──では、せっかくなんで。他にもアルバムの新曲の話を話せる範囲で訊いてもいいですか?
アイキッドあとは釣りの歌を作ってます。この3~4ヶ月、ずっと横須賀にアジを釣りに行ってるんですけど、全然釣れないんですよ。そういった悲喜こもごもを曲にしようかな?と思って。坊主食らった時の敗北感とか、そういったものを歌詞にして。ジョーに歌わせようと思ってます。ジョーともこの間、アジを釣りに行ってね。
サイボーグジョーそう、25年ぶりにね、釣りをやりました。
──釣りをやらせちゃったり、寿司を食わせたり、ジョーさんが歌ってることを理解してしまうのも問題じゃないですか?
アイキッド確かに難しいところですね。ジョーは努力家というか、真面目なところがあって。言葉のアクセントもちゃんと日本語でやろうとするんで、「そこはデタラメ英語でやってよ!」って。“酢飯”も「スゥメシィー」って歌って欲しいんだけど、日本語が上手くなってきてるから、困っちゃうんです。人間にも旬があると思って、サイボーグジョーの旬って、カタコト時代だと思うので。あんまりスタディしないで欲しいんですよね(笑)。
サイボーグジョーでも、「特攻!成人式」は全然分からないよ?
アイキッドそう、「特攻!成人式」はヤンキー用語を連発してて。ジョーは意味もなにも全てが分からない状態で歌ってるんです。「“バリヤベェ!”って何? “鬼スゲェ!”ってなに?」って聞かれるんですけど、全部意味は一緒じゃないですか?(笑)。
──そうですね。そのニュアンスは説明出来ないですね。
サイボーグジョー聞くとセンセイは、「知らなくていいよ、覚えなくていいよ!」っていうんです(笑)。
──わはは、特殊なコンビだなぁ!(笑)。
アイキッドあともう一個。前作に続いて、あるミュージシャンへのリスペクトソングを作ろうと思っていて。
──ヴァン・ヘイレンへのリスペクトを込めた、「さよならロックスター」みたいな曲ってことですよね?
アイキッドそうです。まだ言えないんですけど、かなりの影響を受けた人物なので。みんなにも分かるような音をいっぱい仕込もうかな?と思っています。あと、いままでは“ツイン怒号システム”だったんですが、ついに“トリプル怒号システム”を導入して。そうせざるを得ない曲なので、私も少しだけ歌おうかと思っています。
──お~、楽しみ! ジョーさんは先生と一緒に歌えるのも楽しみなんじゃないですか?
サイボーグジョーYEAH!、楽しみです!
アイキッド本当?(笑)。でももともと、ジョーをボーカルとして使うつもりは無かったし。彼は「みんなで歌おうよ!」って、タイプなので、誰かと歌うことを望んでたかもしれないし。なし崩し的ではあるけど、デュオで出来るのは良かったかもしれないですね。
──Zepp Shinjuku 2DAYSでは、アルバム収録の新曲も聴くことが出来るんですか?
アイキッド「ミッションインポッシブル」はすでにツアーやフェスでやってるんですが、あと1曲くらい披露出来るといいですね。ウチの場合、お客さんが曲を全て理解していて、YouTubeも何回も見て、自分がシャウトするところを全部覚えてから来るので。未発表の新曲を披露するというのが、ちょっと難しいんですけど。例えば、「ミッションインポッシブル」は、「ダメ!」って合わせるところも急にやるんじゃなくて。予備動作含めて、ちゃんと誘導してあげて。ミラーリングっていうんですか? 見ながら真似られるようには、工夫してやっていたりします。
サイボーグジョー私、たまにそれをやってるセンセイを見ると、笑っちゃうんです(笑)。「ポンズのテーマ」をやってる時もノリノリでギターを弾いてて、そんなセンセイを見慣れてないから、笑っちゃうんですよね。
──笑っちゃダメですよ、頑張って盛り上げてるんだから(笑)。では、Zepp Shinjuku 2DAYSへの意気込みを聞かせて下さい!
アイキッド2DAYS っていうのがそもそも初なので、どうなるのかが楽しみなのと。このライブが2020年に予定されていた、『E.P』ツアーのリベンジなので。いつも通りやりながら、演出面ではちょっと新しいこともやろうかなと思ってます。
サイボーグジョー私はビッグホールで、お客さんがフルパワーで参加してくれるのがめっちゃ楽しみです!
アイキッド2日あるけど、私たちも初日からフルパワーでいって。2日間やり切るしかないよね。ガンズ・アンド・ローゼズなんて、60歳の人たちが3時間のライブやって、次の日も3時間やってたからね。それに比べたらまだまだだよ。
サイボーグジョーあと、本当に怖いのは国技館だよね。
──そうですよ。Zepp 2DAYSの後には、11月11日には、両国国技館でのライブ「地獄の国技館バトルロイヤル」も控えています。
サイボーグジョープロレスと歌のライブでしょう? 怖いなぁ。
アイキッドプロレスライブは本当に身を削って作るので、結構大変で。ライブの前に1ヶ月くらいかけて考えて、ライブの数日前にやっとプレイヤーに専念出来て、ギターの練習を始めるので。私、ザ・リーサルウェポンズのプロデューサーでなくて、主宰と言っていて。2016年くらいに考えていた、ザ・リーサルウェポンズの構想は、ジョーも含めた15人くらいの大所帯の後ろに私がいるというスタイルで。その構想を形にしたのが、国技館なので。かなり演劇チックというか、80年代風渋さ知らズみたいな感じになると思いますし、リアルに歴史に残ると思っています。
──ではもう、先生の頭の中にはどんなライブにしようか、具体的な考えがあるんですね。
アイキッドすでに色んなことを考えていて。80~90年代のプロレス文化の財産を余すところなく活かしていこうと思っています。
サイボーグジョー怖いなぁ。前回の新宿FACEでやった時、二人ともケガしてるからね(笑)。
アイキッド「普段、トレーニングしてない人間がリングに上がったらどうなるのか?」というのがはっきり分かったし、プロレスラーにさらなるリスペクトの気持ちが生まれたよね。
サイボーグジョーあの日、センセイのチョップも痛かった!
アイキッド二人とも元々プロレスラーになりたくて。プロレスごっこと言いながら、同級生に結構本格的な技をかけたりしてて。
──それも変わらないことをやり続けてるだけなんですね(笑)。
アイキッドそうですね。人生、あんまりブレずにやってきたと思いますよ。子供の頃の遊びが職業になっちゃってますからね。
──そういう部分も含めて、他のアーティストに出来ないこと、あとはやらないことを出来てると思いますよ(笑)。
アイキッドありがとうございます。Zeppもアルバムも国技館も楽しみにして下さい!