「いつもの毎日に、胸高鳴る音楽を」というコンセプトで、ディスクガレージの現場スタッフたちがジャンルレスでニューカマーたちをブッキングしていく新イベント『MUNETAKA』。そのVol.1が、12月3日、渋谷duo MUSIC EXCHANGEで開催された。OOPARTZ、Wonder Child、THREE1989、髙橋颯、BuZZの5組が出演し、まさにジャンルレスな音楽性とパフォーマンスで、ここに集まった耳の早いオーディエンスを楽しませた。
OOPARTZ
RYUICHIとJUVENILEの2人組。RYUICHIはボーカルでJUVENILEはサウンド・プロデュース、手弾きシンセやトークボックス(という機材のような楽器のようなもので、口にくわえて操作する。一見の価値あり)を担当。EDM色の強いダンス・トラックに、常にどこかセンチメンタルな歌メロをのせる音楽性。RYUICHI、身体のキレが「ダンスもできるボーカリスト」ではなく「一流のダンサー」のそれだが、曲のアウトロでちょっと踊るくらいで全開にしないのが憎い。なお1曲目でJUVENILEもちょっとダンスを見せたが、それもRYUICHI同様のキレのよさだった。
SET LIST
1. ウォーリー
2. ハイパーシンセサイザー
3. 特急コスモスライナー
4. Good Night Baby
5. 1人のダンス
Wonder Child
「Everybody say,Who are you?」のコール&レスポンスでスタートした2MC&1DJ、Wonder Child。「誰やねんって感じだと思うんですが」などと言いつつ、1曲目からハンドクラップ、シンガロング、振り付けなどなどを矢継ぎ早に求め、2曲目ではオーディエンスを座らせてジャンプさせるなど、全員参加型のパフォーマンスでどんどんみんなを巻き込んでいく。結果、4曲目「曖昧 Me Mind」あたりでは、duoに響くハンドクラップの大きさ、えらいことになっていた。ピアノやアコースティック・ギターを多用したトラックも印象的。なお、12月15日(土)の渋谷STAR LOUNGEからSkip the Chipsに名前を変えるとのこと。
SET LIST
1. 不完全Vibes
2. Get Down
3. Days
4. 曖昧 Me Mind
5. Holiday
THREE1989
「THREE1989」と書いて「スリー」と読むそうです。ボーカル、DJ、キーボードのメンバー3人に、ドラマーと女性コーラスふたりが加わった6人編成でのライブ。プロフィールを見ると「エレクトロバンド」と書いてあるし、現にバック・トラックも使っているので全然間違いではないのだが、出している音は70~80年代のディスコやソウルやR&B、しかも歌ものとしてかなりレベル高いやつ。名古屋、福岡、東京と回って来て正直疲れていたが、オーディエンスのリアクションのよさでその疲れが吹っ飛んだ、と、うれしそうなShohey(Vo)だった。そのオーディエンスのリアクションは、ラストの「mint vacation」で、さらに大きくなった。
SET LIST
1. UMBRELLA
2. High Times
3. UNIVERSE
4. 涙のダンスフロア
5. Jungle Love
6. mint vacation
髙橋颯
初めてのミニ・アルバムをリリースしたばかりの弱冠20歳のシンガー。ステージ上はひとりだけ、バック・トラックと歌のみのライブ、しかも基本バラード。でも、そのまま最後まで走り切った。つまり、そこまでの力を、この透明な声の歌そのものが持っていた、ということだろう。MCで対人恐怖症であることをぶっちゃけすぎて大ウケ、あったかいオーディエンスのリアクションに感激して、「イヤなことがあったら今日のことを思い出します」と言ったりする、愛されるだろうなあと思わせるキャラクターでもある。ラストの5曲目は1曲目にやった「大切な君へ」のリミックス・バージョンでは、フロアから大きなハンドクラップが響いた。
SET LIST
1. 大切な君へ
2. Never End Love Story
3. 君に恋してたい
4. ムーンライト
5. 大切な君へ remix
BuZZ
ボーカル4人(うちふたりは兄弟)、ベース、ドラム、キーボードの7人編成でのステージ、バック・トラックも使用。上から下までハモりまくり、息ぴったりに踊りまくり、時にはしっとりとウェットに聴かせ、時には4人でラップも繰り出し、MCでは客いじりで爆笑を巻き起こし──と、もうショーマンシップの塊のようなステージ。いかにも今風、というふうにも見えるグループだが、ドゥワップやゴスペル感、つまりルーツ・ミュージック感が色濃く出ているところもとても素敵、というか大きな武器。トリだったことも含め、今日いちばんフロアから歓声と笑い声が飛んだステージになり、オーディエンスに求められて予定外のアンコールも。1曲目の「ワガママなメロディ」をもう一度プレイした。
SET LIST
1. ワガママなメロディ
2. Bee Quiet
3. Hangover
4. REASON
5. Amazing merry christmas
6. CHOO SEXY
EN. ワガママなメロディ
と、本当にジャンルレスに、新しい才能が集まるイベントになった第1回の『MUNETAKA』。次回『Vol.2』は明日12月12日(水)、渋谷TSUTAYA O-nestにて開催となる。ピアノ・トリオ・バンドOmoinotake、アシッド・ジャズやAORのテイストを持ったMellow Youth、懐かしい歌謡曲の空気を持つポップス・グループevening cinema、以上の3アクトが出演するので、ぜひチェックを!