女王蜂、全国ホールツアー2026「PERSONAL DISTANCE」がスタート。初日とは思えない完成度でオーディエンスを魅了

ライブレポート | 2026.04.16 20:00

女王蜂 全国ホールツアー2026「PERSONAL DISTANCE」
2026年4月10日(金)市川市文化会館 大ホール

13本を回り、7月10日(金)東京ガーデンシアターでファイナルを迎える、女王蜂の『全国ホールツアー2026「PERSONAL DISTANCE」』の初日、4月10日(金)市川市文化会館 大ホール。
タイトルにも入っているとおり、2月11日にEP『PERSONAL』をリリースしてから回るツアーであり、そこに収められた新曲2曲「PERSONAL」と「HELTZ」は、生で披露された。それぞれ、「あ、このセットリストの、ここでやりますか!」とか言いたくなる、絶妙な場所に配置されていた。
その他、「デスコ」や「ヴィーナス」、「BL」や「バイオレンス」といった、シングルもしくはアルバムのタイトル曲や、シングルではないが歴代のライヴで強烈なインパクトを放ってきた重要な曲の数々が、次々と演奏されていく。
リズムに合わせて、客席いっぱいのジュリ扇が振られまくるあの曲も、歌詞の中のキラー・フレーズに、オーディエンスが「キャー!」と反応するあの曲も、歌の中のある一節にさしかかるとみんながシンガロングするあの曲も、長いブレイクの間、ステージの上も下もシーンと静まり返ってホール内が異様な緊張感に包まれるあの曲も、ツアー初日とは思えない完成度で、オーディエンスを魅了し続けた。

全体で20曲ちょっとぐらいで、尺は90分前後。曲間なしで、曲と曲がシームレスにつながっていく。
音が鳴っていない瞬間も表現の一部になっている。
MCはなし。イントロや曲間で、音に乗せて、あるいは次の音を出すきっかけとして、アヴちゃんがひとことはさむことが、何度かある程度。
ライヴの中盤でアヴちゃんが退出して、バンドだけになる曲がある。で、その曲の後半で衣装替えを終えたアヴちゃんが戻って来る。
その次は、バンドが退出し、アヴちゃんがひとりでバック・トラックと共に歌う曲もある。その曲の後半で、衣装替えを終えたメンバーが戻って来て、バック・トラックと入れ替わって演奏に入る。
ステージセットはあるが、いつも極力シンプルな形で、メンバーもサポート・メンバーもアヴちゃんも、その立ち位置から、ほぼ動かない。

という、現在の女王蜂のワンマン・ライヴのフォーマットは、言うまでもないが、最初からそうだったわけではない。それなりの年月をかけて……具体的に言うと、1年間の休止期間を経て、2014年の2月に、ギターでひばりくんが加わって(最初はサポートだったが)活動再開したところから始まって、ツアーのたびに・作品のたびに、進化していき、今のこの形が完成したものである。
以前は、数曲やるたびに、MCをはさんでいたし、アンコールもやっていた。
が、ある時……ちゃんと記憶していなくて申し訳ないが、確か、ツアーではなくて、8月8日とかクリスマスのような、単発のステージの時だったと思う。その時に、「MCなし・曲間なし・アンコールなし」のスタイルでライヴ・パフォーマンスを行ってみたら、異様にいいものになった。よって、すべてのライヴをそのやりかたで行う方向に、シフトしていった……というふうに、自分は認識している。
その日のライヴを観て、「うわ、このやりかた、すげえいい。もう毎回この方式にすればいいのに」と思ったら、後に本当にそうなった、というふうに憶えているので。
それ以降、最後の曲の前にだけMCをはさんでいたのが、なくなったり、インストゥルメンタル曲&アヴちゃんひとり曲での衣装替えが組み込まれたり、というふうに、部分的にマイナーチェンジを重ねていって、いよいよ完璧な状態として仕上がったのが、アヴちゃんの休養明け=2025年1月からの、女王蜂のライヴである──。

と、自分は思っていたのだが。そんなことはなかったんだな、というのが、このツアー初日を観た感想だった。
ライヴ・パフォーマンスの基本のフォーマットは、その今の女王蜂の、異様な完成度のそれなのだが、そのあちこちに、以前は感じなかったような、こちらが気が付かなかったような、新しさがあるのだ。
「PERSONAL」と「HELTZ」という、これまで存在しなかった2曲がセットリストに組み込まれたことによって、そうなった部分もあるだろう。それぞれを何曲目に置くかによって、その前後の選曲や曲順やそれらの見せ方も、自ずと変わってくるものなので。が、それによる効果だけではない気がする。
たとえば……と、どう変わったかを具体的に書くのは、ツアー初日のレポとしてはなしだと思うのでがまんするが、そんな感じで、ハッとさせられたり、「おおっ!」と驚かされたりする瞬間が、何度もあった。
また観たい、このツアー。一度観たことで、ファイナルの7月10日(金)東京ガーデンシアターが、よりいっそう楽しみになった。

公演情報

DISK GARAGE公演

女王蜂 全国ホールツアー2026「PERSONAL DISTANCE」

2026年4月17日(金)宮城・仙台サンプラザホール
2026年4月26日(日)北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)
2026年5月5日(火・祝)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
2026年5月10日(日)京都・ロームシアター京都メインホール
2026年5月15日(金)広島・広島JMSアステールプラザ大ホール
2026年5月16日(土)福岡・福岡市民ホール 大ホール
2026年5月31日(日)愛知・岡谷鋼機名古屋公会堂
2026年6月4日(木)大阪・オリックス劇場
2026年6月5日(金)香川・レクザムホール 小ホール
2026年6月14日(日)新潟・新潟県民会館
2026年7月5日(日)石川・金沢市文化ホール
2026年7月10日(金)東京・東京ガーデンシアター

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  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

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  • 撮影

    森好弘

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