A MONKEY MAJIK Christmas 2019 ~Special Acoustic Live~
2019年12月21日(土) 竹芝ニューピアホール
MONKEY MAJIKと共に過ごすクリスマスが、2年ぶりに帰ってきた。通算4回目となるクリスマス・ライブ「A MONKEY MAJIK Christmas 2019 ~Special Acoustic Live~」、今年は会場を竹芝ニューピアホールに移し、2日間で3公演。ピアノとストリングス・カルテットを加えた特別編成、クリスマス・ソング満載のセットリスト、そして入場者全員にメンバーが育てた宮城のブランド米「だて正夢」のプレゼント付き。嬉しい楽しいおいしい、心温まるライブの模様をレポートしよう。
ピアノと弦カルテットが優美なメロディを奏で、ドラムとパーカッションがスウィングするビートを刻むお洒落な幕開け。と思いきや、胸に電飾を仕込んだMaynard、Blaise、DICKの入場に一斉に笑いが起きる。つかみはOK。フロント3人はスツールに腰掛け、MaynardとBlaiseはアコースティック・ギターを、DICKはエレクトリック・ベースを弾く。ジャジィな「Winter Wonderland」から、軽快にテンポ・アップしたワム!のカバー「Last Christmas」へ、切ないクリスマス・ソングもあたたかいムードに変えてしまう、MaynardとBlaiseのハーモニーは絶妙だ。
Blaiseが拍手をうながし、会場全体がスウィングする「Around The World」、重厚なギターのストロークに哀愁のストリングスを添えた、ロック・バラード調の「HALO」。そして力強いマーチング風ビートに乗せた、スピード感と緊迫感あふれる「虹色の魚」。一つの楽器、一つの声が際立って届く、アコースティック・アレンジならではの親密さがいい。通常のライブではなかなか味わえない、これがMONKEY MAJIKのクリスマスの贈り物。
今日のMCの裏テーマは、なぜか「ダサいセーター」。カナダで買ったという、ド派手な色使いと大雑把なデザインのセーターをお揃いで着込み、ご機嫌な4人。しかし曲に戻ればしっかり男前にかっこよく、「Apology Accepted」「delayed」「アイシテル」「あかり」と、ドラマチックに切ないメロディを連ねてしっとり聴かせる。その旋律は時に切なく時に優しい、ピアノとストリングスは飾りではなく、クリスマス・ツリーの枝の一部になってしっかり歌を支えている。
ここからはMaynardとBlaiseの兄弟コーナーで、クリスマス・ソングを2曲続けて。1940年代のミュージカル・ソング「Have Yourself a Merry Little Christmas」ではMaynardがアダルト&ムーディーな、ジャズ・スタンダード「The Christmas Song」ではBlaiseが、往年のジャズ・シンガーばりのソフト&メロウな歌声を響かせる。裏話をすると、終演後にBlaiseから「ジャズ・クルーナーでも行けるよって書いといて(笑)」と言われたのだが、言われなくてもそう書きたくなる、堂々たる歌いぶりだ。そして1年前にリリースした「クリスマスキャロルの頃には -NORTH FLOW-」は、ぐっと切なくロマンチックに。MONKEY MAJIKの最大の魅力の一つ、美しいハーモニーが楽しめる見事なアレンジ。