兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第194回[2025年9月後半・フラカン二度目の日本武道館、現在の日比谷野音の最後の日のエレファントカシマシ、10周年のオハラ☆ブレイク、等の7本を観ました]編

コラム | 2025.10.21 15:00

イラスト:河井克夫

主に音楽関係のフリーライターである兵庫慎司が、自分が生で観た(時々配信もあり)すべての音楽の (時々お笑いやプロレスや演劇もあり) ライブのレポを書いて、月に二回アップしていく連載の、194回目=2025年9月後半編です。
フラワーカンパニーズ10年ぶり二度目の日本武道館ワンマン、現状の日比谷野音の最後の公演のエレファントカシマシ、RC&忌野清志郎デビュー55周年企画の『オハラ☆ブレイク』など、記録にも記憶にも残るライブが多かった、この半月は。衝撃の発表があった、という意味では、配信で観たエレキコミックの『50』も、そうでした。

9月20日(土)16:30 フラワーカンパニーズ @ 日本武道館

発表から1年、早くこの日が来てほしいような、来てほしくないような、なんとも落ち着かない気持ちで待っていた、フラワーカンパニーズ10年ぶり二度目の日本武道館ワンマン。
すばらしかった、いつもどおりで。一度目を超えていた。ぴあ音楽にレポを書きました。≫ 「今のフラカン」の圧倒的な底力 2度目の日本武道館、最高のお祭り騒ぎ【ライブレポート】

9月21日(日) 11:20 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025(5日目) @ 蘇我スポーツ公園

今年から開催時期を、8月の第一週末&第二週末から、9月の第二週末&第三週末に移したROCK IN JAPAN FESTIVALの、最終日。別の仕事等があって開演には間に合わず、観れたのは以下の7アクトでした。
10-FEET→SHISHAMO→マキシマム ザ ホルモン→CUTIE STREET→神はサイコロを振らない→RIP SLYME→DJ和
PARK STAGEのトリ、RIP SLYMEが観たくて最後まで残った。後半の「熱帯夜」でマキシマム ザ ホルモンのナヲが飛び入りして4MCと一緒にダンスした。さらに、ナヲちゃんが去ってからのラストの曲は「One」。今年になってから、RIP SLYMEのフェスでのステージを観たのは、5月に2本と8月に2本、この日で5本目だったが、「One」を聴けたのは初めて。来てよかった!
で、ROCK IN JAPAN FES.の常として、トリを最後まで観たら、当分の間、会場から最寄りの蘇我駅まで大渋滞、駅も大混雑になる。なので会場に残って時間をつぶした方がいい、ということを、以前の経験で知っていたので、クロージング・アクトのDJ和のプレイを、最後まで聴いてから帰った。DJ和のプレイがいいし、それに熱狂する若き参加者のみなさんの姿から「ああ、ほんとに音楽好きなんだなあ」ということが伝わってくるし、とても良い気分で最後の時間を過ごせたのだが。
この日もすばらしいステージで、かつ大ウケで、「これワンマン?」ってぐらいオーディエンスに愛されているのがよくわかったSHISHAMO。この6日後に、2026年6月13・14日の地元川崎でのライブを最後に、活動を終了することを発表するなんて、一切思っていませんでした……。

9月21日(日) 17:00 エレキコミック @ シアターサンモール/Streaming+

エレキコミック第35回発表会『50』、全5公演のうちの最終の回。5公演とも行けないスケジュールだったので、配信で観た。コントは今回も鉄壁のおもしろさだったが、今回さらに、幕間映像を使って、とんでもない発表があった。
この公演の幕間映像のネタはふたつ。ひとつめは、やついいちろうがなくしたAirPodsを、GPSを頼りに探しに行く(でもそのGPSが指している店のおじいさんは、けんもほろろで回収できずに終わった)、というネタ。それはただただ笑って観たが、問題はふたつめである。
最近、今立進の様子がおかしい。もしかしたら離婚したのではないか、と思われるフシがある。と、やつい&スタッフたちが疑い、「ここがおかしい」などと話し合った末に、直接本人に問うたところ。なんと、認めたのである。2024年の3月に離婚したが、この日までの1年半、黙っていたというのだ。
なんと。びっくり。というのも、2016年の今立の結婚は、エレキコミックのライブの幕間映像で「やついいちろうが今立に『プロポーズしろ』とミッションを課す→今立が彼女と食事に行ってプロポーズするところを、別室のやついと片桐仁がモニターで観る→プロポーズしてOKをもらう」までが上映されたのが第一フェーズで、第二フェーズとして、その年の12月28日の『エレ片in両国国技館』で、お客さんたちの前で、披露宴を行ったのである。つまり、はじまりからライブのネタになって、終わりもネタになった、ということだ、結果として。
そういえば、『エレ片in両国国技館』を控えたタイミングでのインタビューで、やついいちろうは、「離婚してほしいと思ってます。そしたらもう1回ライブでネタにできるので」と言っていた。こちらです。
エレ片10周年&今立、電撃結婚おめでとう! 国技館ライブを熱弁
まさか、9年後に、本当にそうなるとは……とにかく、今立さんの、今後の心と生活の安定を祈ります。くらいしか、言えません。

9月23日(火・祝)11:30 プロレスリング・ノア @ 後楽園ホール

『N-1 VITCTORY 2025』の優勝決定戦、マサ北宮×ジャック・モリスがこの日のメインイベントだったが、それ以外も盛りだくさんだった。
・高橋ヒロム、AMAKUSAと組んでタッグマッチで出場。AMAKUSAがフォール負けしたが、ヒロムの今シーズンのノア無敗は守られる。
・8人タッグに出場した藤田和之の試合が終わったところで、突然鈴木みのるが現れて藤田に対戦を要求、10・11両国国技館でシングルマッチを行うことが決まる。
・TEAM 2000 Xのヨシ・タツとダガが仲間割れして、その場で急遽シングルマッチが行われる→32秒でヨシ・タツが負ける→というわけでダガはTEAM 2000 Xを離脱。
などなど。しかも。その藤田和之と同じチームで8人タッグに出て、谷口周平をラリアットで沈めて3カウントをとった潮崎豪は、この1週間後に、「突然」としか言いようのない感じで、ノアを退団した。
なので、結果的に、彼の、ノアにおける最後の試合を観たことになったが、うーん、うれしくないような、うれしいような。行ってよかった、観れてよかった、という気持ちはありますが。

9月23日(火・祝)18:00 ウルフルズ @ 昭和女子大学人見記念講堂

全国ツアー『ツーツーウラウラツー シーズン2』の初日。このDI:GA ONLINEに、レポを書きました。≫ ウルフルズの『ツーツーウラウラツー シーズン2』、初日からいきなり波乱万丈

9月27日(土)11:40 『オハラ☆ブレイク』 @ 猪苗代湖畔 天神浜

『ARABAKI ROCK FEST.』でおなじみの東北エリアのイベンターGIPの「大人の文化祭」がテーマのフェス『オハラ☆ブレイク』、10周年を迎えた今年は、RCサクセションと忌野清志郎のデビュー55年を祝って、『オハラ☆ブレイク’25 A GO GO 愛し合ってるかい』というタイトルで開催。
ゲスト・ボーカルが次々に登場して、RCもしくは清志郎の曲をやる、というスペシャル・バンドが、昼に1組、夜に1組出演。夜の方のバンマスは仲井戸麗市で、メンバーに梅津和時もいる。で、それ以外のアクトも全組、RCもしくは清志郎の曲を1曲カバーする、という趣向である。
楽しくないわけないし、感動しないわけないだろ、こんなの。と言いたくなるが、まさにそのとおりの、いや、それ以上の体験だった。
オフィシャルのレポを、SPICEに書いて納品済みです。アップされたら貼ります。終演後の、テントを張って泊まる人たちのための、いわゆる「CAMPERS ONLY」のアクトまで、すべて観て書くために、自分もソロキャンプしました。

9月28日(日) 17:00 エレファントカシマシ @ 日比谷野外大音楽堂

本当に、この日の公演を最後に、再整備工事のためクローズする日比谷野音、そのステージに上がったのはエレファントカシマシ。アンコールのMCで、宮本浩次が「誰かが『エレカシで野音、最後』って言ってくれて、俺たちはなんて幸せなバンドだろう」と言っていたので、オファーされて、それを受けたわけですね。
日比谷野音の歴史などを考えると、確かにそのオファー、最良の選択だと思うし、それをエレファントカシマシが引き受けてくれてよかった、とも思う。エレファントカシマシが初めてここでワンマンをやったのは、1990年9月29日、この日で41回目。
「『序曲』夢のちまた」で始まり、「待つ男」で終わった27曲、2時間35分くらいのライブ。その2曲もそうだが、「太陽ギラギラ」「東京の空」「月の夜」「星の降るような夜に」「男は行く」などなど、「エレカシの野音」ならではの(と僕が思っている)曲が多数の、(自分にとって)なんとも感慨深いセットリスト。「おまえの夢を見た(ふられた男)」「ひまつぶし人生」や「なぜだか、俺は祷ってゐた。」あたりが聴けたのも、うれしかった。
なお、この日はサポート・ギター、なし。4人で始まった1曲目の途中で、エレカシの野音と言えばこの人、キーボードの細海魚が加わる。本編ラストの「ファイティングマン」と、アンコールの最後の「待つ男」も、4人だけで演奏された。というのも、とても良かった。

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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