ASKA、higher groundツアーいよいよ開催!「懐かしい曲から新しい曲まで、ありったけをお見せします」

インタビュー | 2021.12.29 18:00

『ASKA premium concert tour−higher ground−アンコール公演』が2022年1月7日からスタートする。このツアー、2021年10月からスタートする予定だったのだが、コロナ禍の影響で延期となり、約3か月スケジュールが後ろにずれこんでの開催となった。そもそも『higher ground』は2019年12月から2020年2月にかけて開催されたツアーで、ASKAとバンドとストリングスの三位一体が実現。一体感あふれる空間が出現して、感動と熱狂の渦に包まれたことはまだ記憶に新しい。そのツアーの進化形とも言うべきなのが今回のアンコール公演だ。前回ツアーの大阪・熊本公演が中止となったことを受けて、“アンコール公演”と名付けられた経緯がある。ツアーの内容や意気込みをASKAに聞く。
──コロナ禍の影響で3か月遅れでのツアー開催となりました。どのように感じられていましたか?

ツアーの延期はイベンターのみなさんからの要望でしたので、僕としては受け入れる以外の選択肢はありませんでした。ただしその時点で、「早い段階で実現できるように手配します」と言っていただき、こうして開催できることになったので、感謝しています。みなさんが力を尽くしてくださった結果なので、ありがたいなと感じています。日程や会場が変更になったことに関しては、お叱りもいただきました。そこは「申し訳ありませんでした」と謝るしかありません。

──バンドだけでなくストリングスも加わった大人数で、これだけのスケジュールを3か月後に組めるというところもすごいですよね。

バンドのメンバーもストリングスチームも優先してスケジュールを調整してくれたので、ありがたいです。

──延期となったことによる気持ちの変化はありますか?

ツアーに向かう意気込みはまったく変わりません。自分が発するパワーもおそらく変わらないと思います。ひとつだけ大きな変更となったのはドラマーが変わったことですね。盟友であるドラマーの菅沼孝三が他界しまして、孝三から娘のSATOKO(FUZZY CONTROLのドラマー)への最後の遺言が「ASKAさんを頼む」というものだったですよ。

──ASKAさんのライブのことを最後まで気にされていたんですね。

そうなんです。そうした経緯もあり、SATOKOがステージに上がることになりました。SATOKOと知り合ったのは彼女が幼稚園の時で、そのSATOKOがドラムというバンドの守護神をやってくれるわけだから、長いことやっていると、悲しいこともありますが、良いこともありますね。「孝三、なんて憎い演出をするんだよ」と思いました。彼女は手数王と呼ばれる孝三のDNAを受け継いでいるので、SATOKOの手数王の瞬間もライブで披露させます。

──バンドの土台のドラムが変わるわけだから、大変なところもありそうですね。

いくらDNAを受け継いでいるといっても、SATOKOにはSATOKOの持ち味があるので、リハーサルでやりながら、どういう部分を引き出せばいいのかを見ていきます。

──ツアーが延期になったことを受けて、ASKAさんにとって初となるアコースティックライブ『ASKAグラミー賞ノミネート希望』の配信もありました。ツアーの延期を受けて、歌いたいという気持ちから開催を決めたのですか?

「歌いたい」というのは二番目ですね。一番目は「ツアーを延期して申し訳ありません」という気持ちでした。実はコロナでこういう状態にならなかったら、東名阪のアリーナクラスの会場でアコースティックライブをやろうと計画を立てて、動いている最中だったんです。中止になってしまったので、その替わりに、という気持ちもありました。

──ASKAさんがアコースティック編成で歌うことによって、深く強く歌詞が入ってきました。特に「群れ」の歌詞は今の自分にもリアルタイムで刺さってきました。

今回のオンラインライブの主役は「群れ」ですね。あと、「DAYS OF DREAM」はフォービートの良さをアコースティックサウンドの中でうまく出すことができたこともあり、歌詞を伝えようという意識がかなりありました。

──ASKAさんのファルセットが新鮮に響いてきました。

実はファルセットはあまりの得意ではなかったんですよ。これまではファルセットの音域までミックスボイスで、トーンと抜けるように歌っていました。そういう歌い方ができることを驚いてくれる人もいましたが、その歌い方を暑苦しく感じる人もいたんですね。この曲に関しては、イメージとしてあそこはファルセットで抜きたいところだったので、やってみたら、なぜか自然にできました(笑)。

──アコースティック編成で歌うことで、表現の幅がさらに広がっているのではないですか。ASKAさんご自身の手応えは?

いい空気感を出せたなと感じてします。今回はああいう形のオンラインでしたが、大きな会場でも小さな会場でも、変わらずやることができたらいいなあと思っています。今回のツアー中にもホールでのライブが終わった翌日が空いていたら、どこかのライブハウスで、こういう形のアコースティックライブをできないだろうかと検討しているところです。

  • 長谷川 誠

    取材・文

    長谷川 誠

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