堂珍嘉邦がファンに感謝を贈る「クリスマス&歳末ライブ」。2023.12.16『“Now What Can I see ?”~Holly Garden~』有楽町I’M A SHOW、2デイズの2日目をレポ

ライブレポート | 2023.12.22 18:00

堂珍嘉邦 LIVE 2023 “Now What Can I see ?”~Holy Garden~
2023年12月15日(金)16日(土)I’M A SHOW
※ライブレポートは16日に実施

 ここ数年、誕生日(11月17日)近辺のタイミングで、日本橋三井ホールにて『“Now What Can I see ?”~Drunk Garden~』と銘打ったライブを行うのが恒例となっている堂珍嘉邦。2023年は11月18・19日に行われたが(そのレポはこちらhttps://www.diskgarage.com/digaonline/liverepo/189391)、今年は、その2日間とセットで、1ヵ月後の12月15・16日に、『“Now What Can I see ?”~Holly Garden~』というタイトルの2デイズ・ライブも開催された。
 このようにセットで開催するのは、2021年以来二度目。ただし、その年はどちらの公演も、コロナ禍であることに配慮して無観客生配信ライブだったため、通常の有観客の形では、今回が初となる。なお、今年の『~Holly Garden~』の方の場所は、1年前にオープンしたばかりの、有楽町I’M A SHOW。
 日本橋三井ホールの時のバンドは、Dr.kyOn(Keyboards,Backing Vocal)、木暮晋也(Guitar,Backing Vocal)、真城めぐみ(Backing Vocal,Percussion)、砂山淳一(Bass,Backing Vocal)、山下あすか(Percussion,Backing Vocal)というレギュラーメンバーに、サックス/フルートでゴセッキーこと後関好宏が加わっていたが、今回はゴセッキーに代わってバイオリンの谷崎舞、チェロの大浦萌が加わった(堂珍を含めて)8人。
 という楽器編成や、『~Holly Garden~』というタイトルが表しているように、クリスマスが近く、年末であるこの季節ならではの選曲と、アレンジと、演出でライブを行う、という趣旨である。以下、その2日目の方=12月16日(土)のレポをお届けする。

 Dr.kyOnのピアノと、2本のストリングスの音と、控えめなパーカッションだけを堂珍の歌が纏い、「Reflexion」でライブがスタートする。2015年にリリースした5曲入りEP『VOWS』に収められている楽曲である。「何かを失っても/彷徨い歩いて行こう/彷徨い探しに行こう」というラインが印象的である。というか、1曲目っぽい、確かに。
 2曲目は、2021年の無観客配信ライブでも披露された、佐野元春の1986年の名曲「CHRISTMAS TIME IN BLUE -聖なる夜に口笛吹いて-」。先日、このライブのリハーサルをしていたら、隣のスタジオが佐野元春で、彼のバンドで長くプレイしていたDr.kyOnに紹介してもらい、この曲をカバーすることを伝えたら「うれしいよ」と承認していただいた、お墨付きの「CHRISTMAS TIME IN BLUE」を聴いてください──という紹介から始まった。
 Dr.kyOnがアコーディオンで一節奏でた「サンタが街にやってくる」をイントロにして、曲が始まる。オリジナルのダブ・テイストをさらに強めたようなバック・ビートなアレンジである。アウトロでメンバーをひとりずつ紹介し、それぞれが短くソロをとり、曲が終わると堂珍、「いい人にも悪い人にも同様にクリスマスはやって来るんです。そういう歌なんです。なんてピースなんでしょう」と、この曲のコアの部分を説明する。

 真城めぐみとのデュエットで聴かせた「Tonight I Celebrate My Love」は、「愛のセレブレイション」という邦題で知られる、ピーボ・ブライソン&ロバータ・フラックが1983年にヒットさせた曲である。次はCHEMISTRYの「Why」。堂珍、歌い終えて、「ソロでも歌いたい曲です」。
 Chara、Mummy-D、杉山清貴など多数のゲスト・ボーカルが参加したトベタ・バジュンのアルバム『すばらしい新世界~RELAX WORLD~』(2021年)で堂珍が歌った「二つの月」、そして自曲の「My Angel」と「How I love you so」──2021年の時も歌った、このライブになくてはならない3曲が終わったあと、次の曲を紹介するのに、堂珍はちょっと長めのMCをとって、これまでに自分が出演した映画や、ミュージカルもストレートプレイも含む舞台、それらの経験をふり返る。
 そしてその末に「ミュージカル・ナンバーをやります」。日テレプラスの中川晃教の番組に出演してこの歌を歌った、すごくよかった、自分で言うのもなんだけど神回かもしれない(※2024年1月27日放送の『Live Music Studio』)──と、ミュージカル『モーツアルト!』で、中川晃教も含めた歴代の主演俳優たちが歌ってきた「僕こそ音楽」を歌いきる。
 歌はもちろん、表情やボディ・アクションまで含めて、ミュージカルでもストレートプレイでも日常的に演劇の舞台に立っている堂珍嘉邦に、この曲で切り替わったようだった。歌が終わった瞬間、この日のここまでで、もっとも大きな歓声と拍手が、会場を包む。

 堂珍、もう一度メンバーをひとりずつ紹介してから、明日が木暮晋也の誕生日であることを告げる。と、Dr.kyOnがビートルズの「Birthday」を弾き始め、オーディエンスも手拍子。木暮、咄嗟にそれに合わせてギター・ソロを弾き終えると、「何これ? 状況を把握してないんですけども」。かなり慌てたようだったが、「明日誕生日です、ありがとうございます」とお礼を言う。「よいお年を」と、ちょっと気の早いことも言う。
 そして堂珍、「ユニコーンの『雪が降る町』、やっちゃおうかな、たまにはいいかな」と、1992年に奥田民生が、「クリスマスの曲ではなくて年末の曲を」と書いた曲のカバーへ。Dr.kyOnのピアノとストリングス×2、真城めぐみの振るスレイベルの音と堂珍の歌、それぞれの響きが合わさって、年末感を醸していく。
 最後に「ジングルベル」が一節追加されたこの曲が終わり、「みなさんにとって、すばらしいクリスマス、そして2024年が訪れますように」と挨拶した堂珍が、真城めぐみと共に歌い始めたのは「チャイム」。CHEMISTRYの『Hot Chemistry』(2005年)収録の、自身が作詞したこの曲で、本編を締めた。
 アンコールは、先月の日本橋三井ホールで初披露した新曲「BETWEEN SLEEP AND AWAKE」。堂珍曰く「来年レコーディングしますね。たぶん」。続いて、「hummingbird」の後半に、ジョン・レノンの「Happy Christmas」と、グレン・ミラーで知られるジャズのスタンダード「In The Mood」をくっつけたメドレーを聴かせる。
 そして、「みんなが平等に、メリークリスマス。今年1年応援いただきまして、本当にありがとうございます。ありったけのありがとうをこめて、最後に聴いてください」と、最後にオーディエンスに贈ったのは「#1999」だった。
 2017年(つまりCHEMISTRYが再始動する前年)のソロシングル『BIRDY』に収められた、「今日、ありがとう」「次は いつ逢えるかな」とリフレインするこの曲を歌い終えた堂珍は、最後にもう一度、メンバーを紹介してから、全員で手をつないで挨拶。オーディエンスはスタンディングオベーションで、堂珍に感謝を伝えた。

 このライブの初日の模様は、12月25日(月)21:00よりStreaming+で配信されることが決まっている。

SET LIST

01. Reflexion
02. CHRISTMAS TIME IN BLUE
03. Tonight I Celebrate My Love(w/真城めぐみ)
04. Why
05. 二つの月
06. My Angel
07. How I love you so
08. 僕こそ音楽
09. 雪が降る町
10. チャイム

ENCORE
01. BETWEEN SLEEP AND AWAKE
02. hummingbird~Happy Christmas~In The Mood
03. #1999

PRESENT

堂珍嘉邦『2024年直筆年賀状』を限定1名様にお届けします!

※転載禁止

受付は終了しました

公演情報

DISK GARAGE公演

『堂珍嘉邦 LIVE 2023 “Now What Can I see ? ”~Holy Garden~』

配信ライブ

※本公演は、2023年12月15日(金)に開催いたしました
堂珍嘉邦『堂珍嘉邦 LIVE 2023 “Now What Can I see ? ”~Holy Garden~』 の配信となります。

【受付日時】
2023年12月25日(月) 18:00~2023年12月31日(日)18:00
※アーカイブ配信あり(2023年12月31日 23:59まで)

配信詳細はこちら

  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

    • ツイッター
  • 撮影

    柴田恵理

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