女王蜂主催対バン企画「蜜蜂ナイト4 ~:re~」
2019年2月7日(木)新木場Studio Coast
ゲスト:TK from 凛として時雨
女王蜂の対バン企画『蜜蜂ナイト』のシリーズ4は、大阪と東京で開催。大阪は2019年1月24日なんばHatchでペトロールズを迎えて開催、東京は2月7・8日新木場スタジオコーストにて、7日はTK from 凛として時雨、8日はUVERworldと共に行われた。以下、2月7日、TK from 凛として時雨との対バンの模様をレポートする。
本人の歌とギターはもちろんのこと、ドラムBOBO・ベース吉田一郎等の強力メンツによるすさまじい音を放つ、TK from 凛として時雨が先攻。
ギターとベースの絡みが絶妙な「Fantastic Magic」でスタート、曲ごとにアコースティック・ギターに持ち替えたり、そのアコギと競うようにバイオリンの調べが響いたりしながら曲が進んでいく、音の自在さを一瞬一瞬に刻みつけるようなステージング。きわめて肉体的な音でありながら「一緒に歌う」「踊る」「暴れる」などのストレートな反応では捕まえきれないその音に、フロアのTK目当てのオーディエンスも、女王蜂のファンも、共に「じいっとステージを凝視」みたいなはりつめた空気になる。
が、TK、「少々難しい音楽をやっていますが、女王蜂に呼ばれて来たので、あなたたちともお友達です」というやわらかなトーンのMCで、その緊張をほどき、その後も「普段誘われることがないので、ほんとにほんとにありがとうございます」「リハを見て、女王蜂って新しい生き物みたいだなと思って」と言葉を重ねる。中盤では「次は四つ打ちもある曲なので、もしジュリ扇持ってたら振ってもらってもいいんですよ」と、音源未発表の新曲を披露。その言葉に応え、フロアのあちこちでジュリ扇がひらひらと振られた。
後半は、アニメ『東京喰種 トーキョーグール』のオープニングになった「unravel」(のちに女王蜂もこのアニメに「HALF」を提供した、という共通項あり)、そして2018年11月にリリースしたニュー・シングル「katharsis」(「東京喰種トーキョーグール:re」、“最終章” OPテーマ)、さらに3月8日公開の映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の日本語吹替版主題歌になった新曲「P.S.RED I」(3月6日リリース)という、まさに怒濤の三連発でしめくくった。彼がステージから去ったあと、金縛りがとけた瞬間みたいな虚脱感に、しばしフロアが包まれた。
相手の曲のカバーをやるのが、『蜜蜂ナイト』での女王蜂のルールになっているのだが、まずルリちゃんやしちゃんひばりくんサポートのみーちゃんが順番に出て来て一礼し、配置についてインストを奏で、アヴちゃんが登場して歌い始めたところで、その曲がTKの「unravel」であることがわかった瞬間の歓声のでっかさ、ちょっとすごかった。
フロアに火をつけたアヴちゃん、ワンコーラスで「どうも、女王蜂です!」のおなじみのフレーズから「ヴィーナス」に突入、そのまま曲間なしで「一騎討ち」「DANCE DANCE DANCE」「金星」と、これでもかとばかりにダンス・チューンを並べてフロアを死ぬほど踊らせる。ちぎれんばかりに振られるジュリ扇。「金星」の「さみしいから今日は 帰さない」のところでは、歓声が悲鳴に変わる。
「金星」を1コーラスで終わらせたアヴちゃん、「『蜜蜂ナイト』を始めた時から、TKさんとやりたくて」と、今日の喜びを言葉にする。「お友達なんだよ? プリクラ撮りたいねんなあ、冷蔵庫のところに貼りたい」という希望も口にする。「お互いキレキレでやってますから、今日ここで一緒にやれたことに縁(えにし)を感じます」。
「催眠術」「デスコ」と新旧の代表曲を並べてフロアを湧かせ、TKと『東京喰種』つながりの「HALF」を、リリックのひとことひとこと聴き手に突き刺すように歌ってから、「あけましておめでとうございます、じゃない?」と思い出したように言うアヴちゃん。「今日、妹、誕生日やねん」との言葉で、オーディエンス全員による「ハッピーバースデー」の大合唱がルリちゃんに贈られた。
ラストは「Q」「告げ口」の、重くシリアスに真実を暴く代表曲の二連打。「告げ口」の最後には「催眠術」の歌い出し、「狂っている? わかっている」のリフレインが付け加えられた。アンコールはなかったが、客電が点いたあとも、オーディエンスのハンドクラップが長く続いた。
明日はここスタジオコーストで、UVERworldと対決。