「SGCホール有明 オープニングシリーズ」奥田民生xウルフルズ
2026年5月17日(日)SGC HALL ARIAKE
ウルフルズ
先攻はウルフルズ。トータス松本はギターなし・スタンドマイクで「おっさんのダンスが変だっていいじゃないか!」、同じくギターなし・ハンドマイクで「バカサバイバー」、と、新旧の四つ打ち曲を2曲続けてスタート。1階から4階まで満員の客席を、いきなりトップギアで踊らせる。
なお、トータス松本、1曲目を終えて次の「バカサバイバー」を紹介する時、「こんばんはウルフルズです、楽しんでください、 お待ちかね、バカサバイバー!」と、「お待ちかね」を付けたり、3曲目「借金大王」の入りの、「カネの切れ目は!」「縁の切れ目!」のコール&レスポンスで返ってきた声を「すばらしい!」と称賛したり、なんとなくテンション高めなご様子。
サポート・ギターが真心ブラザーズ桜井秀俊なのは、いつもどおり。で、キーボードは、3月7日の栃木で終わったツアー『ツーツーウラウラ シーズン2』では小杉泰斗が弾いていたが、今日は、活動休止期間のソロの時代から、再始動後のウルフルズまで、ずっとトータスを支え続ける男、浦清英に戻っている。
奥田民生とは古い付き合いだけど対バンは久々、30年前に鳥取の境港で『ガッツな息子がキラリ☆』というイベントで共演した(※ウルフルズ、奥田民生、スピッツ/1996年7月27日、境港市ゆめみなと博覧会会場予定地)、などということに、ジョンBと共に触れたトータスは、その話を「いやあ、生き残れてよかったです」と締め、笑いと拍手を浴びる。
それから、メンバー=ジョンB、サンコンJr.、桜井&浦を紹介。桜井は「今日は大分からこっちに来てくれた」とのこと。上空が濃霧で飛行機が飛ばず、リハに間に合わないギリギリの到着だったという。真心ブラザーズは現在年イチ恒例の弾き語りツアー『真心道中歌栗毛』の最中で、前日は大分の別府での公演だった。
そして「歌いまーす」と曲に入るや否や、トータスとオーディエンスの掛け合いになり、間奏で「有明! 奥田民生! I Love You!」とトータスが叫んだ「愛がなくちゃ」の次は、なんと「ハリマドライブ」。OTのYouTubeの「カンタンカンタビレ」で、OTが2015年にCharに提供した曲「トキオドライブ」を、ゲストを迎えてその人の出身地の方言で書き直して歌う企画で、OTとトータスが共作した曲である。トータス「半分は僕が……半分やないな、半分は言いすぎたね、僕は2割、いや、1割くらいですかね」。
「ほぼ人前で歌うことはないやろう、ということで、この曲を選びました。ズルをして、カンペを置かせてください」とカンペを出し、さらに、メガネをかけてから歌う。3コードのシンプルなロックンロールである曲調も、歌がトータスとメンバーの掛け合いで進んでいく点も、ウルフルズにとても合っている。
そこから「笑えれば」「バンザイ〜好きでよかった〜」とウルフルズ屈指のバラード2曲でオーディエンスを魅了した。
この日のセットリストは、前述の3月7日で終わったツアーの演奏曲の中から抜粋されたと思しきものだったが、次の「ツギハギブギウギ」は、そのツアーでは演奏されていない曲。トータスのギターソロ→ジョンBのベースソロ→サンコンのドラムソロを経て曲がスタート、ファンを喜ばせた。曲が終わっても止まらない歓声に、ジョンB、「ありがとうなあ」。
続いて歌われた「サムライソウル」が、歓喜ポイントだらけだったこのステージの中でも、特にピークだったかもしれない。トータス、もう「すさまじい」としか形容できない歌いっぷり。歌い終えた時の、オーディエンスの拍手の大きさと終わらなさにも、すさまじいものがあった。
「三十数年前、ウルフルズがまだ全然売れてなかった頃に、奥田民生って人がね、あちこちでウルフルズー、ウルフルズー、って言いふらかしてくださったおかげでね──」と感謝を伝えたトータス、「いずれにせよ、長い付き合いをしていて、今日は感慨深いです。お互い元気でいつまでもやりたいね」。
というMCで、さらに拍手を浴びてからのラストは「ええねん」。「歌ってくれ!」と叫ぶトータス、声を限りに「ええねん」コールを返すオーディエンス、という幸福な光景で、ウルフルズの時間が終了した。
さて、3年ぶりのMTR&Yとしてのツアーを3月末までやっていた(プラスあと4本振替公演がある)奥田民生は、そのツアーでやっていた曲が半分くらい、それ以外が半分くらい、というセットリスト。最新音源『あまりもの』からは、3曲目「うちょうてん」、5曲目「僕的地」、10曲目「スピード」の3曲が演奏された。
奥田民生(MTR&Y)

SEなしで出て来て、「よろしくお願いしまーす」と一言だけ言って、1曲目「近未来」でものすごいバンド・サウンドを放つ、という、いつものことだけど、いつもすごい始まり方。続いて「風は西から」と、ツアーで演奏しなかった2曲を続けて、ファンをヒートさせる。
「60を越えてウルフルズと対バン(※5日前に61になったばかり)。もう、これでいきましょうよ。ひとりで2時間とかもういいよ。対バン、対バンで……ウルフルズがずっとツアーをやって、時々俺がいるっていう。それで10年ぐらいやりたいなあ」
「対バンにしてくれてありがとう。本当は逆がよかったけどね、順番が。曲調的にあっちだろう、ドラマチックなのは」
などという、いかにもなMCをはさんでの「うちょうてん」の軽やかさと、「なんでもっと」の乾いた叙情性で大拍手を浴びてから、「次、『借金大王』だっけ?」。で、『あまりもの』からの「僕的地」、雄大なタイム感にオーディエンスを浸らせる。そしてOT、「カネの切れ目はー!」とコールを求めて、「縁の切れ目―!」とお客たちに返される、を二回くり返してから、歌った曲は、ウルフルズの「かわいいひと」だった。あっはっは。でもいい歌いっぷりで、いい演奏。
小原礼
斎藤有太
湊雅史
そこからおなじみのSEが響いての「イナビカリ」、「マシマロ」、「御免ライダー」と、大人気曲を連打して(でも「マシマロ」は、近年は、こういう時はやるけど、ワンマンではなかなかやらない、やっても「マシマロ(ック)」の方が多い気がする。現にイントロが始まった瞬間に、歓声があがった)、オーディエンスをピークに導いてから、新たにそのリストに入りそうな、『あまりもの』からの「スピード」でダメ押し。
そして、「対バンはいいね。これでもうちょっとやったら終われるもん。全国のバンドのみなさん、ぜひ対バンを」などと言ってから、「無限の風」のあのリフを弾き始める。その曲を終え、「ウルフルズも私も、まだやってます!」「あいつがまた、次の大河出るとか言ったら引きずり下ろします!」という宣言で大ウケしてからのラストは、「さすらい」。サビで大合唱が起きるのは恒例の光景だが、この日は特にその声が大きかった、ような気がした。
ENCORE SESSION【奥田民生(MTR&Y)+ウルフルズ+桜井秀俊】
アンコールは、MTR&Yの4人に、ボーカル&コーラスでウルフルズの3人と、ギターで桜井秀俊が加わる。トータス&ジョンB&サンコンに、OT、「きみたち、ハンドマイク3人、すごいやる気を感じる」。そして「桜井、カウント出して」と指令、彼の「1,2,3,4」で「ガッツだぜ!!」が始まった。1コーラス目はトータス、2コーラス目はOTがリードボーカルをとり、そこに合いの手を入れていたジョン&サンコン、後半でトータスが倒れると、「殿ぉー!」「殿、しっかり!」と駆け寄る。OT、「そのためのハンドマイクか!そのためだけの!」。で、お客の「ガッツだぜ!!」コールでトータスが蘇生、最後まで歌い切る、というお約束の展開に。曲の最後はOTに命じられてジョンBがジャンプで締め、「なんで僕なん?」と言ったと思ったらまた演奏が始まり、サンコンがジャンプで締めた。トータス、「ちゃんと笑ってくれて、ありがたいですよね」。


アンコールの2曲目は、キーボード浦清英も加わり、全員で「イージュー★ライダー」。1コーラス目はOT、2コーラス目はトータスが歌い、ギターソロはOTに「はい桜井!」とコールされた桜井秀俊がボトルネックで弾きまくる。サビでは、ステージの上も、ステージの下も、全員が声を揃えた。
最後に、三浦憲治巨匠による記念撮影。近しいことは誰もが知っているが、この2組で対バンをすることは考えてみたらなかなかない、とてもレアで貴重で幸福な時間が終わった。
SET LIST
〈ウルフルズ〉
01. おっさんのダンスが変だっていいじゃないか!
02. バカサバイバー
03. 借金大王
04. 愛がなくちゃ
05. ハリマドライブ(奥田民生 feat. トータス松本)
06. 笑えれば
07. バンザイ〜好きでよかった〜
08. ツギハギブギウギ
09. サムライソウル
10. ええねん
〈奥田民生〉
01. 近未来
02. 風は西から
03. うちょうてん
04. なんでもっと
05. 僕的地
06. かわいいひと(ウルフルズ カバー)
07. イナビカリ
08. マシマロ
09. 御免ライダー
10. スピード
11. 無限の風
12. さすらい
ENCORE SESSION【奥田民生(MTR&Y)+ウルフルズ+桜井秀俊】
1. ガッツだぜ!!
2. イージュー★ライダー
























