この手法自体は、誰のものでもないと思ってるんです(花房)
──このコンセプトを思いついた時に、これは海外に届くだろうという確信はあった?
花房 そうですね。これは最初から言ってたんですけど、「enraだけで生活していけるぐらいまでオファーを取りたいね」って。そのためには、国内だけじゃなくて、海外も見据えて作品を作っていかないと……国内だけだと、テレビとかに取り上げられて知られるようになっても、すぐ飽きられてしまうけど、世界に目を向けたら、いくらでも国もあるし、仕事もあるだろうと思って。
──海外進出したいというよりも、ビジネスとして回していくにはそうするしかないと。
花房 そうですね。enraの前のユニットをやっている時に、「映像とのリンク、すごいね」って言われたりもしていたんですけど、その表現だけを見られてしまうと、あっという間に飽きられるだろうなと思ってたんです。だとしたら最初から海外を見据えて作っていかないと、すぐ食いっぱぐれるぞ、という危機感は最初からありましたね。
──最初にこの方法を思いついた時に、「これは発明だ」というのと同時に「パクられる!」っていうのはなかったですか?(笑)。
花房 ああ、けっこう、パクリ騒動みたいなのは…僕らは自分たちからは一切言ってないんですけど、まわりの方が騒いじゃったりして。ただ、露骨に映像や音楽を丸々パクる人もいたりして、そういうのは「さすがになあ…」とは思います。
でも、最初の頃から言っているのは、プロジェクターと人がいて、音楽があって、一緒に何かをやるっていう手法自体は、誰のものでもないと思っているんです。その手法だけを見てパクリだと言う人って多いんですけど、その手法自体は誰のものでもなくて、それで何をやっているかっていうことの方が大事かなと僕は思っていて。ギター持って歌を歌ったらそれは誰かのパクリか? というのと同じようなレベルの話だとは思っているんですよね。
なので、その手法をやるのは自由で、enraとしては、あとから出て来る人たちに追い抜かれないように、とにかくいい作品を次から次へと作って、クオリティを上げていくっていうところに力を注ぐべきだなって。
自分のパスポートが、あんなにスタンプで埋まるとは思わなかった(石出)
──にしても、特にパフォーマーの方々は、こういう方法で身体表現をビジネスにできるというのは斬新だったんじゃないですか?
石出 そうですね。僕、専門学校でダンスを教えてるんですけど、最初に学生が入って来た時に、自分の夢をプリントに書いてもらうんですね。それがやっぱり、インストラクターだったりとか、アーティストのバックで踊るとか、そういうのばかりなんです。
まあ18歳の頃の僕も同じようなことを考えていたと思うんですけど、今enraでの経験を経ていると、自分が前に出てやるという方法もあるんだな、と思うので。ストリート・シーンにも、こういう新しいことをやろうと思ってる人、いないと思うんですよ。だから、若い子たちのひとつの指針になれればな、って思いながらやってるところはありますね。
enraのメンバーのうち僕ともうひとりは、ストリート・ダンサー出身なんですが、ストリート・ダンサーがカンヌ国際映画祭の舞台に立つとか、アメリカをツアーするとか、メキシコでレッド・カーペットを歩くって考えもしなかったです。そういう想像を飛び越えた先のステージに立てているなあ、っていつも思うんですよ。バックダンサーとかじゃなく、自分たちが主役でワールド・ツアーができるなんて、発想自体がなかったですから。
花房 もう30ヵ国ぐらい行きましたしね。
石出 自分のパスポートが、あんなにスタンプで埋まるとは思わなかった(笑)。
──海外だと反応が違ったりします?
石出 違いますね。日本の方の楽しみ方と違って、声を出してくれたりとか、いいところで歓声を上げてくれるので。すぐ反応が返ってくるから、いいんですよね。
──日本でも観ながら歓声とかは──。
石出 もう、全然してほしいですし、笑えるところは笑ってほしいですし。
花房 たまたま昨日(7月12日)、大阪の四天王寺中学校・高校で、芸術鑑賞会っていうのに呼ばれて公演したんです。女子校なので、女子中学生・高校生の前でやって。すごい楽しかったよね、客電が消えた時点でウワーって声が上がって。
石出 そうそう。素直なんですよね、本当に。
花房 そういうのがあると、みんなステージ裏でニヤニヤしてるんですね、うれしくて。
石出 今までやっていて、絶対笑いがこなかったところですごい笑いが起きたんですよ。その笑いに持って行かれないようがんばりましたね(笑)。そういう反応があるとすごくうれしいですね。
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