女王蜂ホールツアー2026『PERSONAL DISTANCE』ファイナル!「女王蜂しかやらないこと」と「女王蜂しかできないこと」だけで構成された、揺るぎないスタイルの完璧なショウ

ライブレポート | 2026.07.17 19:00

女王蜂 全国ホールツアー2026「PERSONAL DISTANCE」
2026年7月10日(金)東京ガーデンシアター(有明)

2026年7月10日(金)、東京ガーデンシアターにて、「女王蜂ホールツアー2026『PERSONAL DISTANCE』」のファイナル公演が行われた。2月11日にリリースした、ニュー・シングル「PERSONAL」を携えて、4月10日(金)千葉・市川市文化会館大ホール(≫レポはこちら)を皮切りに回った、ホール・ツアーの最終日=13本目である。

ツアーのタイトルになっている、その新曲「PERSONAL」が1曲目で、2曲目が「雛市」。ミドル・テンポのワルツを続けて頭に持って来る構成で、ライヴはスタートした。
続く「火炎」で、1〜2曲でフワフワと揺れていた客席のジュリ扇が、大きく振られるようになる。「金星」でアヴちゃんが「さみしいから きみを 帰せない」と歌うと、いつものように「キャー!」と歓声が返ってくる。
「デスコ」の後半では「まだまだ行くで!」とアオリを入れ、「首のない天使」の途中では「東京ー!」と呼びかけたアヴちゃんは、曲終わりのブレイクで、「どうもこんばんは、女王蜂です!」とドスの効いた声で挨拶し、「歌える?」とオーディエンスに問いかけてから、「ヴィーナス」に入った。

ベースのやしちゃんとドラムの山口美代子がソロプレイを聴かせた「催眠術」。アヴちゃんの「調子はどう?」から始まった「BL」。アヴちゃんの歌とメンバーのコーラスが、美しく重層的に響く「SAILOR」。以上の3曲で、東京ガーデンシアターがドープな空気になる。
「しゅらしゅしゅしゅ」で、そのムードをちょっと軽くしてから、「夜曲」に入ると、アヴちゃんはソデへ消えた。そのままインスト状態でしばし曲が続いた後、衣装替えを終えたアヴちゃんが戻り、セリフのような語りのようなパートを音に加えた上で、最後のメロディ部分を歌いきる。
以前は、その次の曲で、ひとりになったアヴちゃんが歌い、衣装替えを終えたメンバーが戻って来て、バック・トラックから演奏を引き継ぐ──という流れだったが、今回のツアーは、その2曲の間に「バイオレンス」がはさまっている。その次の「心中デイト」でアヴちゃんがひとりになり、アヴちゃんと同じく黒から白の衣装に着替えたメンバーが、途中で戻って来て、曲が生演奏に切り替わった。

曲に入る前にアヴちゃんがタイトルを告げた「売春」、童謡を絶妙に取り入れる、という女王蜂の得意技が発揮された「先生」、二種類の声を持つアヴちゃんのデュエット状態になる「回春」を経て、それでなくても重要な曲ばかりの女王蜂のレパートリーの中でも、トップクラスに重要な曲である「FLAT」が、東京ガーデンシアターに放たれる。
この曲で言うと、「主人公は病むか死ぬか恋に敗れるか」と「ちょっと判んないね」の間が、何秒か空くところ。あるいは、曲と曲がつながっていなくて、前の曲が終わったあとに、何秒か間ができるところ。東京ガーデンシアターのような大会場であっても、そういうタイミングで、歓声や拍手を入れる人がひとりもおらず、全員がシーンと押し黙ったままで、次の瞬間を待っている。という、緊迫感に満ちた光景を見る度に、女王蜂がやりたいことが、正しくオーディエンスに伝わっている、と、実感する。
ただし、この「FLAT」が終わったところでは、客席で拍手と歓声が起こった。そうよね、ここではありよね、と、思った。次の、「PERSONAL」のカップリング曲である新曲「HELTZ」でも、曲終わりで、さらに大きな拍手が湧いた。
「メフィスト」を経てのラスト曲「Serenade」では、アヴちゃんと掛け合う形で、メンバー&オーディエンスの大きなシンガロングが響く。最後のブロックを歌い終えたところで、アヴちゃんは「みんないつもありがとう!」と叫んだ。

曲間なし、MCなし、アンコールなし──という、言わば、「女王蜂しかやらないこと」と「女王蜂しかできないこと」だけで構成された、揺るぎないスタイルを持った、完璧なショウを見せるのが、今の女王蜂だが──ツアー初日のレポでも書いたが──であっても、同じことのくり返しではなく、進化しているし、深化していることが、観る者に伝わってくる、それがこのツアーだった。
「PERSONAL」と「HELTZ」という新曲が2曲入ったから、だけではなく、他の曲の選び方・並べ方もそうだし、それぞれの曲におけるメンバー&サポートメンバーのパフォーマンスもそうだし、曲の頭などでアヴちゃんが放つひとこともそうだ(ちょっと増えた気がする)。
くり返しになるが、こんなことをできるのは、女王蜂だけだ。

このツアーファイナルの5日前に、女王蜂は新曲「星」をリリースした。そして、この日の終演後に、帰路につくオーディエンスにフライヤーを配る形で、次のツアーがあることが知らされた (ステージではそれに触れないのも、女王蜂らしい)。
『全国ツアー2026「星」』。10月11日札幌から10月30日東京まで、五大都市のZeppを回る、至近距離で女王蜂と対峙できるツアーである。

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