enra “PARALLEL WORLD”
2017年1月19日(木) 赤坂BLITZ
出演:enra [ゲスト]→Pia-no-jaC←
TEXT:兵庫慎司
PHOTO:岸田哲平
音楽と映像と身体表現によるパフォーマンス・ユニット、enraが→Pia-no-jaC←をゲストに招いた公演、『enra “PARALLEL WORLD”赤坂BLITZ』2デイズの1日目=1月19日(木)が終了した。2014年9月に→Pia-no-jaC←の主催イベントにenraが呼ばれる、続いて2015年5月にenraがカンヌ国際映画祭のオープニング・アクトで出演した際に楽曲を→Pia-no-jaC←に依頼(ただし生演奏ではなく音源と共にパフォーマンス)、という形でコラボしてきたこの2組だが、enraの公演に→Pia-no-jaC←が参加するのは、今回が初めて。2016年は国内14本、北米10本のツアーを行ったenraの、2017年最初のステージでもある。
この日のために新しく作られたオープニング映像に続き、パフォーマー6名による“Firebird”でライブがスタート。2名、4名、1名、また4名──と、曲によってパフォーマーの数が変わりながら、また、キューブや炎や羽根のグラフィック、空や星や宇宙のグラフィック、実写の街の風景や世界各地の風景──と映像も切り替わりながら、音と映像と身体の動きが分かちがたく結びついた、世界のここにしかないenraのパフォーマンスが披露されていく。
オープニング合わせて9曲のパフォーマンスが終わり、10分の休憩をはさんで後半へ。3曲のパフォーマンスを終えたところでいったんステージに誰もいなくなり、ステージ両袖にピアノとカホンがセットされる。そして、なんとenraのメンバーに→Pia-no-jaC←のHIRO(カホン)とHAYATO(ピアノ)も加わって、映像とシンクロしたアクションを見せながら登場、客席を驚かせる。パフォーマー6人と共に、カンヌの際に曲提供した“FILMS”でコラボがスタート。身体表現と映像が、生演奏による音と完璧にシンクロしたステージを、観客は息を呑んで見つめる。
→Pia-no-jaC←ふたりだけによる“Nostalgia”をはさんで、HIROのカホンと声(彼の「ハアッ!」という叫びがパフォーマンスのポイントになっていく)と男性パフォーマー5人による“眞”(HIROのソロ楽曲)へ。基本enraは、まずパフォーマーが曲に合わせて身体表現を決め、それに合わせて主宰者である映像作家、花房伸行がそれに映像を作る、という手順で作られているが、この曲は花房が袖のVJセットにはりつき、生で映像を出していく。
そして、初めてこの両者がコラボレーションした→Pia-no-jaC←の曲、“METROPOLIS”を改めて披露し、ライブは終了した。
鳴り止まない拍手に応えての二度のカーテンコールのあと、花房が「enraは普段、言葉を一切使わないのがルールなんですけど」と前置きしてアフタートークを──という、めったに見られない光景も。enraと→Pia-no-jaC←の関わりやこのライブに至った経緯などを、花房とHIROとHAYATOが語った。「このライブで歩き方を教わりました!」「(映像と)合ってんのか?って心配で、自分では見れないから」「稽古で最初に歩いた時、マネージャーに『大阪のヤンキーの歩き方ですね』って言われました」と、先程の登場時のパフォーマンスをネタにし、会場が笑いに包まれた。
→Pia-no-jaC←は現在、1月から3月までかけて全国22ヵ所を回るツアーの最中。enraは2017年も海外公演に加え、国内ツアーも予定している。詳細は近日中に発表される予定。