YATSUI FESTIVAL! 2026
2026年6月21日(日)
Spotify O-EAST / Spotify O-WEST / Spotify O-nest 5F / Spotify O-nest 6F / Spotify O-Crest / duo MUSIC EXCHANGE / clubasia / LOFT9 shibuya / WOMBLIVE / shibuya 7thFLOOR
DJやついいちろうのプレイを経て、2026年の『YATSUI FESTIVAL!』の2日目の開会宣言を行ったのは、高城れに。今日が誕生日である。「れにちゃんのファンに支えられての15年なので、今年は紫を作りました」と、やついにフェスのオフィシャルTシャツをプレゼントされ、「ももクロ18周年、やついフェス15周年、私高城れには今日33周年、プリンセス天功さんは6月29日にお誕生日。こんなにめでたいフェスはありません、代表して私が開会宣言させていただきます!」。そして、「ポジティブ・アテンションプリーズ!」「きみの世界をまもって!」「spart!」「一緒に」の4曲で、オーディエンスを沸騰させた。
O-EASTの二番目のアクト、プリンセス天功は、空の箱の中から登場するというイリュージョンでスタート。KinG00(プリンセス天功・シンガーソングライターのyucat・天功のペットのホワイトライオンのユニット)でリリースした「Magical Jungle」と、「キングのテーマ~KinG#00」を、プリンセス・ガールズ(6 人の少女ダンサー)と共に歌い踊る。最後は巨大な矢で腹を貫かれるイリュージョンを見せ、「皆様にいっぱいいいことがありますように」と祈り、トランプを盛大に撒いてから、ステージを去った。
続くO-EASTのアクトは、純烈・酒井一圭のプロデュースで今年4月にデビュー、ファースト・シングル「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」がいきなり大ヒット中のモナキ。「ねがい」でスタートし、「こんなもんじゃねえ」で4人それぞれがフロアに下りてラウンド(お客さんと握手して回る)を行い、最後に「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」を歌唱。本当に、ものすごい人気で、ものすごい盛り上がり。酒井一圭が「純烈の今年の紅白出場の最大のライバル」と見なすのも頷ける。両方出場になることを祈ります。
2日目の7thFLOORの二番手は、前日の酩酊小町と同じく、「Victor Entertainmentオーディション優勝枠」の、MATSUBA。上方落語家の桂枝之進と、トラック・メーカーのレヲ チバのふたりで、テクノ・トラックと落語を合わせるという、斬新極まりないユニットである。他ではまず観られないし聴けないそのパフォーマンス2曲で、参加者を圧倒した。というか、おもしろかった、とにかく。2曲目の落語は『宿屋仇』でした。
その直後にO-nestの6Fで始まったのは、前日は水中、それは苦しいでO-Crestに出演、今日はひとりで弾き語りでこのステージに上がった、ジョニー大蔵大臣。長年数々の現場で鍛え抜かれてきた人ならではの、歌とトークで場を沸かせる。人様の曲を大量に織り交ぜながら歌う「保育園落ちた、吉田死ね」が、特に大ウケだった。
続いて、O-Crestに登場したこのフェスの重要人物であるSundayカミデ率いるワンダフルボーイズは、今年の頭にサックス&フルートの林未来彦がロードバイクで転んで歯が折れ、1年ぐらいライブができなくなってしまった。「僕らシレッとやってますけど、大打撃を受けながらライブをしてるんですよ、ほんとは! サックスがいてないて! バイトリーダーがいてないみたいな!」。代わりに大阪時代からの付き合いのキーボーディストがサポートで加わったライブ・パフォーマンスは、そんな大打撃を感じさせない、いつものように楽しくて、いつものようにちょっとせつない、ワンダフルボーイズならではのものだった。
club asiaの3アクト目の171も、スタートして間もなく入場規制がかかる。ボーカル&ギターの田村晴信、自分のTシャツを指して「なんかわかります? これ」。次にこのステージに出るテレビ大陸音頭のTシャツである。去年「やついフェス」に出た時、彼らのライブを観て、すごい感銘を受けて、連絡先を強奪して、Tシャツを買った。それ以来、ツアーに出てもらったり、ライブを観に行ったりしている。フェスって、出る方は搬出入なんかで忙しくて、出番が終わるとすぐ帰ってしまうことも多い。でも去年のやついフェスは、1日超楽しませていただいて、むちゃくちゃいい思い出です。今年もみなさんむちゃくちゃいい思い出を作ってください──というMCを、「やついフェス最高!」という雄叫びで締め、次の「快速急行」に入る田村晴信だった。
アイドルとお笑い=ステージの機材転換がないアクトがどんどん出演するWOMBの2日目の前半は、selfish、アップアップガールズ(2)、りんご娘、「お笑いコーナー(桂枝平、つめたいごはん、マッハスピード豪速球)」というスロット。その次のα+は、今年2月にデビューしたばかりの11人組のアイドルグループで、前日にZepp Shinjuku (TOKYO)で初めてのファンミーティングを行ったばかりである。当然「やついフェス」も初出演。10月〜11月の初の東名阪ツアーの告知も入れつつ、華やかで、力のこもったパフォーマンスをくり広げた。
2日目の『やついフェススペシャル歌合戦』は、MCは前日と同じくやついいちろうと堂島孝平、審査員はプリンセス天功と、彼女がラスベガスで飼っているホワイトタイガーに扮したしまおまほ。なお、前述のホワイトライオンも、このホワイトタイガーも、名前は同じ「キング」らしい。
この日最初の出場者は、流れ星☆のちゅうえい。登場するなり、やついに「引退してください」と言い放たれ、「トップバッターに向けて言う言葉じゃないですよ!」と憤る。おなじみのネタ「ドラゴンボール風居酒屋」を経て、NIRVANAの「Smells Like Teen Spirit」を歌えと突然やついに命じられて演奏が始まる、という、去年から始まったムーブを四回くり返すちゅうえい。ヘトヘトになって歌ったのは、歌詞の中で「ちゅうえい」と言ってしまったら強制終了、というルール付きで、サカナクションの「怪獣」。二回歌って、二回とも曲が途中で終わった。
二番手は、2015年にこの「歌合戦」が始まった時にも出場している、Charisma.comのいつか。「きついよ!ヤだ、ちゅうえいさんのあと」と愚痴りながらも、第一回の「やついフェス」にも出ているTEMPURA KIDZのKARIN・YU-KA・AOと共に、Snow Manの「カリスマックス」を歌い踊る。すごいクオリティである、ダンスもラップも歌も。プリンセス天功、「もう私、出たかったです!」と絶賛。しまおまほは、「ここでこんなに本気を出すメリットは? なにゆえこんなにクオリティの高いものを見せていただけるのか……」。
いつか(Charisma.com)& KARIN・YU-KA・AO(TEMPURA KIDZ) Photo by冨田味我
次は、昨年「ガラスの十代」を歌ってMVPに輝き、今年は「パラダイス銀河」を歌った大沢樹生。その世代であってもなくても、誰もが知っている大ヒット曲を本人が歌っている、という状態に、興奮したフロアから歓声が飛び、シンガロングが起きる。最後にはステージから落ちるほどの大熱演で、「当時子供だったみなさんが、子供みたいな顔してはしゃいでるのが最高だなと思いました!」と、堂島孝平は称賛。大沢樹生は「『パラダイス銀河』、いまだに歌詞の意味がわかんないです」と返した。
2020年、2021年と連続でMVPを受賞、2022年には「ひとり劇団四季で『ライオンキング』を歌う」パフォーマンスで、皆を震撼させた眉村ちあき。しかし、本来の出演枠以上に、この「歌合戦」に重きを置くことになっているのは本末転倒では、と、それ以来辞退していたが、今年は久しぶりに登場。「ただいまー!うわあ、久しぶりに歌合戦だあ!」と歓喜の声を上げる。曲は槇原敬之の「僕が一番欲しかったもの」、最高音から最低音までを自在に行き来する圧倒的な歌唱力で、オーディエンスを魅了した。しまおまほ、「眉村さんに歌ってもらうと、歌が喜んでいるような感じがしました」。
以上のアクトが終わり、天功&しまおの審査の結果、MVPに選ばれたのは、なんと、ちゅうえい。本人「えー!? 俺―??」。やついが「ウィニング・ニルヴァーナ」を振り、バンドとちゅうえいがそれに応えてから、Sundayカミデが加わっての「FESTA!!!」で、コーナーが終了した。
高橋一(Trumpet,Vocal)曰く「むちゃくちゃ久しぶりに出させてもらう」思い出野郎Aチームは、16:30からduoに出演。「楽しく暮らそう」「独りの夜は」「人生は失敗だった」「笑い話の夜」「夜のすべて」「アホな友達」「週末はソウルバンド」「繋がったミュージック」「ダンスに間に合う」という、名曲オンリーのセットリストだった。ホーン隊は19:30〜O-WESTのTENDOUJIに、ファンファンはO-EASTトリの小山田壮平BANDに、このあと出演することを、高橋一がお知らせする。ラストの「ダンスに間に合う」では、ミラーボールが回る中、超満員のオーディエンスがフルボリュームで声を揃える、という、感動的な光景になった。
現在弾き語りツアーの最中だが、この『やついフェス』のO-EASTには、バンド編成で登場したKIRINJI。堀込高樹(Vo.Gt)/小田朋美(Key,Vo)/シンリズム(Gt,Cho)/角田隆太(Ba)/伊吹文裕)(Dr)/宮川純(Key)の6人によるステージである。堀込高樹、「時間いっぱいに、詰め詰めに曲を持ってきたんで、あんまりしゃべってる感じじゃない」と言いつつ、「時間がない」で始まり「flush! flush!flush!」で終わる8曲を演奏。2001年の超名曲「Drifter」も、今年1月に出た最新アルバム『TOWN BEAT』からの「素敵な夜」や「flush! flush! flush!」も、同じようにオーディエンスを魅了した。
思い出野郎Aチームの次は在日ファンク、と、カクバリズムのバンドが続いたduo。4曲目の「チャーハン」でハマケン(浜野謙太)は、「一緒に歌おう!」と呼びかけてシンガロングを起こしたあと、「この曲、キラー・チューン然として、やってますけど、まだ出してません。しかも去年の『やついフェス』でもやってる」。確かにやっていた。そこからハマケン、在日ファンクは来年で20周年なので、なんらかの音源を出して、「在日ファンクがここでやるんだ? 思い切ったね」というハコでライブを行うことを宣言する。ラスト3曲の「きず」「爆弾こわい」「おすし」で、参加者をさらに、めいっぱい、ヒートさせた。
30年来の付き合いになるという、サニーデイ・サービスと井ノ原快彦。昨年は「サニーデイ・サービスwith井ノ原快彦」としてO−EASTに出演したが、今年はまずサニーデイ・サービスで40分、次に井ノ原快彦withサニーデイ・サービスとして30分、という構成である。サニーデイは「青空であること」「さよなら!街の恋人たち」「コンビニのコーヒー」「春の風」「青春狂走曲」「風船讃歌」「セツナ」の7曲で、「セツナ」は後半で恒例の長尺インプロヴィゼーションあり。井ノ原快彦withサニーデイ・サービスは、曽我部恵一曰く「去年はジョイントって感じだったけど、今年はイノッチに思う存分歌ってもらいたいと思って。バックバンドに徹します」。2008年に、20th Century(以下トニセン)にトータス松本が書いた「オレじゃなきゃ、キミじゃなきゃ」。トニセンが40歳になった時にリリースした「不惑」(作詞はKIRINJI堀込高樹)。御徒町凧&森山直太朗が曲提供した、2010年の井ノ原のソロ曲「遠いところまで」。同じく井ノ原のソロ曲で、1998年にSIONが曲提供した「お前がいる」。V6の解散後、トニセンのリスタートのタイミングで、詞曲:曽我部、演奏:サニーデイでリリース、MVにもサニーデイが出演している「夢の島セレナーデ」。ラストは、『出没!アド街ック天国』の「百景」のコーナーで流れている、作詞・作曲・歌唱が井ノ原の「あの街この街」(編曲は江沼郁弥)。以上の6曲を、サニーデイの演奏で井ノ原が歌う、至福の時間だった。
井ノ原快彦withサニーデイ・サービス Photo by 冨田味我
今年の『やついフェス』最後の「お笑いコーナー」は、コウメ太夫・鬼ヶ島・しずる・や団。コウメ太夫は、「誰か私を、意味わかる人にしてー!」と叫んだと思ったら、いつもの着物姿からマイケル・ジャクソンに早替りしてダンスを見せ、拍手喝采を浴びる。年齢を重ねても学生服コントでおなじみの鬼ヶ島は、教室でコックリさんをやる生徒たちのネタで、じわじわと笑いを生む。しずるは「あれさあ、高橋英樹じゃない?」の一点突破のコントで、どんどん笑いが大きくなる。や団は、2025年の『キングオブコント』決勝で披露した「餃子」で、やはり大爆笑を取った。
コウメ太夫 Photo by カタダ ショウヘイ(シブヤテレビジョン)
鬼ヶ島 Photo by カタダ ショウヘイ(シブヤテレビジョン)
しずる Photo by カタダ ショウヘイ(シブヤテレビジョン)
や団 Photo by カタダ ショウヘイ(シブヤテレビジョン)
そして、O-EAST、2日間の大トリは、小山田壮平BAND。以前は弾き語り、最近はバンド編成での、『やついフェス』の常連組のひとりである。サウンドチェックが終わっても、一回ステージをはけずに、そのままジングルを待ち、本番に突入する5人。andymoriの「クラブナイト」と「Peace」、2024年の「時をかけるメロディー」と2026年の「夕暮れの百道浜」と2024年の「マジカルダンサー」、2020年の「雨の散歩道」と「スランプは底なし」、 andymoriの「革命」と「ベンガルトラとウィスキー」、2020年の「君の愛する歌」。本編は以上の10曲で、アンコールはandymoriの「ファンファーレと熱狂」と「Sunrise&Sunset」が追加される。もうこれ以上入りません! というくらい超満員のO-EASTが、ずっと歓喜と興奮に包まれたままの、まさに、2日間の大トリにふさわしい時間だった。
という時点で、この日もけっこう押していたため、前日と同じく、DJやついいちろうの時間は「舞台転換と皆が集まるのを待つ時間」に当てられ、COMPLEX「BE MY BABY」、渡辺美里「My Revolution」、Owl City & Carly Rae Jepsen「Good Time」の3曲で終わり。で、エンディングへ……と思ったら、ここでサプライズが。Charisma.comいつかと、いとうせいこうと、やついの3人が、今日は久々に揃っているので──と、10年前にこの3人でリリースした「YYY」を、パフォーマンスしたのだ。2021年に「FESTA!!!」ができるまで、各アクトの登場時のジングルだった、このフェスにとって重要な曲である。
いつか(Charisma.com)&いとうせいこう&やついいちろう Photo by 冨田味我
そして、残っていた出演者たちが登場し、サニーデイ・サービスの演奏と歌で、このフェスのテーマ曲「月が今夜笑ってるから、ぼくらそっと東京の空を見上げる」へ。曽我部恵一、西寺郷太、小山田壮平、工藤祐次郎、井ノ原快彦、眉村ちあきなどが歌いつないで、大団円を迎えた。
やついが愛し、やついが認めるミュージシャン・アイドル・お笑い芸人・文化人などが多数出演するフェスなので、「15年ずっと出ている」とゆってぃが自己申告したように、毎年必ず出演する人たちは何組もいるし、途中から始まって、毎年恒例になった企画も多い。それが『やついフェス』である。が、そんな『やついフェス』であっても、長く続いていく間に、必然的に起きる変化もある。たとえば、新しい学校のリーダーズやanoのように、昔は毎年出ていたが、今はそうではないアクトもいる(あれだけ大ブレイクすれば、そりゃそうだろうと思うが)。逆に、レキシ池ちゃんやCharisma.comいつかのように、久々に戻って来たアクトもいる。特に今年は、20年続いたエレ片のラジオ番組が3月で終わり、よって、エレ片が解散を迎えたため、片桐仁が出演せず、「エレ片劇団」のコーナーもなくなった。というのは、大きな節目だったのではないか、と思う。エレ片が終わったことで、『やついフェス』のある部分が、新しいフェーズに突入した、と言ってもいいかもしれない。今年もニコ生で配信があり、2日目のエンディングでの記念撮影の時、誰かが「片桐、観てるかな」と言ったのを受けて、瞬時に「絶っ対観てない。はいりさんの方の片桐は観てるかも」と言い切ったやついいちろうが、そう思っているか、いないかはわからないが。
なお、最後にやつい、2027年の開催日をアナウンスした。6月19日(土)と20日(日)。15年を経ても、16回目も、やはり楽しみです。

























