及川光博、2年ぶりのアルバムを制作中!ツアーのテーマカラーは“エメラルド”、「楽しく、美しく、色っぽいツアーにしたい」

インタビュー | 2020.01.07 12:00

──スパイスと言えば、ドラマ『グランメゾン東京』も話題となりました。演じての手ごたえはいかがでしたか?

大人の青春がテーマということもあって、演じていて楽しかったし、現場は熱く盛り上がっていましたね。ファンクもそうですが、やっぱり熱くなるって気持ちいいなぁ(笑)。このドラマが若者の青春サクセスストーリーと違うのはみんな1回疲れてるし、諦めてるっていうところなんですよ。年を重ねた分だけ、登場人物それぞれが哀愁を漂わせてるところが好きですね。そこが感情移入しやすくて、笑えて、泣けるところなんじゃないかと思います。僕が演じてる相沢瓶人にいたっては父子家庭だし、奥さん失踪中だったし(笑)。

──尾花(夏樹 / 木村拓哉)と相沢の〝5分で作る即興つまみ対決〟など、料理シーンもリアルでした。

あのシーンは長回し一発で撮っているんですよ。編集されて短くなっているけど、実際の調理も俳優がやっているので、すごい現場だなと思います。

──パスタをゆでるシーンで、メガネがまっ白になっていましたよね。

服部栄養専門学校で同じ料理を練習で2回作ったんですが、その時はメガネをかけてなかったから、湯気でくもるのは想定外だったんですよ(笑)。本番で初めて起こった現象で、あそこで笑ってNGを出したりしてはいけないと思い、何食わぬ顔で芝居を続けました。監督に「メガネがくもっちゃいましたけど、大丈夫ですか?」って聞いたら、「いえ、萌えポイントですから」って言われました(笑)。そうか、萌えポイントなのかって。女性の監督って素晴らしいなと思いました。漫画家それぞれの筆のタッチが違うように、それぞれの監督の萌えポイント、もしくは胸アツポイントがあるから、作品作りはおもしろいですよね。僕はどちらかというと少女マンガの画風が好きなので、女性監督との仕事はとてもやりやすいです。

──コックの制服も似合っていました。

コックコートを着てる時が一番横山光輝のマンガっぽくて、自分では好きですよ。コックコート、何色もあってありがたかった(笑)。料理ひとつでも個性が出るのがおもしろかったですね。たっくん(木村拓哉)はわざと音を立てて作業するんですよ。鍋やフライパンや器具をガチャンガチャンって音を立てる。僕は性格なのか乱暴に扱えないわけですよ。そういうところにもそれぞれの個性が出るのがおもしろかったですね。

大人のファンク・ナンバー主体のアルバムになるのは間違いないですね

──“カウントダウンライヴ「ゆくミッチーくるミッチー」”は21年連続の開催となりました。

20年連続の時に、あまり記録に縛られるのもどうなんだろうという気持ちはあったんですよ。21回目になったら、記録は意識しなくなりました。続けられるうちは続けましょうかっていうスタンス。ツアーではやらない曲をやったり、カバーをやったりするので、僕自身が楽しんでいるところもありますし。

──現在、次のアルバムを制作中とのことですが、どんな作品になりそうですか?

ファンク・ナンバー主体のアルバムになるのは間違いないですね。今までやってきたファンクと何が違うかというと、落ち着き。大人のファンクって言っちゃうと、簡単な言葉になってしまうけど、2019年のツアーで得た感覚や手ごたえをヒントにして、自分の中での新たなものを生み出していけたらと思っています。

──昨年10月24日の誕生日で50代に突入しました。何か感慨はありますか?

10年ひと区切りというところでは、ある程度の感慨はありますが、48歳、49歳と特に変わるところはないかな。50代で一番若いしね(笑)。

──50代の抱負を教えてください。

欲を張るより笑っていたいですね。真剣に生きれば生きるほどイライラもすることが出てくるんですが、イライラしたくない。何はともあれ、大切なのはイマジネーション。慌てず騒がずイライラしないために、逆算逆算で想像力を活用して、何事においてもゆとりを持ちたいですね。

──2020年4月からツアーがスタートします。抱負を教えてください。

僕にとっては記念すべき50歳のツアーだし、2020という数字はきりがいいし、さらにクオリティーを上げて、楽しくも美しいツアーにしたいですね。人生がRPGだとしたら、レベルを上げていかなきゃ、年を取る意味がないと思っています。そんなにがんばらなくていいじゃないかという意見もあるでしょうけど、消費し、楽をして死を待つだけの老化は嫌なんです。焦ってるわけじゃない。だけど人生を有意義に過ごしたい。

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  • 取材・文

    長谷川 誠

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