女王蜂アヴちゃんにインタビュー!「10年前から準備していた」ニューアルバム『十二次元』について、ライブ観について話を訊いた

インタビュー | 2023.02.07 18:00

普通に、ビヨンセたちとかとタイマン張れるようなものを、って思ってやっているだけ

──フェスやイベントからよく声がかかるようになったのって、いつ頃から?

もともとフェス、けっこう呼ばれとったんよ。

──最初の頃って断ってなかったですか?

ふふふ、「夜しか無理」みたいな。

──あ、やっぱり。

外で真っ昼間とかヤだ、照明効かんやん!、みたいな。

──で、考え方が変わった?

うん。今は、お昼間でもやれちゃう。なんなんでしょうね?

──そうなったのって、活動休止が明けてからですよね。

だと思う。休止前は、続ける気がなかったから、女王蜂自体を……フェスのお客さんを総取り、って気持ちになれたのは、いつからなんだろうな……ここ5、6年ぐらいかな。

──まさにその5~6年前にフェスで観たら、ものすごい異端だったんですね。浮きまくっていて、オーディエンスも唖然としていた。で、この間、2022年の夏に観た時もそうだった。浮いているし、異端だった。でもフェスに呼ばれる数は増えているし、フェスの場で初めて女王蜂を観た人が、ワンマンに来るようになっていないと、この動員の増加は説明できない。

うん、うん。そう思う。なんなんでしょう?

──それを知りたいんです。

でも、異端って思われるのがとても不思議。えっ、普通じゃん? と思っているから、本当に異端なんやと思う(笑)。異端かしら? やっぱり、めっちゃくちゃ実直にめっちゃ練習して、めっちゃ準備して、めっちゃ身体作って顔作って、めっちゃ髪巻いて、ギャーッ!てやって……ステージで生まれるものしか見てないから。だからシーンとか、「これ好きならこれも好きっしょ?」とか、そういうものがわからなくて。さみしいな、と思った時期もあったけど、さみしいなって思っている同士で、一対一で会えたりとかもして。あ、こんな息の合う人がいるんだったら、やっていけるな、と思ったんだけど、気がついたら、その数がすごいことになっていて。うれしいけど、なんなんでしょうね?

──女王蜂、濃いまんまだから、カルト・スターになるならわかるんですけど、そうじゃないのがおもしろくて。これを最高と思う人が、こんなにいっぱいいるんだな、という喜びがあります。

だから、アンダーグラウンドの香りがするとか、いろんな言葉を贈ってもらうこともあったんだけれども、本人がまったくそれを思ってないってことが、おもしろいんだろうな、と思っていて。私としては普通に、ビヨンセたちとかとタイマン張れるようなものを、って思ってやっているだけだし。ただ、やるべきことが見えていて、それをどこまでやれるか、っていうだけのことなので。昔、小さなライブハウスに出た時に、当時10代で学生だったから、すごい傷ついた言葉があって。ライブ終わったあとに、うちらの次のバンドが、開口一番に「音楽で勝負します」って言って、ライブを始めて。こんなにいろんなものを聴いて、音楽が好きで、ステージが好きで、衣装もがんばって作ってやってるけど、「音楽で勝負します」っていうお高いまとまり方ってあるんだ、と思った時に、じゃあ私はステージで勝負します、って思って。

東京ドームになっても画面なしでやりたい

──今やっているツアーが終わったあと、3月2日に東京ガーデンシアター(有明)でワンマンがありますが。

「バイオレンス」をガーデンシアターでやるので、すごく大きな会場で、たくさんのお客さんたちと、ブチアガる、ってこともありながら、「バイオレンス」の血溜まりの世界を……『十二次元』のツアーはいつか絶対やりたいと思っているので、ガーデンシアターで『十二次元』の曲をすべてやるってことはないけれども、『十二次元』にあるものと、「バイオレンス」の血なまぐささを掛けたものにしたいと思っていて。みんなエグいところで踊ることになると思います。

──今回も画面なし?

なし。

──本当に東京ドームになっても画面なしでやりたい?

やりたい。怒られそう。花道作るから許して(笑)。ダメかなあ?

──でも確かに、日本武道館で画面がなかった時も、観ていて、ないことを意識しなかったんですよね。半分以上観た頃にやっと、「あれ、そういや画面ないわ」って気づきました。

凝視っていうことを初めてする人もいると思う、私たちのライブで。私もライブとか、表現を観ている時に、それがあるかないかで決めちゃうとこがあるから。凝視って、すごく大切だと思います。

PRESENT

サイン入りポスターを1名様に

受付は終了しました

  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

    • ツイッター

SHARE

女王蜂の関連記事

アーティストページへ

最新記事

もっと見る