ライブはそろそろ後半だ。「今年をReflect(振り返る)する曲を--」とBlaiseが紹介した、哀愁をたたえたミドル・チューン「all by myself」から、明るく弾むリズムが楽しい「Traveler」へ。DICKがスツールから立ち上がって、力強くグルーヴをキープする。四つ打ちのダンス・チューン「A.I. am Human」は、全員参加のクラップで盛り上がり、「ただ、ありがとう」の間奏では、「みなさんいつもありがとう。来年もよろしく!」とMaynardが感謝を伝える。まるでホーム・パーティーに招かれているような居心地の良さ、これがMONKEY MAJIKのアコースティック・ライブ。
しっかりとダンス・ビートを刻みながらも、ピアノとストリングスが華麗な音色を響かせるミドル・バラード「Headlight」に続いては、映画『トイ・ストーリー2』から「When she loved me」を愛情たっぷりにカバー。Blaiseが「ディズニー大好き!」と笑顔で叫ぶ。そして本編ラストを飾ったのは、「MONKEY MAJIK+小田和正」として2012年に世に出た名曲「A Christmas Song」だった。この喜びに感謝と、平和を願い祈りを--シンプルな言葉とメロディが心に染みる、クリスマスにふさわしい感動的なシーン。
からの、アンコールはとことん明るく楽しくにぎやかに。「ウマーベラス」の歌詞にはいくつかバリエーションがあるらしく、クリスマスにちなんで選ばれた今日だけのフレーズは「ケーキ、ターキー、ケンタッキー」。どれだけ食べてもゼロカロリーかは保証しないが、みんなで歌えばハッピーになることは保証しよう。さらにクリスマスの定番曲「サンタが街にやってくる」「赤鼻のトナカイ」「Let it snow Let it snow Let it snow」と3曲続けて。ジャズっぽくスウィングするアレンジに、伸びやかなストリングスの響きがよく似合う。
TAXがマイクを握り、「ダサいセーター」について熱く語る。どうやら1週間前の福岡でのライブで、「東京公演はダサい服着てきて」「だったらあなたも着てきて」というファンとのやりとりがあったらしい。有言実行のファンの中から「ベストダサイスト」を選ぶという、文字にするとさっぱり伝わらないが、現場では最高に面白い企画で大いに盛り上がる。ちなみにダサいセーター、来年はグッズで出すらしい。みなさんぜひお楽しみに。
楽しいことがありすぎたこの日のライブ、ラスト・チューンは、1979年のポール・マッカートニーのヒット曲「ワンダフル・クリスマス・タイム」だった。ウキウキするビート、スキップするピアノ、おしゃべりなストリングスが、楽しい宴を締めくくる。「みなさん、メリー・クリスマス!」と叫んだMaynardをはじめ、メンバーもサポートも、オーディエンスも、たぶん舞台裏のスタッフもみんな笑顔のグランド・フィナーレ。
そして2020年、MONKEY MAJIKは結成20周年を迎える。まず2月26日にニュー・アルバム『northview』をリリースし、7月11日には東京湾岸に誕生する新しいライブ・スペース、東京ガーデンシアター(有明)での記念公演「MONKEY MAJIK 20th Anniversary~花鳥風月~」も決まった。2020年もMONKEY MAJIKを追いかけられる喜びを感じながら、パーティーは続くよどこまでも。本当のお楽しみはこれからだ。