃいないぜ!”と「イツナロウバ」「sayonara sayonara」へとなだれ込む。フェスの短いパフォーマンスタイムを惜しむように、各曲のフックではオーディエンスが大きな声でコール&レスポンスを返していた。
ラストは彼らの大名曲「アンバランス」。ゆったりしたビートと自然体な3人のリリックとフロウを浸るように、オーディエンスはゆっくりと身体を揺らしていた。フックでは大合唱が生まれて、会場は完全に1つになった。オールドスクールヒップホップのテイストを折り込み、それをとことんポップなカタチで楽しませてくれるKICK流のステージは、初見となったJOIN ALIVEのオーディエンスたちの心にもしっかりと刻まれたはずだ。
〈JOIN ALIVE 2018〉KICK THE CAN CREW セットリスト
01. 千%
02. 地球ブルース〜337〜
03. TORIIIIIICO!(3人ver)
04. マルシェ
05. SummerSpot
06. イツナロウバ
07. sayonara sayonara
08. アンバランス