ついに始まった「Exhibitionism-ザ・ローリング・ストーンズ展」。
「圧巻の500点以上の展示物というスケールのデカさ」、「誰でも楽しめるエンターテイメント感満載の内容」、「世界5ヶ所を回りすでに100万人を超える動員を記録」などなど、凄すぎる話題や噂ばっか入ってくるので、僕らストーンズファンはただただ早く見たい!とヤキモキし続けてたのだが、それが満を持してついに日本にやってきたのだ。
それで僕は今回このストーンズ展のレポートライターとして真っ先に訪れる事ができたのだが、いきなり結論から書くと、3時間以上いたが全然まわり切れなかった。
ディズニーランドに初めて行った人がよく「1日で回り切れない~!」と興奮して言うが、アレと同じだ。
要するに噂通り本当に凄かったのだ。
そのスケールもエンタメ性も、そして僕らのような往年のストーンズファンも見事に圧倒するあまりに貴重な展示物の数々も、本当に素晴らしかったのだ。
一応レポーターとして行った僕だが、中に入り少し回ってみてすぐに、これは僕のいつもの個人的なエモっぽい書き方をしてたら絶対に終わらないと思ったのと、このストーンズ展は5月のゴールデンウィーク最終日までまだまだ毎日続いていくので、今回はこれからこのストーンズ展に行くという人達と、行こうかなと思ってる方々へのガイド案内も含めたナビ&レポートとして、入り口からなるべく順を追って(しつこくエモも挟み込みながら)書く事にします。結局長くなりそうだな。
なんと写真撮影自由!中はフォトスポットの嵐。
会場の入り口(上2枚)はこんな感じで、五反田の街から外れた道路沿いに突然このTOC五反田メッセの建物が現れ、中に一歩入ると沢山の派手なおなじみベロマークが出迎えてくれる。驚いた事になんとこのストーンズ展は中も全部写真撮影自由で、沢山のフォトスポットも用意されている。そんなとっても今っぽい参加体験型なコンセプトをすぐに取り入れられるストーンズのフットワークの軽さはやはりさすがである。
オープニングムービーでいきなり鳥肌
そしてエントランス入り口に真紅に浮かび上がる大きな「レディース・アンド・ジェントルメン」(ストーンズの伝説のライブのタイトルでもある)の文字を抜けると、いくつものモニターがコラージュされた広い部屋が現れ、そこにストーンズのデビューから今までの色んな映像とそのそれぞれの時代の様々な映像が織り交ぜられたフラッシュバックのようなオープニングムービーが流されていて、そこで早くも鳥肌が立ってしまう。ストーンズには57年もの長い歴史があり、それが今も続いているのだという事実を訪れる全ての人に一瞬で理解させる派手な仕掛けのオープニングだ。
1962年のロンドンにタイムスリップ。
壁に「LONDON 1962」と大きく書かれたまるでタイムトンネルのような通路を抜けると、キースがこの企画展で「一番気に入ってる」というキースとミックとブライアンが共同生活を送っていたアパートが完全再現されている。昔の家具や内装のカッコよさに一瞬ダマされそうになるが、よく見ると食器の皿に溜まったタバコの吸い殻や放置されたままの服や酒や食器や食べ物など、要するにただの汚いアパート部屋で、誰も何ひとつ片付けないそこら辺にいる不精な不良青年達の生活空間だったという事がよくわかる。でもその一方で好きなレコードだけはみんなで一生懸命聴いてたんだろうなという事に気付かされる部屋もある。「ここがストーンズの原点でしかも気味悪いくらい忠実に再現されている」とキースも言っていた。
デビュー~初期の貴重な展示品の数々。
次にデビュー当時の写真やライブポスターなど色んな展示物があり、その中にストーンズがデビューした1963年に20歳そこそこのキースとブライアンが自分達で購入したギターが展示されていて、僕はここで最初のピークがきてしまい胸が一杯になってしまった。こんな凄いものがまさか目の前で見れるなんて思ってなかった。このギター達は56年も前のデビュー当時のストーンズの初々しい数々の名曲の中で実際に弾かれていたギター達なのだ。見つめてるだけで僕の耳の中でその頃のストーンズのレコードの楽曲が流れてくる。そばにはチャーリーが当時買ったドラムセットもあり、「買った店がビートルズのリンゴと同じ店だった」という当時のロンドンを象徴するようなシビれるエピソードも書かれていた。
他にもキースがデビュー当時に書いていた日記なんていう珍しい物や(まずキースが筆まめだったという事実の方に先に驚かされるが)、ファンクラブの質問にメンバーが直筆で答えているアンケートなんてものまであり、そのアンケートでの「好きなものは?」という質問にミックもキースも「女のコ、服、食べ物」と普通の若者らしい素の回答を書いてたりして、読んでても微笑ましい。
レコーディングスタジオ再現。
その隣に60年代後半に名曲の数々がレコーディングされたロンドンのオリンピック・スタジオが再現されている。そこに置かれているアフリカンドラムを見ればストーンズファンならそれが「悪魔を憐れむ歌」の制作シーンを再現してるのだとすぐわかるだろう。中に置かれた機材もキースのギターや当時の貴重な機材を実際に持ち込んでいるので、そのスタジオ全体がどこを見てもとても興味深く、音楽関係の仕事をしてると思われる方々が沢山集まっていて中を隅々まで観察し続けていた。そこに展示されている数々の当時のレコーディングテープの箱には、「Jumpin' Jack Flash」とか、その後に歴史的ロッククラシックとなる曲名の数々が無造作に書かれていて、それも読んでるだけでも興奮してしまう。
凄すぎるギター展示コーナー
個人的に今回最も驚いたコーナーの一つがこのギター展示コーナーで、ストーンズファンならこの写真をよく見ればわかると思うが、要するにキースとロニーが昔から今もなお使い続けている歴史的なギターの本物の数々が何とそのまま展示されているのだ。一般の人はピンとこないと思うが、僕ら往年のストーンズファンは今まで過去のライブ映像でこのそれぞれのギターをプレイするキースとロニーを何度も何度も見まくっているので、この飾られたギター1本1本がいつどこで弾かれていたものかが一瞬でわかるし、ファンの僕ら自身にもこのそれぞれのギターに思い出が詰まっているのだ。特にキースの伝説の“黒の5弦テレキャスター”(写真上真ん中)はキースの代名詞のようなギターで、これに憧れたロックギタリストは本当に多く、実際ギター好きの人達はみんなこのコーナーでどよめき興奮しまくっていた。しかも、もうすぐストーンズはツアーが始まるので、聞くとこによると、この中の何本かは回収される可能性があるらしい。だからこれを必ず見たいギター好きはもう今すぐ行かなければならないのだ。