──歌詞も素晴らしいですが、主人公はサラリーマンですよね。ユカイさん、どんなことを考えながら、歌詞を付けたんですか?
曲を聴いたときに、ある意味では十八番みたいな感じ、ストーンズとか、ジョン・クーガーとか、そんな雰囲気なので、そっちの方向が浮かんじゃうんだけど、JOEは世代が違うからレッチリのバラードの曲を連想したみたいで。歌詞を付けるのは苦労しました。なぜかっていうとメロディーが全部違うメロディーになっているから(笑)。どれがメロディなんだろうってくらい、メロディがかっこ良かったのよ。洋楽みたいな感じで。
仮歌すごい適当に歌っちゃったんですよ(笑)。ちゃんとしたメロディが決まってなかったから、フェイク混じりで適当な感じで歌ったものをユカイくんに渡したので。もっとゆるく考えてくれればよかったんだけど、そこをちゃんと汲んでくれた。
──“叫ぶのさ Heart Of Stone”というフレーズが響きました。
あそこはJOEが一緒に歌ってくれることをイメージして歌ってたんだよね。あの高いキーはJOEしか出ないから(笑)。
大人になって、子どもができたりすると、そういうところにぶちあたるんじゃないかなって。これまでだったら、机をひっくり返しちゃえば終わったことでも、ひっくり返せない自分がいる、みたいなリアリティーかな。そういうもどこかしい気持ちを、どう叫ぶんだという歌詞を書きたかった。
──織田さんは何か1曲あげるとしたら?
1曲って難しいな。でも作っていて最も手応えや充実感があったのは「はずれクジ」の歌詞を書いたときかな。これって、すごくね?って(笑)。最初は全然イメージがわかなくて、煮詰まっていたんだけど、ユカイくんのひと言で見えてきた。
若い人が歌ったら、青春ロックになりそうな曲なんだよね。それで、織田さんが「歌詞どうしよう?」って悩んでいた。このまま織田さんが失踪しちゃったら、アルバムの発売がまた延びちゃうなって(笑)。織田さんって、女性ボーカルのプロデュースをたくさんやって、女性の歌をいっぱい作っているわけですよ。で、俺自身もある時、吉田拓郎さんの「外は白い雪の夜」をカバーして歌ったことがあって、男と女のかけあいになっているんだけど、女の歌を歌っている時の自分にものすごくリアリティーを感じた瞬間があって。どっちかっていうと、ハスキー系の声なんだけど、女目線の歌を歌ってみたいなって。
そんな話がユカイくんから出てきて、「ホントに書いちゃって、いいんだね?」って確認したの(笑)。
その次の日にニコニコ顔で歌詞を渡されて見た時、びっくりした。最後の“石垣あたりで”ってフレーズを見た時はぶっとんじゃった。ここまでリアリティのある歌詞って、そんなにないから。
俺も“石垣あたり”は大笑いしながら書いてたよ(笑)。
これって、誰がモデルなんだろう? どこでリサーチしてるんだろう?って思ったもんね。
思いの外、「あれは私がモデルでしょ」っていう人が多いんだよね(笑)。
──ラストの「DIRTY OLDMAN BLUES」での終わり方もかっこいいです。トーキング・ブルース的な呪術的な要素もありつつ、このメンバーで演奏しているおもしろさもありつつ。
エロ本ですよね、これ。エロ本に近いものを感じる(笑)。
ホント? これは最初、オープン・チューニングでフニャフニャ歌っていたんだよね。今回はいろんなタイプの曲ができてくるな、だったら、ブルースもあってもいいんじゃないかなって思って作って、織田さんに投げたら、おもちゃになって、こういう形になって返ってきた。歌詞は意味がないようで、よく見ると、実はあるんですよ。あるようで、ないようで、あるというか(笑)。
──そのあたりの虚実入り混じった奥行きもこのバンドのおもしろいところですね。
そうですよね、いぶし銀な感じがしますよね。この曲のコーラス、試したんですけど、自分の経験が足りなすぎて、声が若すぎるってことで却下された。声が汚れてなさすぎるって。
まだまだヤングマンだったんだ。これはライブでやるのは大変だと思うよ、けっこう。
このままにはならないよね。テンポを変えたり、いろいろ工夫すれば、もっとおもしろくなるんじゃない?
──アルバムタイトルを『SUE』としたのはどうしてですか? 現存するティラノサウルスの最大の化石の名前が発見者にちなんで、“SUE”とのことですが、そこから?
そうですね。ASAKIが恐竜関係で、検索していて、“SUE”って出てきた。ティラノサウルスなのに、“SUE”ってかわいくていいなと思って付けました。
──10月27日から始まったツアーはどんなものに?
最初は1枚目2枚目のバランスを考えながらなのかもしれないですけど、なるべく多く、新しい曲をやりたいですね。やっていく中で曲がどんどん成長していくだろうし。
ライブとレコーディングって、全然別物だからね。ライブをやることで、これって、こういう曲なんだってわかることもきっとあると思うので、楽しみだな。2ndアルバムの楽曲って、ライブをやるごとに変わっていきそうなのが多いので、いっぱいライブをやりたい。1stの時とはまた違うおもしろいことができそうな予感がしてますね。
5人全員が集まる機会って、そんなに多くはなくて、リハーサルもライブも貴重な時間なんですが、その都度、珍事件が起こるんですよ。メガネをなくしたり、新幹線に乗ったら、切符をなくしたり、ひとり来なかったり、コーヒーの粉を靴の中にこぼしたり、職務質問される人がいたり。なので、そういうことも含めて楽しみながら、ライブも楽しみたいですね。
──ライブも波瀾万丈なものになりそうですね。
なりますね。マイク・スタンドのコードがからまって転んだりする人もいましたから(笑)。
1stの時のライブは曲が少なかったので、どうやってこの曲数でワンマンを乗り切るか、いろんなことを考えながら演奏するのが楽しかったんですけど、2ndはもっとエンターテインメント的におもしろいセットリストが考えられるので、楽しみですね。
苦手なソロを延々やらされたりしました(笑)。でも今度のツアーは曲数的には余裕ですからね。
──織田さんはツアーに向けては?
ライブって、単純な演奏だけじゃなくて、醸し出す空気みたいなのも重要で。このバンドは明らかにライブをやるたびに出している空気のスケール感が大きくなってきているので、これからもどんどん広がっていくと思うんですよ。まだまだ成長期の恐竜なんで、その過程も含めて、楽しみながら、やっていけたらと思っています。
──観に来る人に何か言葉をいただくと?
成長期の恐竜を目撃するのは、きっとかなり楽しいと思いますよ。あとはこんな馬鹿な大人もありなんだってとこで、気が楽になってくれるといいんじゃないでしょうか(笑)。
まぁ日々変わっていくからね。今見とかないと損するかもしれないよ。そのうちビッグになりすぎて、簡単には見られなくなるかもしれないから(笑)。
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