monobright TAIBAN Series 2026 〜SECOND PRIMAL〜
2026年9月4日(金)渋谷WWW
出演:モノブライト / POLYSICS
約8年間の活動休止を経て、2025年7月に新体制で再始動を果たしたモノブライト。彼らが原点回帰の想いを胸に『SECOND PRIMAL』と銘打ち、親交のあるミュージシャンを招いて切磋琢磨し合う対バンツアーが現在開催中だ。全6公演の折り返し、9月4日(金)東京・渋谷WWWでのライブの模様をレポートする。
まずは、この日ゲストに迎えたPOLYSICSが登場し、鉄板曲「シーラカンス イズ アンドロイド」「Electric Surfin' Go Go」から、音源化こそされていないものの、ライブでは定番の楽曲「D.B BOP」「Stop Boom」、オーディエンスにマイクを渡し歌ってもらう展開が痛快だった「Let's ダバダバ」まで、エネルギッシュかつ愛嬌のあるパフォーマンスで素晴らしいムードを創出。
約14年ぶりとなる共演を喜びつつ、POLYSICSのハヤシヒロユキ(Vo.&Gt.&Syn.&Prog)とモノブライトの出口博之(Ba.)が特撮好きで仲良すぎる話(深夜にハヤシ宅を訪問し始発時刻を過ぎても帰らない出口)、POLYSICSのフミ(Ba.&Syn.&Vo)がモノブライトの松下省伍(Gt.)らとキャンプに行き料理を振る舞ってもらった話など、互いの関係性が窺えるMCでも盛り上げ、理想的な形で主役にバトンを繋いだ。
そして、いよいよモノブライトがステージに。オープニングを飾ったのは、対バンツアー開幕直前にリリースされた「新しい海」。3コードの大らかなブルースサウンドに乗せて桃野陽介(Vo.&Gt.)が歌詞の“ようこそ”を清々しく告げる一方、松下省伍(Gt.)はザ・フーのピート・タウンゼントさながらにウインドミル奏法を見せたりも。出口博之(Ba.)は購入したばかりの5弦でメロディアスな低音を紡ぎ、再始動タイミングで正式メンバーとなった岩中英明(Dr.)がアンサンブルの支柱を担う。
全員でコーラスを重ね、すこぶるいいスタートを切ったかと思えば、攻めのセレクト「LET IT RIDE」(2012年発売のシングル「ムーンウォーク」カップリング曲)で意表を突き、疾走するロックな音像にシフトチェンジ。そのままテンポよく軽やかな「あの透明感と少年」へ。一曲ごとにフロアの熱量や歓声がはっきりと増す中、モノブライト活動再開の歓喜を聴き手が現在進行形でまだまだ噛み締めていることも伝わってきて心が弾む。
「改めましてモノブライトです。14年ぶりのPOLYSICSとのツーマンということで、渋谷WWWにお越しいただきありがとうございます。さっきハヤシさんも言ってたけど、やっぱりこの会場はお客さんと目が合うね(笑)。僕らにとっても念願のライブ。では、モリモリやっていきましょうか!」
嬉しそうに挨拶した桃野がタンバリンを持ち、続いては一転して甘美な、今の季節にベストマッチする「夏メロマンティック」。夕暮れ時のような淡いライティングと相まって、曲のセンチメンタルさがより際立ち、聴くうちに思わずキュンとしてしまう。ホットピンク×グリーンの照明を活かした「末裔シンドローム」も、鋭角的なギターワークや妖しくサイケデリックなノリがとにかく小気味いい。
先日、母校の中学が取り壊しになったと話す桃野。時代の移ろいを感じるも「何かが終わるということは、何かが始まるということ。だから、モノブライトも再始動してまたライブがやれている。新しい道をみなさんと歩んでいきたいです。ついてきてください!」と呼びかけ、今後の旅路が光あるように願いを込めて歌う「この道の続きで」。実にドラマチックで、間違いなくハイライトのひとつだった。
新旧の楽曲が調和してきたところで、ライブは佳境に突入。「テクノロジックに抱いて」のイントロでは「ドラムス、岩中英明」「ベース、出口博之」「ギター、松下省伍」と、それぞれが鳴らすフレーズに合わせ、桃野がメンバーを誇らしげに紹介する。対バン相手のPOLYSICSを踏まえたであろう、ニューウェイヴ色の濃いサウンドが解き放たれ、マシンガンカッティングとダンスビートを織り交ぜたような強気のグルーヴが炸裂していく。
EDMに振り切ったアレンジが新鮮な「君だってパイオニア」は会場の揺れを体感できるほどの盛り上がりを見せ、続くダンスロックチューン「踊る脳」はオリエンタルな風味や裏打ちのリズムが心地よく響く――知性と変態性を絶妙なバランスで兼ね備えたモノブライトらしいユーモアは、後半に進むにつれて極まるばかり。再始動に伴う気負いを漂わせず、今の彼らが纏う無敵感たるや、一朝一夕では身につかない凄みがある。
あれこれ考えていた矢先、「懐かしむためじゃなく、まだやることがあるので再始動したんです。よろしくお願いします!」と松下から気持ちのいい言葉が。ファンは特にグッとくる瞬間だったと思う。さらに「同級生のドラムが入ってきました(笑)」と新メンバーの岩中に触れる一幕も。
機を逃さず「Let's!」と元気よく叫び、会場に爆笑を巻き起こす岩中。もちろん、POLYSICS「Let's ダバダバ」サビ部分の引用で、本人曰くヤノマサシ(Dr.&Vo.)へのリスペクトを込めたそうだが、納得がいかない桃野は「今さ、まっつん(松下)がいいこと言ってるんだから。他にあったんじゃないの? 新参者が急に“Let's!”はないだろ~」と突っかかる。そんなやり取りもありながら、松下は「曲がある程度ね、まとまったものを作りたいな」という前向きな言葉を会場に向けて放った。
本編ラストは再始動後・初のシングルとして、復活の狼煙となった「ジャンピンジャックフラッシュ」。桃野が“今日から始まる旅路は 心配しなくていいよ”とアカペラで高らかに歌い出す。4人全員が「ワン、ツー、スリー、フォー」とカウントして笑みをこぼす。これまでの葛藤とこれからの希望を刻んだ曲が美しく響きわたるパーフェクトなフィニッシュとなり、充実の表情でモノブライトはステージを降りた。
アンコールはPOLYSICSのハヤシを呼び込み、共に演奏してみたかったというモノブライトの「空中YOU WAY」をコラボ。ハヤシの切れ味鋭いボーカル&ギターソロ、“えらやっちゃ えらやっちゃ 酔い酔い酔い TOISU!”のコール&レスポンスが決まるなど、フロアは興奮の坩堝と化し、最高にハッピーな空気のままエンディングとなった。来年、デビュー20周年を迎えるモノブライトと来年で結成30周年のPOLYSICS。00年代以降、音楽シーンを駆け抜けてきた両者が創り上げた空間は、未だ愛おしく希望に満ち溢れるものだった。
なお、対バンツアー『monobright TAIBAN Series 2026 ~SECOND PRIMAL~』は残り2本。フラワーカンパニーズを迎える10月16日(金)の東京・LIQUIDROOM、Have a Nice Day! を迎える10月24日(土)の大阪・BIGCATとなり、各プレイガイドでチケットが発売中だ。再始動後のレパートリーを軸に、かつてないダイナミックな演奏で魅せる今のモノブライト、ぜひこの機会にチェックを。
SET LIST
POLYSICS
01. SUN ELECTRIC
02. オールウェイズハピネス
03. Sparkling Water
04. Shizuka is a machine doctor
05. D.B BOP
06. Stop Boom
07. Don't Cry
08. DTMK未来
09. シーラカンス イズ アンドロイド
10. Rocket
11. Digital Coffee
12. Electric Surfin' Go Go
13. Let's ダバダバ
14. Speed Up
モノブライト
01. 新しい海
02. LET IT RIDE
03. あの透明感と少年
04. 夏メロマンティック
05. 末裔シンドローム
06. この道の続きで
07. テクノロジックに抱いて
08. 君だってパイオニア
09. 踊る脳
10. ジャンピンジャックフラッシュ
ENCORE
01. 空中YOU WAY











