目指すのは時間と空間の共有、エネルギーの循環。それをロマンチックに表現すること
アルバム『BEAT & ROSES』は踊れるロックを目指して制作したアルバムだったんですが、歌詞のテーマは“命”だったんですよ。その作品どおり、“命を燃やして戦った4か月”になりました。ありあまるエネルギーがほとばしるのではなくて、内側から絞り出すような感覚だったので、表現者として苦しい時もあったんですが、だからこその大きな達成感を感じました。多分、こんなツアーは2度と出来ないんじゃないかな。
ロックだから踊らなくていいってことはないですからね。縦ノリか横ノリかの違いだけで、相当な肉体疲労はありますよね。しっかりリズムに食らいついていかないと、吹き飛ばされてしまう。体だけじゃなく、頭を振りながら、シャウトすると、酸素も足りなくなってきて、頭痛もし始めて、体中が危険信号を出すんだけど、逆にそれが気持ちいいという(笑)。ちょっと脳内麻薬に頼り過ぎてる部分があったかもしれないですけど。やれるうちにやっておこうと思ったんですよ。50歳手前で熱いステージを展開出来て大満足ですね。
ベイベー達、男子諸君の笑顔ですね。あとは一斉にニョキッと出る女子の白い手(笑)。あれは見ていて興奮しますね。エロい意味ではなくて。非常に分かりやすい絵面として、会場中が手を上に突き上げる風景は熱くなるものがあった。あの光景でステージ上の僕達、演奏者も高まりますから。
バンドのメンバーが心をひとつにして、ステージ上で大人げなく暴れる熱いショーになりました。やっぱり語り合うよりも音で反応し合うことが大切だなと痛感しました。
手を替え品を替えやっていますが、基本のテーマは〝レッツ・自己解放〟なんですよ。ジャンルやコンセプトは本来の目的ではなくて、あくまでも手段。目指すところは時間と空間の共有、そしてエネルギーの循環。それをロマンチックに表現すると、〝愛し愛されましょう〟という言葉に集約される。そこはデビュー以来、変わっていないし、ブレてないと思います。