兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第212回[2026年6月後半・『やついフェス』2デイズ、『カッコーの巣の上で』、『海辺の独裁者』、真心の『青山フォーク村』、などの7本を観ました]編

コラム | 2026.08.04 16:00

イラスト:河井克夫

主に音楽のライターである兵庫慎司が、生で観た(たまに配信でも)、音楽も音楽以外も含むすべてのライブのレポを書いて、月二回ペースでアップしていく連載の、212回目=2026年6月後半編です。
最近、毎回のように全日本プロレスが入っていますが、この連載を読んでいる全日ファンがいるとは思えないし、普段この連載を読んでくれている方が喜ぶとも思えない、書く意味あるのか、でも観たものは全部書くルールだし……と思いながら、書いています。
ただ、自分が全日に通い始めたのが、安齊勇馬が『バチェロレッテ4』に出演して大ブレイク→動員が急上昇、という事件の半年ほど前=昨年の秋からだったので、その「大ブレイク→急上昇」の一部始終を生で体感することができたのは、とてもうれしいものがありました。

6月18日(木)18:30 全日本プロレス @ 後楽園ホール

全7試合のうち4試合が、ベルトがかかったタイトルマッチ、という異常な日。代々木第二とか大田区体育館ならわかるが、平日の後楽園ホールで、なんでここまで!?という豪華さもあり、折からの「安齊勇馬『バチェロレッテ4』出演で大ブレイク」もあり、チケットは早々と完売。普段はお客を入れない、2階バルコニーの立見まで満員。
以下、この日のタイトルマッチ4試合の結果。名前の右の◯と×が、勝者と敗者です。
・世界ジュニアヘビー選手権試合 王者:立花誠吾×vs挑戦者:田村男児◯
・NWA世界ヘビー級選手権試合 王者:“ザ・スリルビリー”サイラス・メイソン◯vs挑戦者:芦野祥太郎×
・アジアタッグ選手権試合 王者:ISHIN&加藤良輝×vs挑戦者:青柳亮生&ライジングHAYATO◯
・三冠ヘビー級選手権試合 王者:宮原健斗◯vs挑戦者:鈴木秀樹×

6月20日(土)11:30 『YATSUI FESTIVAL! 2026』1日目 @ 渋谷10会場/ニコニコ動画

毎年行って、毎年オフィシャルのレポを書いている、エレキコミックやついいちろうプレゼンツの『やついフェス』。1日目のレポはこちら。
YATSUI FESTIVAL! 2026、史上最多動員で迎えた1日目をレポート

6月21日(日)11:30 『YATSUI FESTIVAL! 2026』2日目 @ 渋谷10会場/ニコニコ動画

『やついフェス』、今年は、去年までとは大きく変わった点がひとつあった。ということを最後に書いている、2日目のオフィシャルレポはこちら。
YATSUI FESTIVAL! 2026、2日目をレポート!来年の開催日程も発表

6月27日(土)13:00 『カッコーの巣の上で』 @ 渋谷PARCO劇場

1975年公開のアメリカ映画で、世界各国で(日本でも)舞台化されてきた名作を、松尾スズキが演出(上演台本も)。出演は、間宮祥太朗、坂東龍汰、近藤公園、菅原永二、黒田大輔、徳井優、皆川猿時、江口のりこなど。東京・愛媛・大阪・北九州・仙台で公演、僕が観たこの日は、東京・PARCO劇場での27公演のうちの24 公演目だった。
公演がスタートして、だいぶ経ってからの観劇だったので、各方面からの絶賛っぷりを知った上で観たが、それでもさらに上乗せして絶賛したくなるほど、おもしろかった。
間宮祥太朗と江口のりこの快演(怪演でもある)を筆頭に、どのキャストもやたらとキャラが立っているし、精神病院にならず者が加わって波乱を巻き起こしていく、という物語自体も、「そりゃ確かに日本で演出家を選ぶなら松尾スズキですよね」と言いたくなるくらい、ばっちり合っているし。
唯一、意外だったのは、今回は笑いに走らないようにする、というようなことを、松尾さんが自身のメルマガに書いておられたが、それでもつい声を出して笑ってしまうポイントが、いくつもあったこと。でも、そこにも松尾スズキらしさを感じた。

6月27日(土)17:30 真心ブラザーズ @ 日本青年館ホール

真心ブラザーズが複数のゲストを迎えてアコースティック・ライブを行うシリーズ企画で、場所によってタイトルが変わる。今回は『青山フォーク村』。ゲストは、はっとり(マカロニえんぴつ)、中納良恵(EGO-WRAPPIN’)、仲井戸“CHABO”麗市の3人。
これはセトリ、書いた方がいいな。頭2曲と本編最後の14〜16曲は、真心のふたりだけです。

1.フォーク村のテーマ
2.BABY BABY BABY
3.マイ・リズム
はっとり登場
4.悲しみの果て(エレファントカシマシ)
5.想い出がいっぱい(H2O)
6.ヤングアダルト(マカロニえんぴつ)
中納良恵登場
7.ヘイヘイブギー(笠置シヅ子)
8.サニーサイドメロディ(EGO-WRAPPIN’)
9.サイコアナルシス(EGO-WRAPPIN’)
仲井戸“CHABO”麗市登場
10.よォーこそ(RCサクセション)※ちょっとだけ
11.心に太陽(チャボとYO-KINGの共作)
12.毎日がブランニューデイ(忌野清志郎)
13.ガルシアの風(仲井戸“CHABO”麗市)
14.突風
15.流星(吉田拓郎)
16.サマーヌード
アンコール
17.空にまいあがれ(全員で)

はっとりが選曲して歌った「悲しみの果て」、見事だった。中納良恵の笠置シヅ子、すばらしく合っていた。チャボさんは、10年くらい前にYO-KINGと一緒に書いたという「心に太陽」という曲が1曲目。「毎日がブランニューデイ」は、チャボさんが忌野清志郎と最後に一緒に書いた曲で、曲を終えたあとに、その時のエピソードを明かした。
チャボ「あいつが最後のアルバムに吹き込んだんだけど、吹き込んですぐいなくなっちゃったから。なるべく俺が代わりに歌っていこうかなって思ってる。今夜、真心のふたりに一緒に歌ってもらったよ、清志郎、聴いてた?」。
なお、「ガルシアの風」は、YO-KINGからのリクエスト。初めてチャボさんと共演したという桜井秀俊、大興奮でした。

6月28日(日)13:00 『海辺の独裁者』@ シアターコクーン

6月27・28日の2日で3公演行なわれた、原作・監修:松尾スズキ、演出・振付:康本雅子のコンビ「スーパーマツヤス」による、ダンスの公演(の2公演目)。つまり、2日続けて松尾スズキ関係の公演を観た、ということです。そもそも、同じ時期に同じ渋谷でやっている、という事実自体が、なかなかありえないことなんだけど。
小説トリッパー2025年冬号に掲載され、2026年7月7日に書籍化になった、松尾スズキの短編集『海辺の独裁者』を原作として、康本雅子が振付をしたもので、そのふたり以外に、9人のダンサーと役者が出演(大人計画の宮崎吐夢も)。
で。これ、すんごい説明が難しいのだが、確かに、短編小説集が原作になっているダンス公演だった。登場人物が小説の一節を朗読したりするシーンがあるから、というだけではなくて、全体の構成とか、展開とか、ダンサーたち・役者たちのパフォーマンスとかが。
ただ、僕は、トリッパー掲載時に原作を読んでいたので、そのことがわかったが、もし読んでいなくて、単にダンス・パフォーマンスの公演として観ても、楽しめただろうな、とも思った。とにかく、こんなものを観たのは初めて、間違いなく。3公演だけなのがもったいない。

6月28日(日)17:00 ウルフルケイスケバンド @ 荻窪TOP BEAT CLUB

東京で行われるのは年に一回ぐらいのペースの、ウルフルケイスケが自身のバンドで行うライブ(普段はギター1本持って、ひとりで全国を回っている人なので)。ボーカルとギター:本人、ベース:中西智子、ドラム:小宮山純平、キーボード:伊東ミキオの4人。
伊東ミキオが歌う曲や、小宮山純平が歌う曲や、ボ・ガンボスの「さかなごっこ」や有山じゅんじと上田正樹の「俺の借金全部でなんぼや」などのカバー曲もあり。ウルフルズの「いい女」も。
中盤では、ゲストのワタナベマモルが3曲歌う。その3曲目は「僕もケーヤンも、みんなライブハウスで育ったんだ!ライブハウスがなければ、俺たちは死んでいたかもしれない!」という叫びからの「いかすぜライブハウス」だった。コロナ禍になったばかりの2020年4月に、全国のライブハウスへのエールとして書き、MAMORU&The DAViESでリリースした曲である。彼はアンコールの「Going Back Home」(Dr.Feelgood)と「まいどハッピー」(ウルフルズ)にも参加した。
というふうに、とてもバラエティに富んだ内容。シンプルなロックンロールのかっこよさ、心地よさ、奥深さを、次から次へと堪能させてくれる約1時間50分だった。

  • 兵庫慎司

    TEXT

    兵庫慎司

    • ツイッター
  • DI:GA ONLINE 10周年

SHARE

関連記事

イベントページへ

最新記事

もっと見る