
変わっていくこと、変わらないものを、変わらない温度感で出来るバンドでありたいと改めて思える一枚になりました(PON)
──9月16日にリリースされる、最新ミニアルバム『はなしのつづき』。すでにデジタルリリースされている「Believe」「Home」「Dreamer Believer」「きみのめ」に、新曲3曲を加えたラックライフの最新型が聴ける作品になりましたが、どんな作品になったのでしょうか?
PON(Vo./Gt.)去年1年足らず、制作期間を設けまして。ライブを絞って、制作に重きを置いてやってみようという形で活動をして。今作にはその間に出来た曲が収録されています。なので、ラックライフ的には楽曲的にも新しい取り組みが出来たり、歌詞も新しい視点で書けていたりして。ひとつ感じが変わったというか、進化したんじゃないか?と感じられるアルバムになったし。『はなしのつづき』のタイトル通り、変わっていくことを表せたなと思っています。人間生きてたら、新しいチャレンジがあったり、なんぼでも変わっていくことがあるんですが。それでも変わらないものがあったりとか、昔の話が出来たりというのもあって。僕らはそういったことを、変わらない温度感で出来るバンドでありたいと改めて思える一枚になりました。
──そこが“はなしのつづき”なんでしょうが、「いまだから書ける歌詞、伝えられること」が新曲6曲にすごく詰まっています。
PONそうですね。いま、自分にいろんなことがあるからこそ、まだまだ書けることがあるなというのはすごく思っているし、歌詞の書き方も変わってきてるんです。2年前にがんになった時、やっぱり生きる死ぬをすごく考えたんですが。そうなったら、覚醒するんじゃないか?と思ってたし、死の淵から生還したら悟りを開くんじゃないか?と思っていたんですけど。そんなことは全くなくて、全く同じ景色が広がっているだけで。
──「変わらないじゃん」ってことを知るのもまた、すごく貴重な経験ですけどね。
PONそう。そう思ったら、「いい人生を歩んできたんやな」って思えたんです。自分が死ぬかもしれへんってなった時、なにか変わっていくみたいなことが、もともと見えていたんじゃないかな?ってすごく思って。それをちゃんと大切にして生きてきたし、大切に歌ってきたから、死の淵を経験してもなにも変わらなかった。それを改めて噛み締めながら、歌詞を書けたところもあって、「終わりが来るまで」って曲は、自分がいなくなった世界を想像して書いたんですが。そういう境地に立ったからこそ、書けた歌詞だったと思うし。視点もちょっとずつ柔らかくなったというか、優しい歌が歌いたくなってきたというか。ラブソングみたいなものって書いてこなかったけど、「ラブソングもあって当然だわ、生きてるんだもの」と思えたり。そう考えると変わってんのかな?
──そんな気持ちがあったから、「きみのめ」や「Boo」みたいな曲も生まれたし。
PONまさに「きみのめ」や「Boo」はそうやって生まれてきた曲やったし。「こういう気持ちを大切にしたいよね」っていうのは思っていたけど、「改めて曲にしようかな?」と思えるようになってきたっていう変化はありますね。
──あと個人的には、「Dreamer Believer」がすごく響きました。
PONありがとうございます。制作期間を設けての一発目に出来た曲が、この曲やったんですが。制作期間を設けてもらって、「PONが書きたい曲を書こう」みたいな空気にしてくれて。ほんまにありがたいんですけど、それをお客さんにもそれを伝えていたので。「その後に出す曲は、120点じゃないとダメやろ!?」ってことに気付いた時は、地獄やと思いましたけど(笑)。そんなプレッシャーもある中で、ああいう曲が生まれたというのは、僕ららしいというか、すごく誇らしいところで。「この期間にこんな真っ直ぐな曲が書けるかね!?」みたいなことは自分でも思いました。
──うん、すごく真っ直ぐだし正直だし、愛があって希望があります。
PON「Dreamer Believer」って、真っ直ぐすぎるやん!」って思いますよね(笑)。でも、それをこれだけ音楽やってきて、そういうことをいまだに歌えることが誇らしいし。ボーナストラックに収録した「story」にも、どこか通ずる部分があるなと思ってて。「story」で<根拠のない自信>と歌っていますけど、その自信の所在が分かってきたというか、「実は根拠あんねんで、ちゃんと」みたいな風に思えていて。それってみんなが支えてくれてるからやったり、「音楽好きや」とか「オモロイわ」というエネルギーももちろんあるんですけど。「そこにはこういう根拠があるんやで」っていうのを、「Dreamer Believer」で歌えた気がします。
150曲くらいある中でも「これは違うから歌えへん」って曲が1曲もないんですよ(PON)
──6曲を聞いた後に「story」を聴くと、いまの楽曲たちとは熱量や温度感が少し違うなと思ったんですが。それをいまの自然な温度で表現出来ているのがすごくいいなと思ったし、ラックライフが伝えたいことの根の部分はなにも変わらないんだなというのをすごく感じて。ボーナストラックまで聴いて、もう一度頭から聴いた時に「story」の続きのようにも聴こえて。「あ、”はなしのつづき”ってそういうことなんだ」と納得しました。
PON確かに!それ言うてこ、いただきました(笑)。
──わはは、使って下さい(笑)。デビュー10周年、ラックライフの変わったことと変わらないことを具体的に挙げるならば?
PONラックライフのいいとこって、ほんまに変わらないところやと思うんです。僕が歌詞を書いてるんですけど、歌ってることも歌詞の内容も変わらないから、150曲くらいある中でも「これは違うから歌えへん」って曲が1曲もないんですよ。若い頃に書いた曲でも、「可愛いこと言うてるけど、芯食うてるで」みたいなことを全部の曲に思えて。それがラックライフとして表現している音楽のいいところやと思ってます。メジャーデビューしようが、アニメのタイアップが付こうがなにしようが、変わらずやり続けていられるからこそ、「story」の再録も出来たし。でも、それをやるには変わっていないと無理で。「変わらないでいるためには、変わっていかないと守れない」っていうのはすごく思ってて。そういことを歌詞にしたこともあるんですけど、改めてそれをすごく感じてます。
──根っこの部分は変わらないまま、キャリアを重ねて表現方法は変わっていたりして。それは必要として変わっている部分だし、変わらないために変わっている。
PONそうですね、表現の幅は確実に広がってます。だから、「変わったね」って言われることがあまりなかったし。「ラックライフ変わったね」って言われた記憶、「なにを言うてんの?変わったのはあなたですよ」と思って聞いてた気がします(笑)。ただ、どっちも変わって当然やと思うんで、それも全然いいと思いますけどね。







