ASKA、higher groundツアーいよいよ開催!「懐かしい曲から新しい曲まで、ありったけをお見せします」

インタビュー | 2021.12.29 18:00

──『ASKA premium concert tour−higher ground−アンコール公演』のセットリストはすでに決まっているのですか?

決まっています。前回のツアーの良かったエッセンスは取り入れようと思っていますが、曲はかなり入れ替えがある予定です。前回やった曲が2割、新たにやる曲が8割くらいで、かなり内容は変わる予定ですね。

──曲目は聴いてのお楽しみだと思いますが、選曲する上ではどんなことを基準にしましたか?

驚かしの部分と予定調和の部分をいかに混ぜていくかということですね。驚かしばかりではダメなんですよ。そこは42年間やってきて、身に付けた技なので、しっかりやっていきます。

──壮大なスケール感を備えた歌もあれば、すぐ近くで寄り添ってくれるパーソナルな歌もあります。ASKAさんのライブは緩急の妙、振り幅の大きさが魅力の1つです。

人生そのものがジェットコースターみたいなものですからね(笑)。

──ツアーの中にはいわき芸術文化交流会館も入っています。

福島でライブをやるのは念願だったので、ありがたいですね。僕は震災のあとは、動けない状態だったので、ずっと福島に行けませんでした。「今回は必ず福島に行かせてください」とお願いして、郡山の会場を押さえてもらいました。ところが延期となってしまい、会場が改装工事に入ってしまった。「またか」と思ったのですが、イベンターが頑張ってくれて、いわきの会場を取ってくれました。これでやっと、うかがうことができます。11年前よりは復興は進んでいるとは思いますが、まだまだこれからの部分もあるでしょうし、何よりもみなさんにお会いしたいです。

──復興支援も継続していくことが大切ですよね。

ずっと継続してやられている方もいらっしゃって、僕はできなかったので、尊敬しますよね。その分、今回は福島の人の元気な顔を見たいと思っています。僕の元気な顔をお見せするのではなくて、みなさんが元気な顔を見せてくれることを楽しみにしています。

──前回中止になってしまった熊本と大阪公演もあります。

前回キャンセルになってしまい、申し訳ないという思いは強いですね。本当は今回のツアーは熊本と大阪からスタートしたかったんですよ。しかし会場の調整などの関係もあり、ツアーの中盤になりましたが、自分としては、「この2か所からまた始まるツアー」という意識があります。

──ASKAさんの誕生日である2月24日は東京ガーデンシアターでのステージとなります。

ガーデンシアターはまだやったことのない会場で、興味があったので、実は延期になる前のツアーのグランドファイナルとして、押さえてもらっていました。それが誕生日と重なってしまったのですが、グランドファイナルというお祭りだから、ということで、受け入れたという経緯があります。でも僕は基本的には「誕生日にはライブをやらない」と決めています。

──それはどういう理由からなのですか?

みなさん、僕の誕生日というだけで、全国から集まってくれるんですよ。チケット代がかかるのに、さらに交通費と宿泊費がかかるでしょう。それは申し訳ないので、これまでは誕生日にはライブをやらないという方針でやってきたんですよ。過去に1度だけ、札幌で誕生日にライブをやったことがあるんですが、それは会場とメンバーの関係で、どうしてもこの日しか空いていないということになり、やむを得ずやりました。しかし誕生日のライブは今回のツアーで最後にするつもりです。

──誕生日を一緒に祝いたいというファンの方々の気持ちもわかります。

これまでも気になっていたんですが、今回のツアーからはプレゼントボックスも置きません。プレゼントはいただけません。もちろん誕生日の日にも一切持ってこないで下さい。手ぶらで来て下さい。だってみなさんが来てくれることが、僕にとっての最大のプレゼントですから。もしいただけるならば、みなさんの笑顔をください。

──以前、インタビューをさせていただいた時に、前回の『ASKA premium concert tour−higher ground−』で、カバーをやらなかったことだけが心残りだったとおっしゃってました。ASKAさんのカバー、いつもとても盛り上がりますが、今回、カバーの予定はありますか? 

カバー、やりますよ。でも考えようによってはちょっと失礼ですよね(笑)。だって本編のオリジナル曲よりもアンコールのカバーのほうが盛り上がることが多いんですよ(笑)。

──2018年のツアーでの西城秀樹さんのカバー「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」も素晴らしかったです。西城さんがご逝去されたあとのツアーで、まさか「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」であんなに感動する日が来るとは思ってもいませんでした。

あの時は僕も秀樹さんに寄せて歌いましたしね。みなさんがあのYMCAのポーズをとりながら踊っている姿は絶景でした。打ち合わせのない集団行動ですよね。「そうか、秀樹さんは当時からステージ上で毎回、この景色を観ていたのか」と思いながら、歌っていました。今回やる予定のカバーも、きっとどよめきがとまらないんじゃないかな。曲の最初から最後まで、歌詞カードなんかなくても、みなさん、歌えるはずですよ。

──2022年、大きな楽しみが待っているなと感じます。2022年1月7日からツアースタートとなります。最後にツアーに向けての抱負を聞かせてください。

40周年のライブをやる時に決めたことがあるんですよ。それはこれからの僕のライブは「すべてありったけ」ということ。「41年のありったけ」「42年のありったけ」「43年のありったけ」といった具合に、今後の僕の音楽活動はすべてありったけです。懐かしい曲から新しい曲まで、その時々のありったけをお見せします。

──「ありったけ」を選ぶ今回の基準はありますか?

まあ、見ててください(笑)。今はこれしか言えないです。

  • 長谷川 誠

    取材・文

    長谷川 誠

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