お、ホントですか? 僕らも今回のツアーはすごく手応えがあって。演奏のクオリティ、バンドのグルーヴやタイム感もよかったし、しっかり熱量を持ってお客さんに伝えられたという実感があって。この10年でいちばんいい状態だと思いますね。まず『Mirror Ocean』というアルバムに自信があったんですよね。お客さんが求めている楽曲ってあると思うんですよ。たとえば「Out of Control」「Spirit Inspiration」とか。そういうものとは違う形で「これがNCISだ」と言えるものを提示できたんじゃないかなと。
もともと「でっかいステージが似合いそうだよね」と言われてたんですよ。僕らは小さいライブハウスでやるのが好きなんだけど(笑)、4人の出す音のスケールが自然とデカくなってきて。それがそのままステージでも出たんですよね、今回のツアーは。メンバー同士の空気も良かったです。今回のツアーは知り合いのカメラマンを連れていったんだけどーーすごく熱いヤツで「自腹で行くんで、一緒に回っていいですか」と言ってくれて——それは「このツアーはしっかり記録に残したいね」という気持ちがあったからんです。実際、すごくいいテンションで回れたし、良かったと思いますね。状態の良さはお客さんにも伝わったんじゃないかな? 「どの会場でも絶対に満足してくれたはずだ」という自信もあるので。この前、BRAHMANのツアーに呼んでもらって、揉まれてきたんですけど(笑)、そこでもいいライブができたと思っていて。いまはどんな状況でも自信を持ってステージに上がれると思います。
そうですね。いろんなところで言ってるんですけど、僕らは武道館を目標にしてきたバンドではなくて。ただ、なんといっても日本武道館だし、ひとつの到達点であることはまちがいないですからね。支えてくれたファン、スタッフの人たちに感謝を伝えたいし、喜んでもらいたいなって。まだぜんぜん内容は決まってないんですけどね(笑)。
どうだろうな…。まず“席アリ”にしたんですよ。Nothing'sはライブハウス育ちで、お客さんがモミクチャになるようなライブを続けてきて。だから「武道館もスタンディングでしょ?」と言われるんだけど、僕らは野音(日比谷)もやっていて、そのときの感触もすごく良かったんです。武道館も席アリにして、そのなかでいつも通りのライブをやるっていうのがテーマかもしれないですね。距離的に遠くても近くに感じられるライブをやりたいし、それくらいの熱量、パッションを届けたいので。武道館って、バンドのキャラクターが色濃く反映される会場だと思うんですよね。
しかもいいライブが多いんですよね、武道館は。BRAHMANもすごかったし、この前のSUPER BEAVERも素晴らしくて。武道館に立たせてもらえるということは、あの場所に向き合うだけのポテンシャルを持っているということだと思うんですよね。それを信じて、自分たちらしいライブを構築していきたいです。具体的なことはこれからですけど、まあ、花道は作らないでしょうね(笑)。どう使ったらいいかわからないので…。あ、でも、花道の先にオニイ(大喜多)のドラムセットがあったらおもしろいかな(笑)。
あっという間だったというのが正直なところかな。毎年アルバムを出して、ツアーをやって、また制作に入って。それをずっと続けてきましたからね。10年でアルバムを9枚出してるんだけど、普通のバンドが20年くらいかけてやることを凝縮してやってきた感じがあるんですよね。駆け足で階段を上って、ときには身をすり減らしながら制作とライブに向き合って。バンドとして真っ当な成長を遂げられたなという実感もありますね。根本は変わってないんだけど、音にしてもライブのスタイルにしても、10年の間でいろんな変化があったので。