堂珍嘉邦 LIVE 2025 -winter-
2025年12月19日(金) 東京・日本橋三井ホール
【ゲスト】 KEIKO LEE
【MEMBER】 Band Master, Keyboards 清野雄翔 / Keyboards 上田壮一 / Guitar, Backing Vocal 小池龍平(LITTLE TEMPO) / Bass , Manipulator ミノシマシンゴ /
Violin 磯部舞子 / Violin 谷崎舞 / Viola 角谷奈緒子 / Cello 吉良都
2020年、無観客配信収録から6年、11月にバースデイ・ライブとして行う年もあれば、12月にクリスマス・ライブとして行う年もある、つまり、ほぼ毎年、だいたいこの時期の恒例になっている、堂珍嘉邦の東京・日本橋三井ホールでのワンマンライブ。今年=2025年は、12月19日(金)、20日(土)に、『堂珍嘉邦 LIVE 2025 -winter-』と銘打って、開催された。
バンドの編成とメンバーは、昨年までと大きく変わった。バンマスのDr.kyOnが、2025年8月から病気療養に入っているので、そうしたのかもしれないし、サウンド的に新しい方向を目指したから、そうしたのかもしれない。
ギター(小池龍平)、キーボード×2(バンマス清野雄翔と上田壮一)、ベース&マニピュレーター(ミノシマシンゴ)、ストリングス×4(バイオリン磯部舞子と谷崎舞、ヴィオラ角谷奈緒子、チェロ吉良都)、そして堂珍という、ドラムレスの9人編成。
上田壮一、谷崎舞と吉良都以外は、堂珍のこの時期のこのステージで演奏するのは、初めてのミュージシャンたちだ。なお、ギターの小池龍平(LITTLE TEMPO)は、今年11月に開催されたビルボードライブ横浜から、初参加している。
この2日間のうちの1日目=12月19日(金)の公演には、ゲストでKEIKO LEEが出演した。
以下、その19日(金)初日の模様をお伝えする。
この日、堂珍が歌ったのは、本編13曲、アンコール3曲の計16曲で、全体の尺は2時間弱。
詳しくは後述するが、自身の曲が8曲、カバーが8曲という内訳だった。その8曲のカバーのうち、これまでもたびたび歌ってきた曲が1曲(4曲目のohana「HEAVENLY」。音源化もしている)、今年4月のビルボード・ライブでも歌った曲が1曲(10曲目の七尾旅人「サーカスナイト」)で、JAZZスタンダードナンバー「Caravan」以外の5曲は、今日が初披露である。
最初はストリングスとピアノ、そこに打ち込みのキックが加わって始まった1曲目は、Akeboshiのナンバー「The Audience」。
2曲目は「Teardrop」。UKブリストル・サウンドの代表的存在、マッシヴ・アタックの、世界的にヒットしたアルバム『Mezzanine』(1998年)収録の、エリザベス・フレイザー(コクトー・ツインズ)をゲスト・ボーカルに迎えた曲のカバーである。ちょっとびっくりするくらい、堂珍の声質に合っている。
だんだんここからリラックス・モードになってくると思います、ラクに楽しんでください──というMCを経ての2ブロック目は、自身の「evergrey」と「Lasers」で、おなじみのカバー「HEAVENLY」をはさんだ3曲だった。確かに、1曲目・2曲目の美しくはりつめた空気が、この3曲でフワッとやわらかく変わった、ような気がした。
二度目のMCをはさんでから、自身の「My Angel」と、Spinna B-ILL & The Cavemans「children」のカバーを聴かせる堂珍。後者は彼のカバー選曲によくある「これをひっぱりだしてきましたか!」系の曲。現在も活躍中のレゲエ・シンガー(という紹介は雑だが)、Spinna B-ILLが、2002年から2005年まで組んでいたバンドのレパートリーだ。4月のビルボード・ライブでも、Spinna B-ILL & The Cavemansの別の曲をカバーしたことを、歌う前に堂珍は伝えた。
11月19日(水)に、ブルーノート東京で行われた、KEIKO LEEの30周年ライブにサプライズゲスト出演したことを話し、その彼女の30周年記念アルバムの新曲を聴いて、かっこいいと思ったので──と話してから、「今日、KEIKO LEEさんいらっしゃってるんですけど、まだ呼びません!」と宣言。ひとりでその曲=「Light Of Love」を、歌う。
曲が終わるとKEIKO LEEを呼び込み、ふたりが最初に共演した曲=CHEMISTRYのファースト・アルバム(2001年)で、KEIKO LEEが作曲・編曲を手掛けて堂珍と共演した、「星たちの距離」をデュエット。先月のブルーノートでも、この曲を選んだそうだ。オーディエンスは、先に堂珍、次にKEIKO LEE、そしてサビで溶け合っていくふたりの歌に酔い、大きな拍手を贈った。
七尾旅人「サーカスナイト」とKenta Dedachiの「Jasmine」、同世代のアーティストとZ世代と呼ばれるアーティストの曲を続けてカバー(後者はSpinna B-ILLと同じく、最近別の曲もカバーして今日が「第二弾」だと説明)してからの、本編最後のゾーンは、自身の「Reflexion」とAkeboshiの「曇り夜空」の2曲で締めくくった。結果、Akeboshiで始まりAkeboshiで終わる構成ということだ。

アンコールの1曲目は、堂珍とKEIKO LEEのピアノ、ふたりだけで「RAINBOW」を聴かせてくれた。『the CHEMISTRY joint album』(2009年)でこのふたりが二度目にコラボした曲である。歌う前に堂珍、「こういう状況、なかなかないぞ! 僕もたぶん、一生の思い出になる」。
2曲目は、バンド全員が戻って、JAZZスタンダード「Caravan」をKEIKO LEEヴァージョンにてカバー。このふたりで歌う、という、ここでしか聴けないし観れないサプライズをオーディエンスに贈る。とても華やかでとてもエキゾチック。
最後に、KEIKO LEEを送り出してから歌ったのは……という前に、ちょっとしたアクシデントが。堂珍、30周年のお祝いの大きな花束を、サプライズでKEIKO LEEにプレゼントしてから送り出す段取りだったようで、そのまま「KEIKO LEE! ありがとうございました、大きな拍手を!」と送り出してしまい、KEIKO LEEがはけようとすると、ソデに(堂珍が取りに来ないので)花束を持った舞台監督がいて、そのまま花束を受け取るということに。
KEIKO LEE「どういうこと? これ。舞台監督さんにもらっちゃって。もー!あとでお説教ね!」。客席もメンバーも大笑い。堂珍、彼女に花束を渡し直し、改めて送り出してから、「……ああ、なんてことを……なんてことをやってしまったんだ……」と、うめく。「明日もひきずるかなあ……ひきずんない!」。
という愉快な顛末を経ての最後の曲の前に、堂珍はこんな挨拶をした。
「来年は(CHEMISTRYでのデビューから)25周年だったりして、いろいろソロでの動きも……スケジュールは色々と詰まってきてますが、でもできる限りやれることはたくさんやりたいなと思っていますので。引き続き応援の程、よろしくお願いいたします」
そして歌われたのは、今のところの最新曲であり、堂珍嘉邦のソロ・キャリアの中でも、時代を超越する屈指の名曲である(と自分は思う、2024年11月6日リリースの「BETWEEN SLEEP AND AWAKE」。イントロの四つ打のキックに合わせて、自然にハンドクラップが湧き上がる。サビで4本のストリングスと堂珍の声が美しく溶け合うこの曲は、音源以上に格別な響きをもって、日本橋三井ホールを満たした。
SET LIST
01. The Audience (Akeboshi)
02. Teardrop (Massive Attack, Elizabeth Fraser)
03. evergrey
04. HEAVENLY (ohana)
05. Lasers
06. My Angel
07. children (Spinna B-ILL & The Cavemans)
08. Light Of Love (KEIKO LEE)
09. 星たちの距離 (DUET with KEIKO LEE)
10. サーカスナイト (七尾旅人)
11. Jasmine (Kenta Dedachi)
12. Reflexion
13. 曇り夜空 (Akeboshi)
ENCORE
01. RAINBOW (堂珍嘉邦&KEIKO LEE(Acoustic Piano, Backing Vocal))
02. Caravan (DUET with KEIKO LEE))
03. BETWEEN SLEEP AND AWAKE













