POLYPLUS、ゲストDJに社長(SOIL&“PIMP”SESSIONS)が登場!結成10周年&アルバム『COSMIC』を携えたツアー東京ファイナルをレポート

ライブレポート | 2024.11.20 18:00

POLYPLUS LIVE TOUR 2024 “R.T.B.” RISING & “COSMIC” RELEASE TOUR FINAL
2024年11月14日(木)LIQUIDROOM
ゲストDJ:社長(SOIL&“PIMP”SESSIONS)

11月14日、満員の恵比寿リキッドルームでPOLYPLUSを観た。彼らは今、「5年で日本武道館公演」という壮大な「R.T.B.(Road to Budokan)」プランを掲げて走っている真っ最中だ。今日はニューアルバム『COSMIC』のリリースと、「R.T.B.」2年目の中間報告を兼ねたパーティーだ。頼もしい助っ人・SOIL&“PIMP”SESSIONSの社長もDJとして来てくれる。さぁ楽しもう。

「僕の好きな曲を、彼らのためにプレーしたいと思います」(社長)

開場から開演まで45分間、社長のDJには愛しかなかった。カマシ・ワシントンからアート・ブレイキーまで、ソイルやPOLYPLUSの原点「クラブジャズ」の歴史を、トークも交えてレクチャーする選曲。ヒップホップからはエリック・B&ラキム、日本代表MONDO GROSSO、ライムスターをフィーチャーしたソイル楽曲「ジャズィ・カンヴァセイション」、そして2日前に亡くなった名ドラマー、ロイ・ヘインズに捧げる曲など、博識とエモーションがハンパない。最高のオープニングアクト。

さぁPOLYPLUSの登場だ。アルバムと同じ「cosmic introduction」から「survive」へ、いきなり高速ダンスビートでぶっとばす。ステージ前に下ろした紗幕、輝く光の球体、その内側で演奏し続ける演出がかっこいい。フロアに置かれた光のオブジェ、天井から吊り下がる巨大なスティックライトがまぶしい。ライブハウスというよりクラブを意識したフロア作りが素晴らしい。「legal」のサビで、ステージ前から猛烈なスモークが噴き上がる。最初からド派手な展開だ。

「我々の音楽は、フロアとのセッションで完成するもの。のっけから最高のセッションしてくれてありがとう!」(TSUUJII)

オーディエンスとの相互関係を「セッション」と表現する、それがPOLYPLUSのライブ哲学。次のセクションは少しテンポを落として、グルーヴィーにメロディアスに。『COSMIC』からの「trip」や「purple view」は、ロックなビート感とダンスの四つ打ち、ファンクのグルーヴとジャズのメロディを溶け合わせた、まさにクラブジャズの最新進行形。YUKI(Ba.)のベースがありえないほどにデカくて太くて気持ちいい。

圧巻は「float」。七色の音色を駆使したMELTEN(Key.)のソロ、TSUUJII(Sax.)とGotti(Gt.)のスリリングなリフの掛け合い、壮大な銀河の映像がイマジネーションを刺激する。MELTENが思わず立ち上がって踊りだす。「ありがとうの気持ちを形にしたくて、新曲持ってきました!」とTSUUJIIが叫ぶ。POLYPLUSらしいキャッチーなメロディとロックな疾走感溢れるチューン。凄いスピードだ。

「ここからはみんなを沸かしにかかります。沸く準備は出来てるかい?」(TSUUJII)

後半戦のスタートは、サポートドラム・横田誓哉(BLACK BOTTOM BRASS BAND)のイキのいいビートに乗って、メンバー全員のソロをフィーチャーした「pulp」から。MELTENがモンキーダンスを踊りながらセンターへ飛び出して喝采を浴びてる。YUKIが青い髪を振り乱して、ブリブリバリバリと爆音ソロを弾く。アフロにダブルのスーツで決めたGottiの理性的なプレーと、TSUUJIIのエモーション丸出しの吹きっぷりとの対照がいい。ステージ上の誰を観ていても楽しみに事欠かない。それがPOLYPLUSのライブ。

ここからさらにテンションはノンストップの上昇一途。レゲエを組み込んだ「m’n’dass」、高速ファンク/ディスコで突っ走る「open the auto door」、そしてアヴィーチーの名曲「wake me up」の見事なカバー。「全員で思いっきり飛ぶぜ!」とTSUUJIIが煽る。現代インスト界のオールスターチーム、POLYPLUSが誇る踊れる爆音ジャズが火を噴く。火力がどんどん上がっていく。

ラストを締めるのは「limiter」。タイトルは制限するものという意味だが、音楽にリミッターはない。MELTENがショルキーを弾きながらTSUUJIIとバトルし、YUKIとGottiがフロントに躍り出る。リズムがどんどん早くなる。スモークが噴き上がる。タオルをぶんぶん振り回す。ジャズでこんなに盛り上がるバンドがかつていただろうか? フロアはもう大騒ぎだ。

「もうちょっとだけ、いい夜を続けましょう」(TSUUJII)

アンコール1曲目、上がりすぎた気温を少し下げるチルアウトチューン「galaxy」。主役はGottiのギターだ。歌うように語るように、人柄を表すような温かいトーンとフレーズが素晴らしい。TSUUJIIがスマホライトを灯してくれと呼びかける。フロアが美しい光の銀河になる。

「みんな、オラに元気を分けてくれてありがとう。バンドとして進化を感じる夜でした」(MELTEN)
「『R.T.B.』2年目の挑戦は今のところ成功しています。でもこの先も成功し続けるにはみなさんの協力が必要です。後悔はさせないので、応援してくれたら嬉しいなと思います」(YUKI)

メンバーのMCに自信と期待が満ち溢れてる。Gottiはしゃべらないが、笑顔を見ていれば気持ちはわかる。TSUUJIIが次のライブを発表する。12月13日、東京・下北沢 Flowers Loft、『CLUB POLYPLUS Vol.1』。バンドの原点、クラブカルチャーへの愛と共感を体現する、初の主催イベント。行かないわけにはいかない。そしてこの日のラストチューン、ドラマ「クロステイル~探偵教室~」とタッグを組んだPOLYPLUSの出世曲「close tail」。疾走感、メロディ、スリリングなソロ回し、掛け合い、フロアのダンス。その場の全員をハッピーの渦に巻き込んで離さない、これがPOLYPLUSのセッション。

さらに終演後のスクリーンで、来年のビッグライブも告知された。2025年10月17日、東京・渋谷Spotify O-EAST。今から予定に入れておこう。「R.T.B.」は目標というよりは理念で、結果よりも掲げることに意味があるとメンバーは繰り返し語っている。POLYPLUSは共に大きな夢を見るクルーを待っている。乗り込もう。楽しもう。

SET LIST

OPEN
DJ PLAY:社長 (SOIL & "PIMP" SESSIONS)

01.survive
02.ranki
03.legal
04.trip
05.purple view
06.float
07.we gotta luv
08.Hi-Tech Jazz
09.massive
10.pulp
11.m’n’dass
12.open the auto door
13.wake me up (ショートver)
14.limiter

ENCORE
En1.galaxy
En2.close tail

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