今年のMONKEY MAJIKは、日本のマンガ/アニメのカルチャーとがっちり手を組んで、新境地を開拓中だ。まずは映画『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』のエンディング主題歌「Is this love?」を4月5日にリリースし、公開中の映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦』のために主題歌「ray of light」(3月22日より配信開始)を提供。『BLUE MOON presents MONKEY MAJIK JAPAN TOUR 2017 -LIVE HOUSE 原点回帰-』と銘打って、4月8日から初の47都道府県ツアーを行うことも決まった。原点に戻って新しい旅をスタートさせる4人の心境を、シリアスなメッセージとあたたかいユーモアにくるんで語る、最新の等身大インタビューをどうぞ。
インタビュー/宮本英夫
──一つ前のシングル「A.I. am Human」がオープニング曲で、ニューシングル「Is this love?」がエンディング曲。ダブルで映画『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』とのコラボ曲になってます。
TAX(Dr) オープニングとエンディングをやらせてもらえるという、今までそういう経験はなかったので、いろいろ勉強になりましたね。より作品のことを深く表現できるし、それを日常とどういうふうに重ねるかということも、歌の楽しみ方としては大事なので。いつも通りにシンプルな言葉を使いながら、誰が聴いても楽しんでもらえるところは変わらず意識して作りましたね。オープニングはBlaiseがリードして作って、エンディングはMaynardで、二人のキャラクターもよく出てるし。
── Blaiseはオープニング担当?
Blaise(Vo&Gt) そうだね。石ノ森(章太郎)さんの作品はよく知っていて、最初日本に来た時に大和町(宮城県)に住んでたんだけど、石巻(石ノ森章太郎の故郷)が隣の町で、仙石線の電車のラッピングが石ノ森さんのキャラクターだった。石巻の駅前とか、ペアーレっていうコミュニティセンターに行くと、いろんなキャラクターのStatue(像)があって、すごいカラフルな町でしたね。でもあんなに知ってたのに、アニメはちゃんと見たことがなくて。曲を作った時にスタジオで、エピソード1から最後まで昔のアニメを全部見て、すっごいかっこいいと思った。それですぐ、インスピレーションが来ましたね。ドクンドクンっていうハートビーツのオープニングから、“ここはどこ?私は誰?”みたいな、人間だけどサイボーグにされたパニック的なイメージが出てきて、あとはスムーズにできましたね。昔の「009」を見たから、ちょっとディスコみたいな、アース・ウィンド&ファイアー的な、ノスタルジックな感じになりましたね。楽しかったね、このオープニングは。
──そしてエンディング曲「Is this love?」をリードして作ったのがMaynard。
Maynard(Vo&Gt) エンディングということで、ちょっとテンポを下げて作ってみようかなと。でもまあバラードというよりリズミックなものがいいと思って、サンプリングで遊んでたら、面白い音ができたので。ビートができて、ずっとギターを弾いてたんですよね。ポリスの曲みたいなせつない雰囲気があればいいなと思いながら、スティングみたいなアルペジオ系のギターを弾いていて、コード進行が生まれた時にメロディが出てきたんですよね。シンプルなサビなんですけど、詞はけっこう最初からしっかりしたイメージがありました。英語の言葉もすごいはまってて、“何のために戦うのか?”“愛とは何なのか?”という葛藤があるんだけど、TAXがそこで日本語の歌詞を考えてくれて。
TAX 誰しもがそういう悩みを持っていると思うんですよね。そこで、誰かを見つけて誰かのために生きるとか、自分一人でも何かのために生きるとか、シチューションを変えれば、みんなに思い当たることだと思うので。石ノ森先生は地球全体のことを考えて、“人間とはどうあるべきか?”という大きな問題を持ってこの作品を描かれているので、僕らはそこまで描くことはできなくても、言葉をシンプルにすることによって、なるべくそういうテーマに近づけるように。原作のマンガからもらったインスピレーションに、日常を織り交ぜて歌詞を作った感じです。
──この曲は、本当に言葉が大切な曲だと思います。
Blaise 一番難しい仕事だからね、歌詞は。TAXがこの何年間、歌詞を作ってたことは、素晴らしいことだと思います。
DICK(Ba) 引退したの?
Blaise (笑)テーマを考えるとね、すごいいろんなことを考えなきゃいけないから。毎回曲を作ってからイメージして、どうやってきれいに言葉にするか。毎回ミステリーだね。
TAX でもこういうテーマをもらえるってことは、逆に幸せなことだと思うよね。特に「009」って、子供だけに向けたような作品ではないなと思ってて。
──そうなんですよね。全然子供向きじゃない。とてもシリアスなテーマを含んでいるから。
TAX 当時の子供たちは、どういう気持ちであの漫画を読んでたのか?と思いますよ。ここまで深く理解できないよなあと思いながら。すごいですよね、石ノ森先生や、手塚(治虫)先生や、あの時代の漫画は。メッセージ性が強いものが多いですよね。
──重みがありますよね。戦争を知っている世代で、戦後の冷戦や、文明の進化と葛藤や、そういうものを目の当たりにしているからかもしれないと思ったりします。
TAX 伝えたいことは、シンプルだと思うんですけどね。いかに当たり前のことを大事にしなきゃいけないか、ということを描かれてるんじゃないかと思います。
──DICKさん、この曲のクールでグルーヴィーなビートは、ベーシストとしてはどういうノリで弾いてます?
DICK タイトルにハテナマークがついてるんで。みんなにハテナマークを浮かんでもらうようなベースラインを意識して。
──はい?(笑)
DICK 聴いていると、いつの間にかハテナマークを頭で描いてるみたいな。
──全員 (爆笑)。
──ふははは。ヘドバンじゃなく、ハテナマークで頭を振る(笑)。それは新しい。
DICK でも、何て言うのかな。この曲、悲しいわけでもなく、楽しいわけでもない、哀愁ただようって言うんですかね、そのパターンはけっこう難しいなと思いました。ビート以上に、コード感というかスケール感というか、さじ加減ひとつですごく明るくなったり暗くなったりできる曲なんで。“これがちょうどいいところかな”と思いながら弾きましたけど。
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