ヘヴィなサウンドを軸にしながらも、ジャンルにとらわれることなく幅広い音楽性を個性とし、今やロックシーンを牽引するバンドの一つとして活躍するMUCCと、【メンヘラ】を文化とした新たなジャンルのロックを築いたミオヤマザキと、オールドロックをオマージュしたいなたいロックンロールやグラムロックを基盤とする異形のロックをぶちかますニューカマー首振りDollsの共演は、見逃すには惜しい必見イベント!!
異種格闘技戦でありながら、何処か親和性を感じるこの瞬間に、是非、足を運んでみませんか?
――それぞれの出逢いから聞いてもいい?
taka:ミオヤマザキと首振りDollsの出逢いは、R指定主催のイベントライヴでしたね。『メンヘラの集い』。
ナオ:そうだったね。その節はお世話になりました! 本番はもちろん、打ち上げも記憶がないほど呑んじゃったくらい楽しかった。MUCCと首振りDollsは、逹瑯さんと私がフリーペーパーの企画で対談させて頂いたことがキッカケで、今年の1月5日に福岡でやったライヴに、逹瑯さんが首振りDollsの名前を上げて下さってご一緒させて頂いて。もうそれはどんなに嬉しかったことか! 本当に感謝しかないです! そこでもミオヤマザキともまた一緒にやらせて頂いて。
逹瑯:そうだったね。
ジョニー・ダイアモンド(以下▼ジョニー):ショーンが入って新体制初のライヴだった日。
ショーン・ホラーショー(以下▼ショーン):初めてのステージだったんです、あの日。
逹瑯:あ、そうだね! うんうん、言ってた言ってた!
ショーン:お世話になりました、その節は。
mio:いえいえ、こちらこそお世話になりました(笑)。
逹瑯:しかし、ショーンは後から加入とはいえ、よくもまぁこんなに似たような空気感の子みっけたね。元々知ってたの?
ナオ:元々知り合いだったんですよ。対バンしてたりもしてた感じの関係性で。でも、そこまで密に連絡取ってたわけじゃなかったんですけど、前のベースのジョンから辞めるって言われて、ショーンしか思い浮かばなかったからすぐに電話したんですよ。そしたら、受けてくれて。“あぁ、もうダメかも”って思った5分後には決まってました。ベースが居なくなった時間、わずか5分! って感じでした。
逹瑯:すごいね、運命的だったのかもね。てか、ジョンが辞めてショーンが入ったんだ(笑)。
ショーン:(小声で)ジョン・レノンからショーン・レノンに変わったんです!
――ショーンが小声でツッコミ入れてるからちゃんと拾ってあげてね。
逹瑯:拾わないよ(笑)。
一同:(爆笑)
逹瑯:元々ショーンなの?
ショーン:いえ、前のバンドのときは、翔太郎でした。
逹瑯:あははは。だったら、ショーン・タロウにしたら良かったのに!
ショーン:(小声で)嫌…………………です…………ね………。
逹瑯:あははは。すっごい嫌なんだね(笑)。まぁ、MUCCとしては、ミオヤマザキも首振りDollsも、対バンするのはそんときが初めてだったからね。ミオヤマザキはどうやって出逢ったの?
taka:ウチはお互いアーティスト活動やってて、先輩後輩の関係で、立川のちっちゃいライヴハウスでよく対バンしてたんです。でも、お互い同じタイミングでポシャっちゃって。で、一緒にやろうかって話になったんです。
逹瑯:じゃあバックバンドは変わってないの?
taka:はい。変わってないです。
逹瑯:ほぉ。そこにmioちゃんが加わって、バンド名がmioちゃんの名前になっちゃったってこと!?
taka:そうなんです。
逹瑯:それほど強烈な引きを感じるパワーがあったってことなんだね。
taka:そうですね。一緒にやることになって、今の社長に出逢って、最初の方に作ってた曲を全否定されたんです。プライドズタズタに折られて。で、mioに好きなように歌詞を描いてもらったら、そこにmioの本質が見えた気がしたんです。mioが根っこの部分に持ってるメンヘラが見えたというか。そのとき、あ、これだ! って思ったんです。そこから今のミオヤマザキが始まった感じでしたね。それまではピコピコの音楽やってたんで。
mio:私はtaka達と出逢う前、ピコピコの音楽やってたんです。みんなでハッピー! みたいな歌詞書いて歌ってて。髪も長かったし、フリフリのスカートとか履いてたし。
taka:踊ってたもんね。
逹瑯:そうなんだ! 出逢いが良かったんだね。出逢いと出逢いのタイミングって絶対にあると思うからね。人と人の出逢いって本当にすごい力があると思うからね。
――そうだね。出逢いって偶然ではなく必然なのかもね。
逹瑯:てかさ、ミオヤマザキは分かるけど、首振りはメンヘラ枠なの!?
ナオ:首振りはメンヘラ枠というわけではないんですけどね。
逹瑯:だよな。サウンド的には男っぽいもんな。ガレージ系のロックンロールバンドだから。あんまメンヘラな印象ないなぁ。
ナオ:メンヘラ枠だとするなら一部の歌詞かなと。女の情念みたいなのを歌っている曲も多かったりするので。そういう曲をメンヘラさん達は喜んでくれてるみたいですけど。
逹瑯:ナオがオネエ言葉だしな。まぁ、たしかにメンヘラが共感するのは歌詞なんだろうからな。そもそも、男と女って脳みそが違う生き物だからさ。女子脳って共感で成り立つらしくて。“うんうん、分かる分かる!”っていう世界で。
mio:そうそう(激しく同意)!
逹瑯:男は解決をしようとするのよ。何か問題が起きたら、どう解決していこうかって、なんとか答えを出そうとするんだけど、女は何か問題が起きたら、答えを求めるよりは、“分かる分かる!”っていう共感が欲しい生き物なんだって。だから、自分が共感できる歌詞に惹かれるわけよ。
ナオ:そうそう。“分かる分かる社会”ですからね!
逹瑯:男のファンが多いバンドって、“こう生きろ!”って歌ってるでしょ。またね、共感の形が違うんだと思うよ。女脳は、“今、こう思ってる”への共感だから。
ナオ:なるほどなるほど。たしかに、納得かも! 確実に首振りDollsのメンヘラ枠のお客さんは、きっと情念に共感してくれてるんだろうなぁ。“こう生きろ!”っていう歌詞ないけど、首振りは男ファンも多いんですけど、首振りの男ファンのみんなは、純粋にサウンドで聴いてくれてるってことなのかな?
逹瑯:まぁそれもあるんだろうね。
――MUCCはどうなの?
逹瑯:俺はあんまりそこは考えて書いてないし、ウチは歌詞を書く人が何人も居るし、上がってきた曲にもよるけどね。男ファンも増えてきたね。MUCCの男ファンも歌詞より曲の感じとかライヴの雰囲気が好きなんじゃないかなって思うけどね。
――なるほどね。ミオヤマザキは?
mio:最近男ファン増えてきましたね。
taka:昔は8:2くらいでしたからね。
mio:やっぱり女の子ファンは歌詞が好きで、男ファンは曲が好きです。
逹瑯:男ファンはtakaのことも好きなんだよな(笑)!
taka:あははは。嬉しいことです!
――ジョニーも男ファン多いよね。
ジョニー:おじさんが多い。
一同:(爆笑)
ナオ:そうね、おじさん多いよね〜。
逹瑯:いいことじゃん! おじさんファンって一回好きになったら絶対に離れないからね。
ナオ:たしかに! ジョニーのおじさんファン、長い人多いもん! 首振りDollsの音は古い感じだからね。ジョニーのギターもそういう感じだから、おじさんを虜にしてるんだと思う。
逹瑯:その世代にしたら懐かしいんだろうね。でも、それが今の若い人達には新しいんだと思うよ。音楽もファッションも12年周期だっていうからね。
――12年以上やってるバンドとしては、その周期をリアルに肌で感じたりするものだったりする?
逹瑯:感じる感じる。あれ? こういうサウンドってちょっと前に流行ったんじゃん。って感じるんだよね。でもさ、この歳になると、ちょっと前、が結構前だったりすんのよ。そんな感覚。きっと、世の中のヒットメーカー達は、そんな周期も計算しながら作ってんだと思うよ。
――そうだろうね。この3バンドの中でお客さんの層が一番若いのはミオヤマザキだと思うけど、若い世代に響いている要因は何処にあると思う?
taka:ウチは、圧倒的にmioの歌詞だと思いますね。
mio:分かりやすい言葉とか、分かりやすいことを書いているからだと思う。
逹瑯:なるほどね。てか、ミオヤマザキは47都道府県ツアーやってたんでしょ。47都道府県無料ライヴだったの?
taka:そうです。来年の1月11日に横浜アリーナでライヴをするので、そこに向けてのプロモーションというか、ライヴを見てもらって、顔を見て、直接チケットを買ってもらうという企画の一環でもあったので、40分間ライヴをして、そのあと2、3時間かけてコミュニュケーションを取ってチケットを買ってもらったんです。
逹瑯:なるほどね。すごいね、どれくらいで47箇所回ったの?
mio:実質4ヶ月です。6月から10月までツアーがあって、8月は47都道府県ツアーをほとんど回らず都内近郊のイベント中心だったので。
ナオ:4ヶ月で47都道府県!?
逹瑯:シンドイねそのスケジュール!
――MUCCは47都道府県ツアーやったことないよね。
逹瑯:47はやったことないけど、今やってる収監ツアーが47都道府県ツアーっぽい感じではあるよね。絶対に47都道府県ツアーだけは疲労するからやりたくないと思ってたけど、でも、今のやり方だったらありかなと思った。時間をかけて回る感じね。4ヶ月は辛いわぁ。
mio:辛いときも正直ありましたね。
逹瑯:だろうねぇ。でも、よく頑張ったね。そこを経ての横浜アリーナだったら達成感あるね。
mio:のはずだったんですけど……………。
taka:台風が来ちゃって最終日の沖縄が延期になっちゃって、横浜アリーナの後になっちゃったんです。
逹瑯:え? そうなの? でも、無料ワンマンで回ったんだから、行かなくてもいいんでしょ? そもそもチケットを手渡しで買ってもらうのが目的だったんでしょ? ライヴ終わっちゃうわけだし。
mio:そうなんですけど、やっぱり気持ち的に。楽しみにしてくれていた人たちもいたと思うから。
逹瑯:まぁね。それに沖縄だったら行きたいもんね(笑)。なんか横浜アリーナの打ち上げ的なとこになりそうだね。
taka:そうですね(笑)。
逹瑯:てかさ、みんな何日連続して歌える?
mio:今回一番続いたのは5日連チャンでしたね。
ナオ:5日かぁ〜。シンドイ!
逹瑯:5日はシンドイなぁ。大丈夫だったの?
mio:死にました(笑)。4日目はキツかったです。
逹瑯:5日目は平気だった?
mio:もう最終日は出し切ったって感じだったので、4日目よりは出しちゃったって感じですね。
ナオ:次の日のこと考えなくてもいいもんね。
mio:8曲だったからなんとかもったかなって感じです。昔だったら無理だった。
――ちょっと強くなったの?
mio:そうですね。ちょっと。
逹瑯:俺は2日が限界かな。2連ちゃんまでにしてもらえないと、クオリティが保てないのがストレスになってくるからね。連チャンにするなら、曲目を考えて選んで欲しいかな。高いとこからシャウトから、ファルセットを使う曲から、ごちゃ混ぜのセットリストじゃ歌えないからね。
ナオ:そうですね。クオリティを保つってことを考えたら、やっぱり連続は厳しかったりしますね。でも、首振りDollsの場合は、声が掠れていたとしても、そこもカッコイイと思える音楽性でもあるのかなとも思うので。体力的にはシンドイですけどね、もちろん。
逹瑯:ナオはボーカルだけじゃなくてドラム叩きながらだから余計にね。
ジョニー:昔、2週間連続でライヴしたことあったよね?
ナオ:やったやった。昔ね。そのときもなんとかやりきった感じだったけど、お客さん的には全部のライヴを楽しんでくれてたから、良かったのかなって。
ジョニー:最終日が一番良かったとか言われたし。
逹瑯:そうそう、だいたい最終日が一番いいって言われるんだよな。本当に、次の日のこと考えずに出し切るから良いんだろうね。でも、車移動して車中泊とかなんかした日には連チャンのライヴはキツイよな。
ナオ:車中泊とかしてツアーしたことありますけど、本当にキツイですからね。まぁ、でもちゃんとホテルで泊まるようになったのは最近のことでもあるし。それまでは漫喫とかで行き当たりばったりで。今も、ホテルとはいえ、一泊2千円のホテルとかですけど(笑)。
mio:一泊2千円!?
ナオ:そう。畳2畳くらいの部屋(笑)。
taka:そういえば昔あったじゃん! 牢獄のような部屋でシングルがいいか、ツインで男子と一緒でもいいかって、言われてたやつ。
mio:あ、あったあった!
逹瑯:あ〜、男女混合だとそういう問題もあんのかぁ。シンドイね。
mio:そうなんですよね。
逹瑯:つか、畳2畳の部屋を見たことがないから想像つかないんだけど(笑)!
ナオ:すごいですよ(笑)。でも、結構快適ですけどね(笑)。海外からの長期滞在者も泊まってる様なホテルでもあるから、めちゃくちゃ外国人の友達出来るんですよ! 日本語全く話せない外国人ばっかりなんですけど、全然日本語で通じるんですよ!
――まぁ、通じてるって思ってるのはナオだけかもしれないけどね(笑)。でも、本当に案外ちゃんとコミュニケーション取れてる(笑)。でも、そういう時期を経験してるバンドは根性あると思うよ。本当に。
逹瑯:そうだね。目標を持ってるときこそが人生一番楽しいときだと思うからね。
――ミオヤマザキは自身最大規模の横浜アリーナを控えているわけで。
taka:そうですね。目標でもあり、一つに通過点でもあり。そこに全てをかけようと思っているんですけど、そこはゴールではないから、そこが終わりではないんだっていう感覚はメンバー全員が持ってますね。志は高く。常に。
――不安とか気負いはない?
taka:めちゃくちゃあります。
逹瑯:なくはないよな。でも、不安はあってもいいけど、気負いはないほうがいいよ。
――不安は持ってていいの?
逹瑯:そう。不安ってぬぐい去れないものでもあるでしょ。だから仕方ない。でも、そこに向かう段階で、練習を重ねたりしながら徐々に不安要素を減らして行ったらいいと思うんだけど、気負いはない方がいい。気負いがあるとカラマワリしちゃうから。そのときの最高を見せなくちゃだからさ、挑戦するからには。気負いって、自分が出来る100を120でやろうとするから生まれるものだと思うのね。自分に出来る100を大きく見せる様に努力すればいいんだと思う。気負わない程度に。練習で出来ないことは本番では出来ないから。パフォーマンスとかのミラクルは本番で起こることはあっても、出来ないことは本番で突然出来はしないから。無理せず、100に近づける努力をすればいい。背伸びしないで。
一同:おぉ(聞き入る)。
――逹瑯が今までで一番不安であり、気負ったライヴは?
逹瑯:やっぱ最初の武道館じゃない? あれは完全に背伸びしたからね。
ナオ:最初の武道館って、結成から何年目ですか?
逹瑯:結成から9年目。
ナオ:9年目かぁ。
逹瑯:武道館に立つんだから、武道館に立ってるアーティストと同じ佇まいをしなくちゃって、自分たちの底力が無いのに思いっきり背伸びしたから。気負いしかなかった。
――バンドとしても背伸びしてた?
逹瑯:うん。してたと思うよ。ソールドしてないからね。
――それでもすべき挑戦だったと思う?
逹瑯:どうなんだろうね。今になってもそれは分からない。でも、やりたかったんだよね、そのとき、武道館を。どうしても。自分たちがやりたいってだけでは出来ないからね。自分たちももちろん、自分たちを取り巻く環境がやらせたいって思ってこと実現するものでもあると思うから。でも、いい経験だったと思うよ。挑戦無くして成長はないからね。
taka:まさに、今、ミオヤマザキはそこに立っているんだと思います。
ナオ:すごく勉強になります! いつか首振りDollsも武道館に立ちたいので、挑戦を繰り返して、自分達を高めていけたらと思います。
――いろんな景色を見てきた先輩の話をこうして直接聞けることや、今回の10月29日の新木場スタジオコーストでの『MUNETAKA Special Halloween Night』で、同じステージに立たせてもらってライヴが出来ることも、本当に何よりも大きな経験になるからね。
taka:本当にそうですよね。MUCCと一緒にライヴ出来るの本当に嬉しいです。首振りDollsも本当にカッコイイバンドだと思うし、一緒にこの日しか出来ないライヴを作っていけたらなと思ってます。精一杯頑張ります!
ナオ:首振りDollsはこの3人でスタートを切って、新たなバンドとしてスタートしたっていう気持ちなので、本当に今回は胸を貸してもらえるまたとない機会でもあるので、今の首振りDollsが持ってる全部を出し切れる様に頑張りたいと思ってます! 一緒に立たせてもらう新木場スタジオコーストが、バンド史上一番大きな箱になるので、箱に似合うバンドになれる様に頑張ります!
逹瑯:楽しいライヴになるといいね。
ナオ:セッションも楽しみにしてます! きっとハロウィンらしいお祭り騒ぎになると思うのでお客さんにも楽しみにしていてほしいです!