編集部:今ハマっているものは何ですか?
ここ5年くらいはエフェクター沼にハマっています。ホントにヤバいんですよ。歪みモノって、世界中にどんだけ種類があるのかわかんないほど、たくさんあって、しかもちょっとずつ違うわけですよ。一般の人が聞いたら、同じじゃねって思うくらい、微妙な違いなんですが、その違いに情熱をかけている人たちがたくさんいる。世界中にちっちゃい工房がたくさんあるんですよ。俺のまわりでも自分で作っているヤツもいますし。微妙な音の違いにこだわって、愛と気合いを込めて作られているエフェクターがたくさんある。なので、全部試したくなってしまうという(笑)。さすがに全部ってわけにいかないから、厳選して試してるんですが、それでもボコボコ増えていきます。
編集部:何個くらいお持ちなんですか?
数はよくわからないですね。スタジオの床に広げてあるの以外にも、大きなおもちゃ箱みたいなのがいくつかあって、その中にいろいろ入っているので。そもそもエフェクターの歪みモノって、大きく分けると、オーバードライブ、ディストーション、ファズという3種類なんですが、それぞれの中でもたくさん種類があって、違いがあって、それらを組み合わせていくと、音の種類は無限になっていく。しかも昔と違って、今はYou Tubeがあるから、動画を見たら、世界中のエフェクターがゾロゾロ出てくるんですよ。これはいい気がするぞ、ほしいぞってことになり、無理矢理輸入することになってしまう(笑)。
編集部:エフェクターにハマっているのは、音楽への情熱の一環ですよね。機械好き、みたいなところはありますか?
いや、それはないんですね。最近、フラクタルという便利なマルチ・エフェクターが出てきて、その機器に繋ぐと、一発で様々な歪みを作れるので、作業をする上で効率はいいんですが、フラクタルの窓を見ながら音を作っても生理的に楽しくない。俺が好きなのは、機械的なものじゃなくて、楽器的なものだってことですね。エフェクターって、つまみをいじって音を作るところが楽器的なんですよ。ここで指をこうひねると、こういう音がする、みたいなところがいい。レコーディングにしても、昔の方が楽しかったのは、卓のつまみをああだこうだ、いじるのが楽しかったから。操作が楽器的だった。でも今ではパソコンの中でやるようになって、つまらなくなってきた。俺の場合は機械じゃなくて、あくまでも楽器の延長じゃないと、ダメみたいですね。
編集部:実際のライブでは?
ボードひとつに収まるようにしようと思っています。結局、いっぱい使うというよりも、厳選するために、試しているということですね。最近はディレイやリバーブの沼にもハマりそうになっていて。沼から沼へキリがなくて、危険きわまりないんですが、楽しくてしょうがないんですよ(笑)。
編集部:エフェクターにこんなに個性があるなんて、知りませんでした!
織田さん、貴重なコレクションを見せてくださってありがとうございました。
織田さん、貴重なコレクションを見せてくださってありがとうございました。