イラスト:河井克夫
上田禎応援チャリティーライブで、ウルフルケイスケとサンコンJr.が一緒に演奏、奇妙礼太郎がキャリア初の日本武道館ワンマン、スキャフルとリディムとチャーベくんが邂逅、解散から9年で再始動したplenty、など、なんとも感慨深い気持ちになるライブが多かった、2026年の7月の前半でした。
7月1日(水)19:00 『【上田禎 応援チャリティーライブ vol.3】マエストロ上田を囲んで Special session』 @ 下北沢440
国定指定難病のひとつであるALS(筋萎縮性側索硬化症)で闘病中の音楽家(プロデュース/劇伴/曲提供/キーボーディスト)、上田禎を支援する、仲間のミュージシャンたちによるチャリティーライブの3回目。
上田禎/ウルフルケイスケ/Small Circle of Friends/BLACK BOTTOM BRASS BAND/サンコンJr./高橋徹也/角森隆浩/脇山広介/谷口崇/辻香織/鹿島達也
以上の出演者たちが、入れ替わり立ち替わり出て来て、歌ったり、演奏したりの3時間半(転換時間がそれなりにかかるので)。弾き語りの人あり、バック・トラックを使う人あり、鹿島達也&脇山広介のリズム隊と共に演奏する人あり。で、上田禎は、ステージのすぐ前にいて、MCタイムに、つっこんだり、ボケたり、茶々を入れたり、それぞれの出演者と自分の関係性を解説したり、エピソードを明かしたりする。
BLACK BOTTOM BRASS BANDが、フロア後方から……というか、440はそのまま道路に面している店なので、外から演奏しながら入って来て、フロアをつっきってステージに上がる、という、賑々しく華やかな始まり方だった。
それから、谷口崇→Small Circle of Friends→辻香織→高橋徹也→ウルフルケイスケ&サンコンJr.(&ベース鹿島達也)という順で出て、トリは角森隆浩。ラストは、出演者みんな加わって、あとその1曲前から渡辺シュンスケも加わって(別の仕事があり、間に合うかわからなかったので出演を発表していなかったが、間に合ったとのこと)、ハミングスの「君のことをずっと待ってる人がいる」で終了した。
途中のMCで、上田禎が明かしたが、今日のこのイベントにあたって、彼が仕切り担当の鹿島達也にしたリクエストはひとつだけで、ウルフルケイスケとサンコンJr.を一緒に演奏させてほしい、ということだったそうだ。ふたりが共にステージに上がったのは、2018年にケーヤンがウルフルズでの活動を休止して以来、8年ぶり。
角森隆浩らとのバンド、ハミングスで1991年にデビューしたのが、上田禎のプロ・キャリアの最初だが、そのふたりは初期ウルフルズのメンバーで(角森は初代ドラマー)、脱退して自分たちのバンドを組んだのがハミングスであり、ウルフルズより9ヵ月早くメジャーデビューした。ということを、ご存知ない方もいるかもしれないので、一応書いておきます。
≫「上田禎 難病支援プロジェクト」
上田禎応援ライブvol.3
無事にw大盛況の中終了!
なんと4時間近くの長丁場。
まぁ出演者全員の「上田愛」が爆発してたらこうなるよね!
お客様最後までお付き合いありがとうございます!そして多大なカンパも、、
感謝しかないです。
出演者全員、ワンオペでやり切ったPA先崎、440スタッフにも感謝を! pic.twitter.com/r9ZoFtVHBT— 鹿島達也 (@fenderjb78) July 3, 2026
7月3日(金)18:30 奇妙礼太郎 @ 日本武道館
50歳を(9月12日に)迎える今年に行った、初の日本武道館ワンマン。ホーン隊やストリングス隊も加わった、(本人を含めて)11人編成のバンドで、本編23曲・アンコール3曲の、計26曲を歌った。
ゲストは、7曲目=ヒコロヒーで「HOPE」、8曲目=塩塚モエカ(羊文学)で「春の修羅」、12・13曲目=有山じゅんじ&内田勘太郎&木村充揮で「嫌んなった」「梅田からナンバまで」、16・17・18曲目=Sundayカミデで「散る 散る 満ちる」「ロッケンロールベイベー」「君が誰かの彼女になりくさっても」、以上の4組・6人。
さらっと歌ってさらっと帰っていったさまが、やたらと素敵だったヒコロヒー。この手のゲスト出演、実は得意では?と言いたくなるほど、のびのびと楽しそうに歌った塩塚モエカ。以前に、銀杏BOYZとROTH BART BARONで、ゲストで歌うのも観たことがあるが、やはり、そんな感じだったので。
そのふたりもすばらしかったが、次の有山じゅんじ&内田勘太郎&木村充揮、発表の段階では名前が並列になっていて、一緒に出るとは知らなかったので、びっくりした。だって、内田勘太郎と木村充揮=憂歌団→憂歌兄弟のこのおふたり、もう何年も一緒にやってないですよね。今調べたら、去年の9月に大阪で一度あったそうだが。
ともあれ、2曲ともすばらしかったし、有山じゅんじも含めて3人とも楽しそうだったし(「こんな機会をくれてありがとう」みたいなことをおっしゃっていた)、言うまでもなく奇妙礼太郎はとてもうれしそうだったし、グッとくるものがありました。
あと、そんなゲストたちの最後はSundayカミデ、というのも、とても腑に落ちた。Sundayさん、ゲストというより相方的な、奇妙礼太郎にとって重要な存在なので。奇妙礼太郎が「君が誰かの彼女になりくさっても」を歌う時、その曲を作った人=Sundayカミデが一緒にいる場合も、いない場合もあるが、やはりいる場合がうれしい、と、聴きながら、改めて思う。
それから。奇妙礼太郎が日本一の声を持つボーカリストであることは疑う余地はないが、ここ1〜2年で、自分がどこで彼のライブを観たかを思い出すと、『やついフェス』とか、下北沢440とか、新代田FEVERとかであって、つまり普段は近い距離で観ているもんで、それらの時に歌から受けるインパクトと、今日ここで=日本武道館の二階スタンドの最後部で受けるインパクトとが、変わらないことに、改めて絶句した。つくづく、すごい。武道館なのに、ステージ上を映すサービス映像はなかったけど、まあ確かに、いらないわ、これなら。
アンコールが、最新アルバムであり、今日のライブのタイトルになっている『1976』からの「愛がすべてのこと」と、「愛の讃歌」と、「オー・シャンゼリゼ」だったのも、大正解だと思った。「オー・シャンゼリゼ」では、ゲストが全員登場した。
あと、もうひとつ。アンコールに応えて出て来た奇妙礼太郎は、曲に入る前のMCの中で、唐突に「戦争反対」と言った。で、「なんでこんなこと言わなあかんねん」と付け足してから、ハミングのCM曲を歌い、オーディエンスにも歌わせた。
どっちの言葉も、今ここで発さねばならなかった気持ちが、とてもわかる気がした。
日本武道館単独公演 "1976"
ありがとうございました pic.twitter.com/MWxhIjCIHq— 奇妙礼太郎/Strange Reitaro (@reitaro_jp) July 7, 2026
7月4日(土)18:00 SCAFULL KING、Riddim Saunter、DJ松田“CHABE”岳二 @ 渋谷Spotify O-EAST
Niw! RecordsのT.K.H.R.氏が開催しているシリーズ・イベント『Never Ending Homies』で、SCAFULL KINGとRiddim Saunterとチャーベくんが共演。DI:GA ONLINEにレポを書きました。
≫SCAFULL KINGとRiddim Saunterの初ツーマン『Never Ending Homies』。盟友たちによる夢の共演
Thank you all#ネバホミ pic.twitter.com/yc7Rj2UX2g
— Niw! Records (@NiwRecords) July 6, 2026
7月7日(火)18:30 plenty @ LINE CUBE SHIBUYA
解散から9年、plentyの再始動一発目のライブ。そのライブのことも、それ以外のことも、ぴあ音楽の連載『思い出話を始めたらおしまい』に書きました。
≫第二十八話:2026年に観たplentyと、2008年に観たplenty(前編)
≫第二十八話:2026年に観たplentyと、2008年に観たplenty(後編)
7月7日(火)に開催した
9年ぶり
再始動初のワンマンライブ
「plenty re:birth」の
セトリプレイリストを公開🎧▼配信URLhttps://t.co/LA0eA2Zrby pic.twitter.com/tM7b5sNFln
— plenty_official (@_plentyofficial) July 7, 2026
7月10日(金)19:00 女王蜂 @ 東京ガーデンシアター
「女王蜂全国ホールツアー2026『PERSONAL DISTANCE』」のファイナル公演。ツアーの初日、DI:GA ONLINEにレポを書いたが(≫女王蜂、全国ホールツアー2026「PERSONAL DISTANCE」がスタート。初日とは思えない完成度でオーディエンスを魅了 )、この最終日も書きました。
≫女王蜂ホールツアー2026『PERSONAL DISTANCE』ファイナル!「女王蜂しかやらないこと」と「女王蜂しかできないこと」だけで構成された、揺るぎないスタイルの完璧なショウ
女王蜂全国ホールツアー『PERSONAL DISTANCE』
千秋楽 東京!無事に終えることが出来て、胸がいっぱいです💙
「みんないつもありがとう!」 pic.twitter.com/zteFzvg5d2— 女王蜂 アヴちゃん (@qb_avu) July 10, 2026
7月11日(土)12:00 全日本プロレス @ 横浜ラジアントホール
この日の会場である横浜ラジアントホール、僕は初めて行ったのだが、ラジオ日本の持っている施設で(同じビルに本社がある)、収容人数は350人くらい、というコンパクトさ。よって、リングの四方とも、座席が4列くらいしかなくて、要は客席全部がリングサイド状態である。
いつも後楽園ホールに行く時、これでも充分近い、と思っていちばん安いB席=最後方の席を買うもんで、こんなに至近距離でプロレスを観たの、初めて。潮﨑豪のチョップの音とか、宮原健斗の頭突きの音とか、ものすごい迫力。至福の時間でした。
全6試合、すべておもしろかったが、特に魅かれたのが、第5試合=潮﨑豪&矢野安崇vs芦野祥太郎&望月成晃に出場した、DRAGON GATEから参戦の望月成晃。10年ぶりくらいの全日のリングだったそうだが、僕が彼を初めて観たのは、北尾光司の武輝道場の一員としてWARに出ていた頃で(1994年か1995年)、その後、もっとも彼を頻繁に観たのは、闘龍門JAPAN〜初期DRAGON GATEの頃である(2000年代前半)。
なもんで、今の彼の、年齢(56歳)をまったく感じさせないすばらしい闘いぶりに、ワクワクした。試合後のマイクで、羆嵐の持つGAORA TV王座に挑戦を表明したので、今後も参戦があることがわかりました。楽しみ。
\7.11横浜大会開催中/
潮﨑のチョップに芦野が奮起!!
◆第5試合 タッグマッチ 30分1本勝負
潮﨑豪
矢野安崇
vs
芦野祥太郎
望月成晃📺全日本プロレスTVにて後日配信予定https://t.co/2R4sZMhAtq#ajpw #DRAGONGATE #ajpwtv pic.twitter.com/R5CrDHylyD
— 全日本プロレス/alljapan (@alljapan_pw) July 11, 2026
7月12日(日)17:00 ホフディラン @ 渋谷区総合文化センター大和田さくらホール
デビュー30周年ライブ『30ディラン』、めでたくソールドアウト。で、ご本人たちが事前で予告していたとおり(ここで ≫ホフディラン デビュー30周年、紆余曲折の歩みと記念ライブ『30ディラン』目前のバンドの近況を語る )、人気曲もやるし、レア曲もやる上に、途中でワタナベイビーがDJ WATANABABYとしてファンからのリクエストを読み上げ、その曲を演奏するコーナーもあり。さらに開演前は、ホフディランのクイズやトリビアネタが映像で流れる、というサービスもありの、とてもエンタメ性の高い時間だった。
なお、30周年の活動は、今日だけじゃない、今日がスタート、ということで、小宮山雄飛、「次からも今日くらい来てね」。次回のワンマンは8月16日代官山UNITで、「ホフディラン30th企画 小宮山雄飛大誕生祭ライブ ここへきて、まさかの玉入れやるよ」という企画。ベスト3とライブをやった上で、「雄飛の突然の思いつきで、来場者全員で玉入れを行います!」(公式サイトより)とのこと。
30周年ライブ、最高でした
メンバーとファンのみなさんと、ホントに歴代のスタッフに感謝。
ありがたやー!
これからも楽しいことしかしないので、一緒に楽しくやりましょう! pic.twitter.com/43nhpEcoXf— 小宮山雄飛 ホフディラン (@yuhikomiyama) July 12, 2026
7月13日(月)19:00 電気グルーヴ @ LIQUIDROOM
毎年この時期恒例、リキッドルームの周年シリーズ・ライブの中の1本で、毎年観ているが、その中でも屈指だったかもしれない。これから出演していく各地の夏フェスで演奏する人気曲よりも、フェスではやらないレア曲に重点を置く、というのがこのリキッドのセオリーになっているが、今年はその究極みたいなセトリだったのだ。
1年前のリキッドが、いつもより人気曲が多めだったので、よけいそう感じたのかもしれないが、にしても、「いつもそばにいるよ」「エキゾティカ」「半分人間だもの」「男一匹エレクト郎(Don’t Stop)」などなど、これライブで聴けるのいつ以来!?と言いたくなる曲だらけ。
でまた、超満員のオーディエンスが、そのセトリに熱狂的に反応し続けるのだ。このリキッドルームの周年シリーズ、電気はいつも月曜日だそうで、おそらく「熱心な信者がいるバンドだから」そうされる、と、MCで石野卓球は言っていたが、本当にそう。後半の「モテたくて…」「バロン ダンス」の流れが死ぬほど盛り上がったのも、アンコールで登場した日出郎が大歓声で迎えられ、「燃える!バルセロナ」で、「エクスタシー獲たけりゃ!」(日出郎)「肛門よー!」(オーディエンス)のコール&レスポンスが響きわたったのも、そういうお客さんたちだからであって、なんだかもう、本当に幸福な光景だった。
なお、その「燃える!バルセロナ」と「ヴィーナスの丘」の2曲を歌い踊った日出郎曰く、今日の衣装は、ピエール瀧が逮捕された時の記者会見で着た服。正確に言うと、瀧の逮捕により、報道陣が、日出郎が出演中だった舞台の会場に押しかけ、衣装のままでそれに応対したから、そういうことになったそうです。
2026.7.13@LIQUIDROOM 22nd ANNIVERSARY
おめでとうございます🎉Support: @agraph @Satoshiguitar
Special Guest: @hiderou1030
Hair: Ryosuke Sakai(off) pic.twitter.com/rU7iG0AsPr— 電気グルーヴ / DENKI GROOVE (@DENKI_GROOVE_) July 13, 2026






