兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第151回[2023年12月中盤・ピーズと大森靖子と銀杏BOYZ、おとぼけビ~バ~と四星球など5本を観ました]編

コラム | 2024.01.29 17:00

イラスト:河井克夫

 音楽などのライター兵庫慎司が、生で観たライブすべてのレポを書く連載の151回目、2023年12月の中盤編。1ヵ月で観た本数が14本以下の時は月二回アップ、15本以上の時は3回アップにしていて、この12月は15本だったので月三回、今回はその二回目=12月13日から22日までに観た5本です。久しぶりに渋谷LA MAMAへ行ったのと、初めて有楽町I’M A SHOWに行ったのが、今回の個人的トピックでした。

12月13日(水)18:30 ピーズ、大森靖子、銀杏BOYZ @ 立川ステージガーデン

 ぴあプレゼンツの、このすばらしい3組が揃った『dabadabada vol.2-Re:Re:Re:Live-』というタイトルのイベント。セッションもあり。オフィシャルのレポを依頼されて、喜んで書きました。ので、未読の方、ぜひ。
【ライブレポート】銀杏BOYZ、ピーズ、大森靖子が立川で激突!リスペクトに溢れた3マンライブ

12月14日(木)19:00 おとぼけビ~バ~、四星球 @ 渋谷LA MA MA

 ハコのブッキングでこの2バンドが対バン。意外にも……って、よく考えたら「何が意外なの?」と自分に言いたくなるが、とにかく、この2バンドで一緒にやるのはこの日が初。確かに、超満員のLA MA MA、両方のファンというよりも、それぞれのファンが集っている感じだった。どちらもめちゃくちゃ盛り上がっていたけど。
 おとぼけビ~バ~、ハードコア・パンクな音楽性といい、メンバーそれぞれの演奏の確かさといい、言葉のチョイスのセンスが良すぎて一瞬おもしろく感じるが、歌っていること自体はは一貫してシリアスであるところといい、現代のザ・スターリンだ、と、僕はけっこう真剣に思っている。この日も最高すぎ、体感時間短すぎ。あっという間に終わってしまった。
 中盤のMCで、ギターよよよしえ、「師走どすえー。あ、ごめんなさいね、みなさん、私たち、すっかり世界のイメージついてると思うんですけど、なんと私たち京都からやって来ました」と言って大いに笑いを取っていたが、でもほんとにもう世界のイメージである。2024年5〜7月の、Red Hot Chill Peppersのアメリカ・ツアーのうちの2本にゲスト出演することが、発表になったばかりのタイミングだったし。
 四星球は、この日も安定のおもしろさ、波のように爆笑を起こしっぱなしのステージ。
で。この連載の2023年11月中盤編(こちら≫ 兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第148回[2023年11月中盤・堂珍、サンボ、銀杏などの5本を観ました]編 )でも書いたのだが、「UMA WITH A MISSION」で康雄が生まれたての馬になった時、後ろの人も見えるように、お客さん全員がサッとしゃがんだ件。終演後にベースのU太に「あれ、最近は恒例なんですか?」と訊いたら「いや、今日が初めてです」と言っていたのだが、このLA MA MAでも、同じ瞬間に、みんなスッとしゃがんだ。
 四星球に限らず、「この曲のサビではみんな腕を左右に振る」とか「アンコールを求める時は『アンコール、アンコール』ではない独自のコールがある」などの、そのバンドのライブだけのルールって、ありますよね。ああいうのって、たいてい、いつどのタイミングでどういうふうに始まって恒例化したのか、わからないことが多い。だけど俺は、その貴重な「はじまり」の瞬間を、11月17日のCLUB Queで、目撃できたのかもしれない。
 と、興奮した。で、誰かに言いたくなったが、どこで誰に言っても「はあ?」で終わること必至なので、ここに書いてみました。

12月16日(土)17:00 堂珍嘉邦 @ 有楽町I’M A SHOW

 1ヵ月前の日本橋三井ホール2デイズとはまったく内容を変えて、バンド編成も変えて行われた、有楽町I’M A SHOWの2デイズ。このDI:GA ONLINEにレポを書きましたので、未読の方、ぜひ。
堂珍嘉邦がファンに感謝を贈る「クリスマス&歳末ライブ」。2023.12.16『“Now What Can I see ?”~Holly Garden~』有楽町I’M A SHOW、2デイズの2日目をレポ

12月17日(日)18:00 神はサイコロを振らない @ 東京国際フォーラム ホールA

 初めてのホールツアーのファイナル。このDI:GA ONLINEにレポを書きました。未読の方、ぜひ。未読の方、ぜひ。
神はサイコロを振らない、東京国際フォーラム ホールAがシンガロングで満ちた夜。12・17、初のホールツアーのファイナルをレポ

12月22日(金)19:00 突然少年、天国注射、DJブリーフマン @ 下北沢シェルター

 天国注射とDJブリーフマンを招いての、突然少年の企画ライブ『魂の味2023』。天国注射って、1980年代に日比谷野音とかで行われていたシリーズイベント『天国注射の昼』から名前を取ったのかな。じゃがたらとか町田町蔵とかが出演していたイベント。行ったことはないけど、当時、そのイベントのレポを、音楽雑誌で読んだことがあって、憶えていました。で、そうであっても不思議はないような、80年代的アングラ感と90年代以降のミクスチャー感を併せ持った感じが、なんとも魅力的なバンドだった。DJブリーフマンは知らなかったが、2年くらい前に活動休止したバンド、錯乱前戦のボーカルであることが、姿を見てわかった。
 で、突然少年。自分がしょっちゅう観ているせいかもしれないが、この日は、うーん、大爆発までは至っていないステージ、という印象だった。選曲のせいか、バンドのテンションのせいか、それ以外の何かが理由か、それとも、ただ自分の気分とかの問題でそう感じただけなのか(その可能性も全然ある)。とにかく、近いうちにまた観て確かめたい。

  • 兵庫慎司

    TEXT

    兵庫慎司

    • ツイッター

SHARE

関連記事

イベントページへ

最新記事

もっと見る