DUSTCELLが2025年3月3日(月)に初の日本武道館公演「ONE」を開催する。ボーカリストのEMAはDUSTCELLの結成にあたり初めて現在の所属事務所に訪れた際に「DUSTCELLを必ず大きな舞台に連れて行く」と語り、コンポーザーのMisumiはDUSTCELLを結成してからというもの「日本武道館でライブがしたい」という強い思いを口にし続けていた。両者がこの日本武道館公演に懸ける思いは並々ならぬものである。
EMAが「武道館に立つにはどうしてもなくてはならない覚悟の曲」と語っていた2024年12月リリースの「NO PAIN」、Misumiが書き下ろしたRPG『崩壊:スターレイル』黄泉イメージソングである2025年1月リリースの「畢竟」に加え、あと2曲新曲を武道館公演前にリリースするという。夢の舞台に向けて魂を燃やすふたりは、どんな思いのもとDUSTCELLとして音楽を発信し続けているのだろうか。ロングインタビューで迫った。
EMAが「武道館に立つにはどうしてもなくてはならない覚悟の曲」と語っていた2024年12月リリースの「NO PAIN」、Misumiが書き下ろしたRPG『崩壊:スターレイル』黄泉イメージソングである2025年1月リリースの「畢竟」に加え、あと2曲新曲を武道館公演前にリリースするという。夢の舞台に向けて魂を燃やすふたりは、どんな思いのもとDUSTCELLとして音楽を発信し続けているのだろうか。ロングインタビューで迫った。
「弱い自分との決別」という意味でもこの悔しさを曲にする必要があった。
──DUSTCELLは日本武道館公演に向けて新曲を連続リリースしていて、その第1弾が2024年12月にリリースされた「NO PAIN」です。EMAさんが作った楽曲にMisumiさんがビートを乗せたそうですね。EMAさんの強い思いが伝わります。
EMAこの曲については、どう言葉にすればいいのか少し難しいんですけど。2023年から2024年にかけて、理不尽なことがすごく多かったんです。自分の周りに邪気みたいなものがつきまとっているような感覚がずっと続いていたので、それを曲に昇華することにしました。
──現状打破のため、ご自分を奮い立たせるために作った曲ということですね。
EMA一方的に殴られ続けている状況がとにかく悔しくて、本当にフラストレーションがたまっていたんでしょうね。ああいう強い言葉がたくさん自分から出てきたことに、自分でもすごく驚きました。だから聴いてくれた人に賛否両論があるのは想定内ではありながらも、やっぱり一部の方から狭い視野で受け取られてしまったことには普通に悲しく感じてしまった部分もあったんです。でも時間が経つにつれて「そもそもわたしは誰かに好かれるために音楽をやっているわけではないな」と気づいて。いつも自分を救うために音楽をやっていて、結果的にそれを聴いた誰かが気に入ってくれたり、生きやすくなったり、一緒に救われたらいいなという気持ちで書いているんですよね。
──自分のために作った自分に正直な音楽だからこそ、同じような気持ちを抱えている人にディープかつストレートに響く曲になること、たくさんありますよね。
EMAそのスタイルこそ自分が思う“アーティスト”なんです。「NO PAIN」は自分にとってなくてはならない曲だし、リリースしたことにも後悔していない。いろんな意見はあるかもしれないけれど、Misumiさんもマネージャーさんも曲に昇華することを受け入れてくれて、わたしはあの曲を書けてよかったと思っています。
Misumi僕もアーティストは感情を作品として昇華するのが最も正しいかたちだと思っています。僕自身も生きていくうえで苦しいことや悩み事もあって、それを曲にしたときに「あの苦しみがあったからこそこんなにもいい曲ができたんだ」と救われるんです。「NO PAIN」にはEMAの切実な思いが伝わってきたんですよね。
EMA今までにはない強い言葉を使っているかもしれないけど、今まで書いてきた歌詞が嘘かというとそうじゃない。わたしの知らないところで、わたしの全然知らないEMAという人物がずっとひとり歩きをしているという状況は前々から続いていて、そのフラストレーションがピークに達したときに溢れ出していた感情が「NO PAIN」という曲になった。わたしの感情のすべてではなく一部なんです。
──第三者が断片的に見える情報から勝手に妄想した、事実とは異なるストーリーがあたかも本当のこととして文字や記事と化し、それを事実だと受け取った人たちにより途轍もないスピードで流布された結果、EMAさんの知らないEMAさんが本物のEMAとして存在してしまう。よくあることとはいえ恐ろしいです。
EMA活動を続けていくうちに成長して、ほとんど気にしなくなったとはいえ、一生消えない傷跡みたいにはなっているんです。2025年3月3日(月)に日本武道館という大舞台が決まったこともあって、「弱い自分との決別」という意味でもこの悔しさを曲にする必要があった。この曲を出すこと自体、強い心がないとできなかったと思います。「何言われてもいいや」メンタルですね。
MisumiほんとEMAは強くなったよね。たぶん活動初期なら、こんなリリックの曲をリリースしようとすら思ってなかったと思う。こういう曲を書いたことだけでなく、「何を言われてもいい」「この曲を気に入ってる」と思えることも成長であり変化だし、感慨深いです。
EMAそれだけ譲れなかったんだと思います。すごい悔しい思いを何度も何度もしてきたので……。「この曲を書かせた世の中が悪い」くらいの気持ち。あとDUSTCELLのEMAとして5年活動を続けてきて、いろんな素敵な人たちと出会えたのも強くなれた理由のひとつだと思います。周りに恵まれているので本当に楽しく活動ができていて、だから今は長生きしたいなって思うんですよね。死にたくない。でも人生は必ず終わりが来る。今の生活を当たり前だと思わず、今しかできないことを妥協せずに全力でやりたいという気持ちもすごく強いです。