みんながライブで聴きたくなるような熱い曲にしたいっていうのが目標でした
──ニューアルバムが完成しました!
シングルは5thシングル「NEW LOOK」から8th「GET OVER/confession」まで全部入っていますし、カップリングも抜粋して、ライブで盛り上がったりする曲を入れたので、たくさん楽しんでもらえると思います。そして、新曲もバラエティー豊かになっています。激しめからポップな感じまで、いろいろやらせていただきました。歌詞も書かせていただいたので、充実の1枚になっていると思います。
——アルバム用の書き下ろしの新曲に関してはどんなものを作りたいと思ってましたか?
ライブサーキットをやるようになってからは、ライブで今後やってみたいなっていう楽曲を考えて提案しています。今回のアルバムに入れたシングルのカップリング曲も、あんまりカップリングという印象では作ってなくて。どの曲も全力で作るし、歌うし、みんながライブで聴きたくなるような熱い曲にしたいっていうのが目標になっていました。
——本作は6thシングル「starry」のカップリングでましろさんが作詞に参加した「pixy breath」で幕を開けます。
ライブでの皆さんの反応が大きかった曲です。アルバム全体のイメージとも近いんですけど、ディストピアの中で新しく芽吹く緑を待っている様子を描いています。一人ポツンと、崩れた瓦礫の上を歩く人がいて。そんな中で、新たな命を見つけて、またここから始まるんだっていう曲にしました。だから、歌詞にある<問いかけてくる>のは、妖精かもしれないし、自分自身かもしれない。心の中の自分の叫びをファンタジックに描きました。
——カップリングでいうと、ましろさん作詞の「MATROSKA」と「ANGEL HORIZON」も入りましたね。
「MATROSKA」はライブでみんながヘドバンしてくれる曲になって。「ANGEL HORIZON」は自分の中でドライブソングでした。……免許は持ってないんですけど(笑)。
——あははははは。ここから新曲のお話をお伺いしたいんですが。
作家陣が、安田史生さん、yukarikoさん、LM.CのAijiさん。普段から一緒に音楽を作っていたり、尊敬している方々の曲を歌わせていただくことによって、より1曲1曲が大切になっている。作っている人の顔が見えるから、歌っている時に責任感の重さが違ったような気がします。
——まず、yukarikoさんによる「TRUE KISS」はアップテンポのロックチューンですが、これはある種、ラブソングですよね。
そうですね。いままであまり恋愛のことを歌ってなくて。この曲は、好き同士なんだけど、不器用で意地を張ってしまう二人。イメージとしては、食卓を向かい合って挟んで、ナイフとフォークが飛び交う感じですね。
——あはははは。そんなに激しいんですか?
割と激しめな駆け引きですね。スプーンに、猫、チェスのユニコーンなどアリスのような可愛い世界観を作ってもらいつつ、お互い大好きなのに素直には表現できないっていう、もどかしい曲になっています。ライブでは盛り上がるんじゃないかなと思って掛け合いにしています。
——「キミはずっと」とか、「ボクのせいで」とか、カギカッコのところはお客さん担当で。
歌って欲しいです。
綾野ましろの音楽が、コミュニケーションツールの1つになっていけば嬉しいなと思います
——安田さんによる「Unleash」は洋楽テイストのポップロックになってます。
サウンドに関してはお任せしたんですけど、最初に曲を聴いた時に“箱庭”が思い浮かんで。でも、サビでぐんと開けるので、解き放つという意味の<アンリーシュ>っていうタイトルにしたんです。自分の心の欠け落ちてしまった感情を“FEEL”という名の鳥で表現して、その鳥を放つんだろうかっていうところまでを描いた楽曲です。
——“箱庭”や“鳥かご”からの解放というのは、綾野ましろの楽曲に数多く出てくるテーマのようになってます。
そうですね。「GET OVER」のMVも箱庭みたいなスタジオで撮ったし、「confession」にも“箱庭”が出てくる。私自身、多分、こうして歌うことをしていなかったら、ずっと家にいたんじゃないかなって思うんです。音楽によって外にも行くし、ライブもする。元々の私はあんまり太陽かんかん照りが好きじゃないけど、ライブだったら野外も楽しめる。なんというか、そこは音楽によって変われたところでもあるので、そこは切り離せない部分だし、絶対に忘れないようにしたい、大切なワードになっているのかなって思います。
——歌が翼になって、世界中に飛び出してるってことですよね。
そうですね。アニソンを歌ってなかったら、海外にもいってなかっただろうし、もっと人と対話したいと思うこともなかっただろうなと思います。だから、「Unleash」は自分自身とも繋がっているし、ファンの方にも、私のイベントやライブに来るようになって休日の外出が増え、ライブの後にみんなで話したりすることがすごく楽しいんだって言ってくれる方もいて。お互いにすごくいい効果があるんじゃないかなって思うし、綾野ましろの音楽が、コミュニケーションツールの1つになっていけば嬉しいなと思います。